生まれながらの・・・

今日の「ハードボイルドに恋をして12」は、「生まれながらの」のテーマの最終回です。
昨年の6月15日の夢旅人で「身勝手」を、同じく10月15日の夢旅人に「自分」を掲載していましたが、今日の夢旅人は、「几帳面」に「軽薄」と「優しさ」と「自惚れ」を掲載します。

あなたは、どれに該当しますか?

私の血液型はA型。A型は「几帳面」ということらしいですが、私、「どうでもエー型」。一見「几帳面」だけど、すぐ「マ、いいか」と「几帳面」がすぐ剥げてしまいます。

几帳面

病院からは、坊や刑事のエミール・ランプがセダンの覆面パトカーで送ってくれた。彼同様まっさらでしみひとつない車だ。彼は十時と二時の位置でハンドルをしっかり握りしめ、あらゆる道路標識に目を配っていた。
講談社「笑いながら死んだ男」デイヴィッド・ハンドラー/北沢あかね訳

わたしは本当のことをいった。本当のことを云うのは、私の欠点のひとつだ。
扶桑社「ケープ・ゴッドの罠」ウイリアム・G・ダブリー/島田三郎訳

軽 薄

(妻に死なれて2ケ月しかならないのに、女に悪ふざけするサーマンのことを)
「キャピキャピ、イケイケ、ハデハデ。・・・」
二見書房「倒錯の舞踏」ローレンス・ブロック/田口俊樹訳

(ホテルで)
わたしはVIPのイメージを損なわぬよう、・・・チップの大判振る舞いをした。王子さま向け雑誌から抜け出してきた例のドアマンの若者にも、今度はタクシーを口笛で呼んだだけで5ドルやった。世の中には持てる者と持たざる者はいるのである。
早川書房「バラは密かに香る」リヴィッド・M・ピアス/佐藤耕士訳

要するに二人とも意味がよくわからなかったのだ。
おふくろは、訳知り顔にうなずき・・・いかにも親らしく俺を弁護して言った。
「話の持っていきようで何とでもなるものだからね」
こうした語調が人間の子供を暖かい家庭の庇護から冷ややかで残酷な世界へと押しやる。子供はこうして大人になる。これが自然の摂理だと俺は思った。
扶桑社「最後に笑うのは誰だ」ラリー・パインハート/工藤政司訳

優しさ

(ルームサービスのコーヒーをみんなに注いで配るロニを見て)
私は、ロニは自分の名前の終わりのiの点を小さなハートで書いているのではあるまいか、と考えていた。たぶん、そうしているのだろう。
早川書房「拡がる環」ロバートー・P・パーカー/菊池光訳

ぼくは感謝の気持ちをキスで伝えたいくらいだったが、クローがいやがるだろうと思ってやめにした。クローは心根のやさしい女性だけど、ほとんど誰に対しても腕の長さ分ほどの距離を保っている。彼女のやさしさに対して、人生はいつもやさしさを返してくれたわけじゃないからだ。
早川書房「図書館の親子」ジェフ・アポット/佐藤耕士訳

ジャッキーはひとりではろくなことをしない男だから、夜ごと立ち寄って英知を分け与えるのが私のつとめだ。ジャッキーは聞く耳を持たないが、それにひるも私ではない。
早川書房「狩りの風よ吹け」ステーブ・ハミルトン/越前敏弥訳

自惚れ

(いろいろ仕事を変えたが)
・・・どこでもこんなことを云うやつらに出会った。おれは二十年の経験があるなんて言って自慢するやつだ。二十年の経験なんてのは、一年の経験を二十回しただけのことじゃないのかね、ええ?
早川書房「神なき街の聖歌」トマス・アドコック/田口俊樹訳

「ひどいじゃないか、シェリー・ルー。貧乏人にもプライドってもんがあるんだぞ」
「そんなものないわ。あると思っているだけで、ほんとはないの・・・」
二見書房「ピンク・ウォッカ・ブルース」ニール・バッレト・ジュニア/飛田野裕子訳

純文学って???


私、広く浅くいろいろ趣味を持っているが、1番目は超平凡な読書・・・そう、読むの大好き。但し、読むのは純文学などとは程遠い海外のハードボイルド。
とはいうものの、私、むかし時代には速読を誇っていたものだから、毎月「文芸春秋」「ミステリマガジン」「SFマガジン」「プレジデント」「月刊プレイボーイ」「週刊ダイヤモンド」と、6冊の雑誌を職場に配達してもらっていた。ホントです。我ながら信じられない・・・。

