素敵にシンプル

私の大大好きな男性歌手は井上陽水、以下大好きなのはさだまさしに矢沢永吉。
女性歌手で大大好きなのは中島みゆき。以下大好きなのは竹内まりやに薬師丸ひろに子に平原綾香に・・・以下7名もいるが紙面の都合により以下略。
女性歌手が多いのは、私が男性だから仕方ないことであろう。

井上陽水の演奏会は何度か行っているが、中島みゆきはたった1回だけ。ここで、自慢じゃないがと云って自慢するが、行ったのは第1回の「夜会」である。
当時私は40歳。それでも胡散臭い目で見られることはなかったが、今、私のようなジジイが行ったら、場違いもいいところ。「アホか」的眼差しで見られることに違いない。だから、せめて映画でもと「劇場版」が上映される時は、絶対になにがなんでも見に行くことにしている。

そこで大発表!!! 私、見ました。映画「中島みゆき 劇場版 ライブ・ヒストリー2007-2016 歌旅~縁会~一会」

上映されたのは「糸・そらふね・ファイト!・誕生・地上の星・空と君のあいだに・時代・倒木者の敗者復活戦・世情・ヘッドライト テールライト・一会・旅人のうた・命の別名・浅い眠り・麦の唄・ジョークにしないか」の15曲。ライブ会場に負けないくらいの5.1chサラウンドの大音響で上映されたのである。

凄い!!! よだれが出そうな選曲・・・ン? これってヒンがない?・・・訂正、とびっきり贅沢三昧な選曲で、演奏会場では、はるかに見える中島みゆきが、なんとまじかにうっとりと見られて、大大満足となる仕掛けになっている。

ステージの後方で三方形で三段に組まれた台上にバンドは集められ、暗闇に包まれた広いステージで、スポトライトが当てられているのは中島みゆきただ一人だけというすっきりした演出。白いシャツ姿の彼女が浮かび上がるという全てシンプルな趣向がいたく気に入って、さすがみゆき!!!とすこぶる感激。

彼女が歌いながら手を上にかかげた時に、スクリーンいっぱいに写し出された手のひらの奇麗なことに胸キュン。
「ファイト」の最後のフレーズで「ファイト」と歌った時の、アップで写しだされた彼女の顔の迫力に胸ドキ。
「世情」の「シュプレヒコール」は、過ぎ去ったあの日が目に浮かび胸ジーン。

今から約60年前の「安保闘争」で大学は閉鎖され、私、ノンポリだったが国会議事堂前のデモに参加した時、その日にデモ隊と警官隊に巻き込まれた東大生の樺美智子さんが亡くなった。
私は、ぶん殴られもせず、逃げおおせたけれど、その時に叫けんだ「安保反対」のシュプレヒコールは、今も耳に残っている。

シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく
変わらない夢を 流れに求めて

ほとんどのステージで、彼女の装いは白いシャツかドレスに統一されていて、私、嬉しくってほれぼれ見とれた次第である。
と、云うのは、はるか以前に、アンコールの時の白いシャツにジーパン姿の彼女をテレビで見て以来、どんな豪華絢爛なドレスより、彼女は絶対に白シャツにジーパンが一番よく似合うと思っている。

私「シンプルがベスト」主義だから、スッキリしたステージも、暗闇のなかにスポットライトで浮かぶ演出も、彼女の白いシャツの装いも私の好みにピッタリ。それに彼女の笑顔、可愛くって素敵!!!
ここだけの話だが、私、字の奇麗な女性と手のひらの奇麗な女性に、何故かうっとりする習性がある。

ホクホクして帰った夜、いつも見ているNHKTVの「SONGS」で、なんと「中島みゆきのラストツアー密着ドキュメント初公開と本人からのメッセージ」が放映!!!
中島みゆきのラストツアーの舞台裏を撮影した貴重な映像だが、彼女がバンドのメンバーとスタッフに挨拶する場面や、司会の大泉洋にあてたメッセージを聞いてびっくり仰天。
なんと、40数年前に聞いたオールナイトニッポンの時に聞いたユーモアあふれるアッケラカンとした語り口と同じである。オールナイトニッポン時代から、今や超メジャーとなっている中島みゆきだから、きっと大人っぽくおしとやかな語り口に変身していると思っていたのが、なんと変わっていないなんて・・・ウン、最高である。

忘れっぽいことでは誰にもヒケを取らない私が、40数年前のラジオ番組を忘れていないなんて、我ながら不思議としか言いようがない。

その翌日、NHKFMラジオの12時30分から放送される「歌謡スクランブル」で「中島みゆきの世界」が放送された。この番組は、曲名と歌だけで、余計なナレーションなしの90分。メジャーにはほとんど露出することがない中島みゆきを、映画にテレビにラジオと三拍子そろってドップリ浸ることが出来たなんて、ウン、長生すればイイこともあるのである。

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