マナコにいっぱい新緑を・・・

 5月17日から「船上から見る日本列島一周ゆったり船旅 8日間」という長ったらしいタイトルのツアーに参加した。
 私、そんなつもりじゃないけれど、今年はなんと77歳の喜寿。それに3月には、自治連合会の仕事にもエンドマークを打つことが出来て、我が生涯初めて「毎日が日曜日」が実現。「ゆったり船旅ツアー」なら、目下ゆったり気分溢れる私にピッタリと思い参加した次第である。
 船旅と云ったってゴージャスなクルーズ船ではなく、フェリーだけれど全て5階~6階にあるバス・トイレ付の個室。ピッカピッカの新造船やフェリー・オブ・ザ・イヤーを連続受賞している船もあり、映画の上演や演奏会も開かれてクルーズ船に乗った気分でした。ウン、私ってなんと安上がり。
 船に乗ったのは北九州市から大阪、舞鶴から小樽、仙台から名古屋、大阪から鹿児島の志布志と船中4泊。泊まったホテルは小樽とは函館と岩手の花巻温泉の3泊。豪華な温泉ホテルばかりで、露店風呂は有ったけれど、残念ながらというか、当然ながらというか混浴はナシ。
 津軽海峡はトンネルをJRを利用して渡り、後はバスを利用して、アチコチ観光地をホイホイと巡り、また次の港から船に乗る仕組みになっているのだけれど「船上から見る日本列島」のつもりが「船上から見る???」
 船に乗ったらズズズーイと我が日本列島の海岸線を見ながら航海すると思ったら大間違い。右を見ても左を見てもズズズーイと海ばかり。
 よく考えてみたら、15000トン~20000トン級の船だから、陸に近づけて航海する訳ないよね。「船上から見る海に囲まれた日本列島一周のゆったり船旅」として貰わなければならぬ。
 だけど、どの船の後尾には展望デッキがあって、ツン読していた796頁の「日本探偵小説名作集」の半分位まで読むことが出来た。果てしのない海ばかり見ていると、俗人たる私はたちまち退屈するけれど、読書の合間にふと目を上げると海が見えるというのも、なかなか優雅なもので、日本列島見えなくっても「マ、イイか」気分になったものである。
 船の食事は朝も夜もバイキングである。生まつきケチ気分に溢れている私は、当たりかまわず食べまくり、帰って体重を計ったら2キロオ-バー。後悔後に立たず。どうしよう・・・。
 小樽から洞爺湖を通り函館に行く途中と、青森から奥入瀬渓流を経て十和田湖に行く道は、新緑がマナコいっぱい眩しくに輝いて、みずみずしい若葉のトンネル。九州では見られない風景に「スゴーイ」を連発してきました。
 でも、なんたって一番驚いたのは、青森のバス駐車場で、横に泊まったバスを見た時。なんと熊本の貸切りバス。エンエン九州からバスで北の端まで来るなんて「エラーイ」と感嘆の声を挙げたら、なんと
 「バスでまわる日本一周22泊23日の旅」
 バスの添乗員さんも、こんなツアーは初めて聞いたと云っていたけれど、スゴーーーイ!!!
 移動は同じバス、泊まるのは必ず一流のホテルか旅館だそうで、なんとも贅沢にして骨の折れるツアーみたい。こちとら「船上から見る日本列島一周ゆったり船旅 8日間のツアーです」なんて恥ずかしくって言えやあしない。 
 お金と体力勝負のツアーだろうけれど、私って、どうみてもムリムリのコンコンキチみたい。ウーン、ザンネン。
 道中、雨に降られることもなく、北海道の温度差も感じることがなかったのは、多分、私の日頃の行いが良かったせいであろう。
 どう? 私を誘って旅をしませんか。天候保証付きです。ハイ。