だが、歳を重ねるにつれ、読む雑誌もズルズルと減少し、哀しいかな今読んでいる雑誌はなんと「文芸春秋」のみ。トホホホ・・・。

「文芸春秋」には、必ず芥川賞を受賞した作品が毎年掲載されている。ハードボイルドおたくであるにもかかわらず、世間の話題についていくために、毎年掲載される純文学の代表ともいえる芥川賞の作品を読むことにしている。
ところが大問題発生。一気読みどころか二気読み三気読みしなければならぬ。起承転結のストーリ慣れをしている私にとって、ほとんどの作品が突然終わって「コレ、何???」

ここだけの話だが恥ずかしながら、何日もかけてこんなに苦労惨憺のうえ読んだのに、何故か素敵感がわいてこない。ウーン、純文学って不可解きわまる。

その私が、なぜか北九州市文学館の友の会のメンバーになっており、文学館からいつもいろいろなイベントのお知らせがくる。

北九州市立男女共同参画センター・ムーブで行われる「第11回 林芙美子文学賞」の表彰式・記念トークのお知らせがきた。

この文学賞は北九州市にゆかりのある林芙美子にちなみ、中・短篇小説を対象に創設されたもので、応募作品530編の中から、大賞に津田美幸さんの「アナグマ」佳作にチヒロ・オオダテさんの「燃ゆる馬」が選ばれた。
選考委員は井上荒野さん、角田光代さん、川上未映子さんの3人。

各地に文学賞ってたくさんあると思うが「林芙美子文学賞」も九州の一地方都市が主催するローカルな文学賞に過ぎない・・・と、思ったら大間違いのコンコンチキである。
わが街の「林芙美子文学賞」は、自慢じゃないがと云いながら声を大にして自慢したい・・・なんと「林芙美子文学賞」受賞者の内、朝比奈秋さん、鈴木結生さんは芥川賞を受賞、他の受賞者もいろいろな文学賞を受賞したりノミネートされており、文壇への登竜門となっているのである。エッヘン!!!

3人の選考委員さんの名前で想像がつくと思うが、ローカルな文学賞なれど、選考は厳しくて過去11回の選考で3回も大賞なしとなっている。

表彰式の後、3人の選考委員さんから、作品についての講評があり、それを聞いていると純文学に無縁の私だが、絶対に読まねばならぬという気になってしまった。幸いなことに、入場者には受賞した2作品が掲載されている作品集がタダで配られているのである。なんという気配り!!!

受賞式のあと、芥川賞を受賞した朝比奈秋さんの記念トーク。創作の悩み苦しみなど話されたが、メチャクチャ苦しいことが重なって死ぬしかないと思い詰めたことがあったそうである。

私、一気読みどころか二気読み三気読みをしたなんてボヤいていたけど、作者の皆さんは一気書き二気書き三気書きどころか四気書き五気書きしたあげく、振出しに戻ったりしたというように、暗中模索のうえ悪戦苦闘して疲労困憊を重ねて作品を紡ぎ出してきたんだと思うと「素敵感なし」なんて言っては失礼であろう・・・と、云いたいところだが・・・ホント、純文学って「???」

とびっきり素敵なお知らせ


今日の夢旅人は「とびっきり素敵なお知らせ」です。

そう、令和6年度 合唱組曲「北九州」演奏会のお知らせです。皆様方にとって「とびっきりどうでもいいお知らせ」・・・ではありません。
このプログを読めば、行きたくなるような気がする演奏会・・・エート、行きたくなるに違いない演奏会・・・ウン、絶対に行くことになる演奏会なのです。、

この合唱組曲「北九州」は、市制15周年を記念して約50年前に北九州市の自然を愛した詩人栗原一登さんがその想いを歌詞にし、「夕鶴」などのオペラや童謡「ぞうさん」など作曲し、今年生誕100年を迎えた團伊玖磨さんにより誕生しました。

27年前、60歳の定年となり花の都の東京での独身生活・・・ン? 訂正、単身生活を終わって帰郷したところ「私たちの合唱団、男性が少なくて困っているから入らない?」と誘われ「ウーン、そうか、モテそう」と下心付きで、合唱団「北九州をうたう会」がどんな歌を歌うのか聞かないままに入会したのウンのつき。

わたし、学生のころ新宿の歌声喫茶で歌った経験しかないのに、生まれて初めて分厚い楽譜なるものを渡されて仰天。歌える訳がない。
毎週月曜日が練習日ということだったので「1か月は練習に参加したがとても歌えない」と云う大義名分をたて、モテる予定は残念ながら断念、退会しようと決めた・・・つもりだったんですね。

わが家は父親が公務員だったので転勤の連続。「単身赴任」なる用語がなかった時代である。一家全員引っ越し魔となり、高校までに転校11回。だから私には「ふるさと」というものがない。私が今住んでいる北九州市は、単に父親が定年を迎えた街に過ぎないのである。