牛は超然として押して・・・

 朝日新聞に夏目漱石の「それから」が連載されているけれど、我が北九州市立文学館でも夏目漱石没後99年を記念して特別企画展「夏目漱石ー漱石山房の日々」が開催されることになり、その開会式が5月2日に開かれた。
 来年が漱石没後100年。来年は各地でいろいろなイベントが開かれるだろうけれど、我が北九州市は、全国に先駆けて漱石没後99年展を開催。これって、すっごくニクイ発想ですね。きっと今川英子文学館長の発想だろうけれど、スゴーイの一言。
 漱石展を開催するくらいだから、我が街北九州と漱石とは、なにか特別な関係があると思うでしょ。ところが、漱石が熊本第五高等学校時代に、北九州市に1泊して別府に行ったという関係だけ・・・たったこれだけのささやかな関係だけで、公益財団法人日本近代文学館・県立神奈川近代文学館・公益財団法人神奈川文学振興会・岩波書店・小宮豊彦の資料を収蔵する福岡県みやこ町歴史民俗博物館等から、ズラズラーと貴重な資料を出品してもらって開催にこぎつけたというのも、これまたスゴーイ・スゴーイ。
 これもきっと、今川英子文学館長の努力の賜物でしょうね、きっと。
 開会式には、北橋北九州市長の挨拶の後、中野梅光学院大学学院長の祝辞があり、今川英子文学館長の挨拶があったのだけれど、その中で今川館長がつらく苦しい時に、漱石の有名な「むやみにあせってはいけません。牛は超然として押して押していくだけです。うんうん死ぬまで押すのです」という言葉を先人から聞かされ、そして立ち直ったという話を涙ぐみながら話されたのが印象的だった。
 私のような平平凡人からいえば、とっても偉い文学者である今川先生も、そんなナイーブな面があるなんてと、親近感溢れた気がして・・・などと言ったら叱られるかもしれませんね。ごめんなさい。
 「牛は超然として・・・」という言葉は、漱石が芥川龍之介に出した書簡の中の文章だけれど、私などは「ウンウン押して・・・ダメ」なら、ハイ諦めますという根性ゼロタイプだから、こんなの言葉を聞くと「ギクッ・・・」としてしまう。
 田中慶太郎さんの「命を磨く言葉」というプログに、この言葉を引いて「人生に即効薬を求めるな」と書いてあったけれど、現代は、政治の世界も含めて「せっかち過ぎる」みたいである。ホント、せっかち人間でもある私は牛になりたい。
 最後に、劇団「青春座」の上西昭南さんが、漱石の「草枕」の冒頭部分の朗読があった。「山道を登りながら、こう考えた。智に働けば角がたつ・・・」という有名な書き出しの部分は有名だけれど、上西さんが朗読された最後の箇所について、これも、冒頭の文章のように名言と思ったので、ここに記すことにします。

 世に住むこと20年にして、住むに甲斐ある世と知った。25年にして明暗は表裏の如く、日のあたる所にはきっと影がさすと悟った。30の今日はこう思うている。――喜び深きとき憂いはいよいよ深く、楽しみの大いなるほど苦しみも大きい。これを切り離そうとすると身が持てぬ。片付けようとするとすれば世が立たぬ。金は大切だ、大事ものが殖えれば寝る間も心配だろう。恋はうれしい。嬉しい恋が積もれば、恋せぬ昔がかえって恋しかろ。閣僚の肩は数百万人の足を支えている。背中には重い天下がおぶさっている。うまい物も食わねば惜しい。少し食えば飽き足らぬ。充分食えばあとが不愉快だ。

 ネ、名言でしょ。 
開会式が終わって石田忠彦鹿児島大学名誉教授から「愛を追う漱石」と題して記念講話があった。
 漱石を「人生ウンヌン・・・」から話されると、カタイ話に弱い私はムズムズしてくるけれど「恋・愛」大好き人間の私だから、胸をときめかせて聞いたのは言うまでもない。
 漱石が追い求めた愛のテーマとして、漱石の作品を「神秘的な愛」「現実の愛としての姦通」「愛と嫉妬と我執」に分けて話されたが、漱石歿して99年、永遠のテーマであることに改めて感じた次第である。 

 この企画展のために「没後99年 夏目漱石ー漱石山房の日々」と題して66頁の小冊子が発行されたけれど、これがコンパクットの纏められていて、いっぺんに漱石通になってしまった。どうもありがとう。