ところがである。合唱組曲「北九州」の終章のフィナーレは「北九州 北九州 ふるさとはよし 北九州 北九州 ふるさとはよし」と絶唱して終わる。1か月もこのフレーズを歌っていると、何たる不思議!!!
私が住んでいる北九州市が「ふるさと」なんだと思えるようになってしまった。私になんと「ふるさと」が誕生したのである。

こんな摩訶不思議な魅力を持つのが合唱組曲「北九州」。

演奏会は、指揮は増井信貴さん、管弦楽が九州交響楽団。合唱は「北九州をうたう会」をはじめ、5校の中学校・高校の合唱部、5団体の児童合唱団、小倉祇園太鼓が出演。九州ソレイユホールのステージに溢れんばかりのメンバーで、感動の歌声をお届けする予定。

北九州市周辺にお住いの方は3月9日の演奏会に駆けつけ、ステージと共に感動を味わって下さい。遠方の方は、You Tubeで合唱組曲「北九州」と検索して、チョッピリ感動を味わって下さい。

ネ、「とびっきり素敵なお知らせ」が、誇大広告でないこと分かったでしょ。
エ、何? 「下手な文章で分かる訳がない」って・・・。
ウーン、だったら、演奏会に来て確認してください。とびっきり素敵な演奏会だったことを・・・。

机には中島みゆき、壁には吉永小百合

昨年、私が見た映画は20本。

私、弾がドンドンパチパチ飛びかうものの、わがヒーローには何故か弾は当たらず、敵は何人いようともバタバタ倒れ・・・すごく痛快にしてすこぶる爽快な「ドンパチ映画」が大好きである。
「ザマー見やがれ」と喝采して意気揚々と映画館を後にすることが出来る。

この手の映画が優れているのは、敵に弾が当たってもすぐ倒れず、ヨロヨロとスクリーンの外に出て、それから血がドバッと出てバッタリ倒れるようになっているらしく、目を閉じたくなるような残酷なシーンとか死体累々というシーンは全くない。
女性向きに配慮された映画なのに、私が「ドンパチ映画」大好きと言うと「フン」と軽蔑の眼差し。ウーン、女性って不可解!!!

私が見た洋画は、「エクスペンタブルズ 4」「エヴァンナント」「アーガイル」「ゴジラ×コング」「マッドマックス:フェリオサ」「バードボーイズ」「フォールガイ」「モンキーマン」「エイリアン:ロムルス」「サウンド・オブ・フリーダム」「シビル・ウォー」「アメリカ最後の日」「レッド・ワン」の13本。

そして「スカッと爽やかドンパチ映画」は「スカッと忘れるドンパチ映画」でもある。
私は日本人である。日本語のタイトルの映画だと内容も推測できるが、カタカナ語タイトルの意味などチンプンカンだし、わが年齢のせいにしたくはないが、翌日にはストーリー賞味期限が切れるのでケロッと忘れてしまう。皆さん、タイトルを見てどんな映画か想像できる?

うちのかみさんは「お金を払ってケロッと忘れる映画を見に行くなんて、何たる無駄」と嘆くが、それでも見に行く心情が分からないなんて、ウーン、女性って不可解!!!

邦画は原則として吉永小百合さんとゴジラの映画は見に行く。但し何事も例外があるので、話題となる映画も見に行くことにしている。

見に行った邦画は「ガンダム4 SEED FREDOM」2度目の「ゴジラー1.0」「スミオの話をしよう」「海の沈黙」「中島みゆきコンサート 歌会VOL.1」。それに、わが街が誇るミニシアター昭和館の特別企画「ある男」と「マチネの終わりに」の2本立てを見たあと、この映画の原作者「平野啓一郎トークショー」。

「海の記憶」は原作が倉本聰、大好きな小泉今日子さんが出演したので見に行ったところ大ガッカリ。シリアスな映画は私の最も不得意とするもので、私から見ると彼女はNHKのドラマ「団地のふたり」のような役柄がピッタリと思い込んでいるので、この映画で演じた小泉今日子さんて・・・見に行かなきゃよかった。

昨年見た映画で最高だったのは無論「中島みゆきコンサート 歌会VOL.1」
コロナで公演中止となって以来、4年ぶりのコンサートで披露した19曲が5.1サラウンドの大スクリーンで甦ったのである。

ステージ構成が素晴らしい。舞台は真っ暗。中央に中島みゆきさんのお立ち台があり、バックにはほのかな照明の下で左側に弦とピアノ、右側にバンドが配置。真っ暗闇の中にライトアップされた彼女の立ち姿だけが浮かびあがったよう見える仕掛けである。シンプルにしてとってもお洒落。彼女にピッタリのステージ!!! こっれて、彼女のアイデアに違いない。