※ 今川英子ーー北九州市立文学館館長。林芙美子研究の第一人者。著書に「林芙美子巴里の恋」(中央公論新社)など。「林芙美子全集全16巻」編集。他に共著、論文、エッセイなど多数。

恋の原点

 5月がスタート。私が一番好きなミュージシャンは井上陽水。そして陽水の曲の中で一番好きな曲は「5月の別れ」
 だから、私の好きな季節は5月。  

5月の別れ

風の言葉に諭されながら
別れゆくふたりが5月を歩く
木々の若葉は強がりだから
風の行く流れに逆らうばかり

鐘が鳴り花束が目の前で咲きほこり
残された青空が夢をひとつだけ
あなたに叶えてくれる

 陽水が好きなのは、彼が紡ぐその歌詞。爽やかなメロデイにのせてこの歌詞が流れると、まさにピッタリ5月がいっぱい。

 そしてゴールデンウイーク!!!
 バンザイばんざい万歳・・・と、云ったのは、むかし昔のそのまた昔の話。
 いい加減年寄りの私にとって、あまり関係のない話だけれど、どこか行かなきゃソンソン気分になるから不思議である。
 と、云う訳でTVニュースは、空港も駅も旅をする人がウジャウジャといっぱい。どうも、景気が良くなったみたいである。

 あなたも、そのハッピイな一人?

 とは云え、アベノミックスとはほど遠い世界に住んでいる恋人達は、そう、馬場あき子の短歌のように

温かき春の河原の石しきて背中あはせに君と語りぬ

 と、ここは名所旧跡でもなく、レジャーランドでもなく、なーんにもない河原だけれど、それでもしみじみと幸せ感じる気がします。
 ウン、これって恋の原点!!!
 ネ、素敵でしょ。お金や暇がなくっても大丈夫デス。

※ 馬場あき子ーー1928年生まれ。歌人、文芸評論家。短歌結社「かりん」主宰。日本芸術院会員。歌集に「暁すばる」など。

倒木の敗者復活戦

 今年になってみた映画は8本。
 洋画は「96時間 レクイエム」「スパイ・レジェンド」「ワイルドカード」「アニー」「アメリカン・スナイパー」「イミテーション・ゲーム」
 邦画は「中島みゆき 縁会2012~3 劇場版」「風に立つライオン」
 例によって、洋画は「アニー」を除くと、私が愛好する撃って撃って撃ちまくるスカッと爽やかドンパチ映画。
 ストーリイは、要するに96時間で悪をやっつける話とか、スパイが相手をやっつける話とか、ワイルドにワルをやっつける話とか、アメリカのスナイパーが敵をやっつける話とか、なんとかゲームでやっつける話で・・・。
 エ? 何? 「それって、ストーリイじゃなくって、映画のタイトルを読んでいるだけでしょ。そう八さん、ストーリイは忘れているんじゃない?」って・・・。
 フン、失礼だよ、まったく。単に要約して書いただけで、詳しく説明すれば、ドンドンパチパチ・ハラハラドキドキ波乱万丈を繰り返すけれど、我が主人公は何故か無事に乗り切って、まずはめでたしめでたしというストーリイです。
 「エッ、それってストーリイがドンパチなの?」
 そう、ここだけの内緒の話だけれど、ドンパチ映画は弾に当たってもガバッと血など吹き出さないし、死体累々などというシーンもないし、画面はいつも清潔感いっぱい。だから、スカッと爽やか気分で映画館を後にするでしょ。ドンパチシーン優先に出来ているから、ストーリなど二の次。ウン、これぞスカッと忘れるドンパチ映画。
 だってね、スカッと忘れなければ、あれだけ死んだら棺桶は足りるだろかとか、女房子供はいるのだろうかとか、保険をかけていただろうとか、いろいろ悩まなければならないでしょ。
 そうなると、大変だからスカッと忘れるドンパチ映画。

 洋画に比べると、中島みゆきのコンサート劇場版は中身がいっぱいで、大大大満足。
 大スクーリンで5.1chサラウンドでしょ。みゆきさんがド・アップでうつり、四方八方から大音響で音が溢れて、まるでホールの最前列にいるような気分。
 うん、入場料2500円也だったけれど、九州の片隅にいて、ホールの臨場感が感じられるって、スゴーーイ!!!
 全部で20曲演奏されて、サービス満点のお馴染みの名曲ばかりだったけれど、「時代」に続いて歌ったのが「倒木の敗者復活戦」
 この「倒木の敗者復活戦」を歌った時、彼女はマイクスタンドのポールを両手で固く握り、強く訴えるようにして歌ったのが凄く印象的で、いいかげん年寄りで感性の薄れつつある私でさえ心を動かされてしまった。
  この歌は「時代」と同じように、東北大震災で被害を被った方々に対する彼女の想いを感じた次第である。
 彼女のステージ衣装は、いつもシンプルでお洒落だけれど、私が好きなのはアンコールで歌う時のジーパン姿。
 すっごく可愛くって素敵!!!

倒木の敗者復活戦     中島みゆき      

打ちのめされたら 打ちひしがれたら
値打ちはそこで止りだろうか
踏み倒されたら 踏みにじられたら
答えはそこで止りだろうか
光へ翔び去る翼の羽音を 地べたで聞きながら
望みの糸は切れても 救いの糸は切れない
泣き慣れた者は強かろう 敗者復活戦
あざ嗤え英雄よ 嗤うな傷ある者よ
傷から芽を出せ 倒木の復活戦

ドッキッ

 春。春爛漫。心弾む季節。
 そして春と云えば、なんたってキャンディーズの「春一番」

もうすぐ春ですねぇ 恋をしてみませんか
もうすぐ春ですねぇ 恋をしてみませんか

 でも、恋をしたくってもいい加減年寄りの私にとって、恋は遥かなる夢。
 だから、竹内まりやの「人生の扉」の方がお似合いなんデス。

満開の桜や 色づく山の紅葉を
この先いったい何度 見ることになるだろう

 そうなんです。人生のカウントダウンが始まった私にとって、しみじみ実感。ウーン残念!!!

 ところで、我がニッポン国のソーリの側近の友人の友人のそのまた友人から、飛びっきり超極極秘のニュースを聞きましたので、私のブログを読んでいる方々にだけお教えします。これって、内緒の内緒の話ですから、人に話さないでくださいね。

 集団的自衛権について、一応与党が合意したものの、相手方から言えば
 「ナンだカンだと言っても、要するにアメリカの味方につくと言うことでしょ。ニッポン国も憎くつき敵方となる訳だから、やっつけてしまおう」と方針決定。
 そうなると、民間機を乗っ取り原発に突っ込ませるとか、外国旅行をしているニッポン人の観光客に向かって、撃って撃って撃ちまくろうという事態が生じる恐れがあると、我がニッポン国の聡明なソーリは思い当ったそうである。
 そこで、どこの国の味方もしないし、どこの国も攻撃しないと、スイスと同じように「永世中立国」を宣言することに決めたそうである。
 そして「アメリカの兵隊さんの血を、ニッポン国のために流すのは申し訳ない」ので、ニッポン国にいるアメリカ軍に5年以内にお引取り願うと共に「自分の国は自分で守る」と、固く決意。
 軍備費を倍増させ、ミサイルが襲来しても事前に撃ち落せるお得意のハイテク兵器を完備する共に、自衛隊員の待遇改善を図って「平和を守ろう」をモットーに自衛隊入隊を促進させ、我がニッポン国を「ハリネズミ要塞化」することにしたそうである。
 そして、ホルムズ海峡が封鎖された時に対応できるよう、現在半年分の石油備蓄を1年分にするため、石油備蓄基地を倍増させるとのことである。
 そうすることで、軍隊化により右翼も、平和主義の左翼も、アメリカ軍基地の住民も満足し、行きどころがなくって鬱積している若者たちも喜んで入隊することになると、我がニッポン国の聡明なソーリは確信したそうである。
 バンザイ、ばんざい、万歳!!!

 誤解してもらったら困るけれど、今日は4月1日。エイプリルフールでウソをついて良い日だそである。
 私は、生まれてこのかたウソなどついたことがない。本当である。だから、以上の超極極秘のニュースは本当である。ハイ。
  エ、何? 「それがウソでしょ」って・・・。
  ホント、疑い深いんだから・・・。困ってしまう。