最初に歳を取ることを忘れた彼女がアップで登場。そして、ビックリ、あの40数年前のラジオ「オールナイト ニッポン」での懐かしい彼女の口調で「ご無沙汰しています。中島みゆきです」という挨拶。彼女のオールドファンむけの大サービス。

そして2度目のビックリは、メガネをかけての登場。彼女はもともと知的なイメージだが、メガネをかけると知的度がまして、大学の教壇にたっても遜色ない感じ・・・。歌手にしておくのはもったいない・・・なんてことは絶対にありません。ハイ。

19曲の内、私の知っている曲は「銀の龍の背に乗って」と「地上の星」のみ。知らない曲ばかりだったが、その中で私好みの歌は「慕情」と「心音」。ウーン「心音」はとっても素敵でした。

第1部での彼女のドレスはゴージャスをまとい、2部ではシンプルな装い。かって昔、たびたび彼女がアンコールで出てきた時のジーパンに白のブラウス姿が大好きだが、今回はなし。残念・・・。

それに最高に素敵だったのが、中島みゆきさんのニッコリ笑顔が印刷された卓上カレンダーが入場者にプレゼント。私の部屋の壁には吉永小百合さんの大きなカレンダー、机の上には中島みゆきさんの卓上カレンダー。ウーン、なんと豪華な・・・。凄いでしょ!!! 毎日会えるなんて、なんと大大大幸せ・・・・。

出世コースにのりました

昨年の年末は、恒例の「紅白歌合戦」を初めからズズズーイと見て、年越し蕎麦を食べたながら続いて放映された「ゆく年くる年」を見て、0時20分から国技館で始まるさだまさしの「年の初めはさだまさし」を2時30分まで見て、ニコニコホンワリホカホカ気分になって寝ることが出来た。

うちのかみさんは「あなたはれっきとした年寄りだからテレビの「第九交響曲」の演奏会は見て、同時間に始まる「紅白」など、どうしても見たければ録画した後でコッソリ見て」言うが、直接「紅白を見る」のはわが家の家訓だから断固拒否。「第九」は録画している。

私がいつも見ている音楽番組はNHKの「カバーズ」と「SONGS」とフジテレビ系で放映されている「ミュージック フェアー」のみ。
「ミュージック フェアー」は、今が旬の歌手が時々登場するが「カバーズ」と「SONGS」は、私でも知っているメジャーな歌手がほとんどで、1年間流行った歌を知るのは「紅白」しかないのである。

今年の紅白も初めて聞く曲、初めての歌手がゾロゾロゾロゾロ。どんな可愛い女の子が出てくるか・・・ン? 訂正、どんな心に残る曲が出てくるか、興味津々。
お断りしておくが、若い女の子のグループが、ピンコピンコ足を思いきり上げて踊るのをマジマジと見る・・・という訳では決してない。誤解しては困る。私、チラチラのチラと見るだけである。

当然ながら知っている歌手も大勢出ていたが、南こうせつにイルカは別格として、贔屓にしている歌手の中では高橋真梨子ただ一人だけ。なんと16年連続出演のPerfumが出ない。大大ガッカリ!!!

私、Perfumのテクノポップが大好き。彼女たちのダンスも可愛い。そしてステージのバックに、テクノポップに合わせて投影される映像がこれまたお洒落ときている。
「紅白」の中でも、歌う曲にしろステージ構成にしろ異彩を放つグループだったのに、どうして、結成25年の記念すべき年ともなるPerfumが出演出来なかったのか、まるで不思議。

良かったのはtuki.の「晩餐歌」にVaundyの「踊り子」。B‘zも「スゲー!」と思ったけれど、私、男だからラストに歌ったMISIAの方に最高印。とってもスッゴク圧巻。私の好きな歌手の仲間入りをした。

初めての司会をつとめた伊藤沙梨さん、ドジった時の慌てぶりが可愛いかったです。

お正月は、恒例の三社参り。蒲生神社に妙見神社に篠崎神社。初詣でアレヤコレヤにアレコレも加えてお願いをする。お賽銭100円也で欲張りすぎると思われるかもしれないが、神様のことだから大目にみてくれるはずである。

お参りをしたら、必ず「大吉」目当てにお御籤を引く。もし三社で大吉が出なかったら、目的達成のため四社目に行きたいが、神様の顰蹙をかいそうだから、これだけは我慢してスゴスゴと帰ることにしている。

最初にいった蒲生神社では「小吉」次の妙見神社ではなんと大吉。スゲー&スゲー。
初めは「小吉」から出発し徐々に運がついて年末には「大吉」。典型的な出世コースである。87歳になって出世コースに乗るには遅すぎる感があるが、年末には宝くじを買うことにしよう。

かくして、私の1年はまずまずのスタート。
今年もよろしくお願いします。