Happy & Unhappy

 今年のゴ-ルデンウイーク、如何お暮しでしたか。
 私、前半は素敵にHappy Day、後半は惨めなUnhappy Day。良いことが有れば悪いこと有り・・・人生は平等に出来ているみたいです。
 私のゴールデンウイークのスタートは、映画「レヴェナント~蘇えりし者」。
 これって、弾を撃って撃って撃ちまくり、敵ばバタバタ倒れるけれど、我がヒーロには何故かまったく弾が当たらないという私のダーイ好きなドンパチ映画とは違うので、「どうしよう?」と思ったけれど、主演のレオナルド・ディカプリオが、アカデミー主演男優賞を取った映画でしょ。
 私、いい加減年寄りだけれど、世間の話題についていかなきゃならないので、止むなく見に行ったところが、これがスゴイ。
 私にとってレオナルド・ディカプリオと云えば、タイタニックのヤワなイメージしかないのに、この映画では髭モジャモジャの汚れぱなしの顔をして、服ともいえないようなキタナーイ服を着て・・・映画では臭いがなくて幸せ・・・死んでも死なない鬼気せまる壮絶な演技を見せて「ア然」。
 それに、画面はほとんど屋外のシーンなのに、陽がさすこともなく、まったくクラーイ画面ばかり。
 私の主義に反する映画だったけれど、レオナルド・ディカプリオに免じて「マ、いいか」ということにしました。

 ドイツ本場のオクトバーフェストの雰囲気を伝えようと一昨年から開催されている「小倉オクトバーフェスト2016」が、今年も小倉北区の勝山公園大芝生広場で開かれたので行ってきました。
 私、生粋のアルコールダメ人間。ビールは一口目から苦いせんじ薬みたいで「キレがあってコクがある」という宣伝なんて言語明瞭意味不明、インチキと思っている私は、たまたま会場の横の道路を通りかかったものだから、賑やかな雰囲気につられてフラフラと寄ってみました。
 広場では、ドイツ人楽団の賑やかな音楽が流れる中で、沢山の種類のドイツビールの出店がズラズラーと並び、人もズラズラーと並んで飲んだり食ったり大盛況。若い人たちは音楽に乗せられて、輪になって前に人の肩に両手を乗せて踊っていたけれど、楽しさがこちらにも伝わりニコニコ気分になりました。
 会場に入ったら、飲まなきゃソンソンという雰囲気。そこで「ジャーマンソーセージ5種類盛り合わせ」と黄金色のビルスナー“ビールの女王”という「ヴァルシュタイナープレミアムヴェラム」をグラス1杯買って飲んだところ、なんと、ビールが摩訶不思議なことに苦くないのである。
 これって生まれて初めての経験。「スゲー」って訳で、二口目を飲んだところちょっぴり苦くなったけれど、これならビールスキスキ人間になれるかもしれぬと、三口目を飲んだところ、
「なんと苦い!!!」と振り出しに戻ってしまった。残念である。残りはうちのかみさんが、一応フウフウ云いながら、ケチ精神を発揮して飲み干してしまった。
 でも、ジャーマンソーセージは美味しかったデス。

 5月2日にNHKBSの「The covers」に私の大好きな平原綾香が出演。彼女と司会のリリーフランキーと中里依沙とのやりとりもウフフと笑わせて楽しかったけれど、カバーした曲は玉置浩二の「田園」と徳永英明の「レイニーブルー」と杏里の「オリビアを聴きながら」の3曲。
 この「オリビアを聴きながら」が凄かった。感動モノでした。絶品!!!
 この曲は、女性が男性をポイとフル曲だけれど、平原綾香は大人の女性の感情を巧みに表現して、しみじみと聴かせてくれました。杏里ではなくて、綾香の「オリビアを聴きながら」に巧みに変身。聴いていた依紗も涙を流して・・・。
 ウーン、ますます平原綾香が好きになりました。

 5日に北九州市八幡東区にある「河内藤園」に行ってきました。この藤園は数年前から外国人の人気の的になっているらしく、昨年は山間部にあるため、大規模渋滞を引き起こし、大問題発生。
 そこで、今年から入場券は完全予約制となり、コンビニでチケットを購入しなければ行けなくなったけれど、うまくチケットが手に入ったので行くことが出来ました。
 河内藤園の面積は6000㎡。20種類の藤が150本咲き乱れ、藤棚や80mと220mの藤のトンネルが人気スポットで、トンネル内は写真を撮る人で渋滞模様となるようだけれど、私の時は、チケットの入園時間が5日14時~16時と制限してあるだけあって、まあまあの込み具合でラッキイ!!!
 外国人は3割程度。私は、昔1度行っただけなので、園内に溢れる藤の花に感嘆したけれど、一昨年までは毎年行っているうちのかみさんは、今年の藤は元気がないとガッカリしていました。どうも人いきれに負けてしまっているのかもしれません。

 と、ここまではHappyだったけれど、後は悪い。
 6日に、街に出かけてバスを降りた時に、ケッ躓いて前にバタンと倒れ、地球とキッス。上唇が腫れ上がってしまった。
 ネ、後ろに倒れるのならともかく、前に倒れたら手を付いて支えると思うでしょ。そりゃ、美人とキスしようとしたら、つい唇をとがらせてしまうかもしれないけれど、なんたって相手は地球。ホント、我ながら訳が分からない、どうして地球にキスせねばならぬ・・・と云ったら、うちのかみさん曰く
「あなたはジジイ」の一言。どうもジジイは運動神経が鈍くなっているらしい。ショック!!!

 それに加えて、春なのに風邪を引いてしまった。洟はタレ流し気味、咳も無暗矢鱈と出てヒイヒイ状態。洟&咳は夜も見境もなく出て不眠状態。どうも喘息付の洟垂れジジイになってしまったみたい。世も末である。
 それで、行きつけの病院に行って6種類の薬を貰ったけれど、いまだに治らずこのコラムも、鼻をかみかみヒイヒイ咳をしながら書いている始末である。
 ウン、地球ではなく、美人とキッスしたら、驚きのあまり風邪も吹っ飛ぶかもしれぬ。誰かいないかなァ。

想定外+想定外+?

 4月16日の1時25分、私はスヤスヤ真最中のところ、ドカンと叩き起こされてしまった。私、九州の北端の北九州市に住んでいるけれど、熊本地震の本震が伝わってきたのである。
 北九州市は震度4。我が街は地震が少ない所で、私、震度3以上の地震の経験がない。だから、震度4と言えば、私的に言えば地面がデングリ返った心地がする。
 だけど、デングリ返ったのは我が心だけで、我が家では家具が倒れあたり、物が落ちたりすることもなかったけれど、真夜中から明け方にかけ携帯電話から「緊急地震速報メール」が6回鳴り響き、その度に「ビックリ&ドッキリ」。
 女房の携帯電話も同時に鳴り響くものだから、目覚時計以上のすごい音量である。大体、緊急速報メールが鳴ったのは初めてである。このことだけで、すっごい地震が起こりつつあるということが分かったんだけれど、緊急速報メールの音くらいで「ビックリ&ドッキリ」したなど言うと、被災者の方々から叱られるかもしれぬ。
 震度4でこれだから、私にとって震度7なんて恐怖そのもの、「もうこれまで・・・」の震度に違いない。
 私の従兄弟が、熊本市と八代市と震源地に近い上益城郡甲佐町に住んでいる。幸いにも、家の中が滅茶苦茶になった位だけれど、異口同音に云ったのは
「熊本は大きな地震はない」と、思っていたそうである。
 震度7も想定外、震度7が2回も想定外ということで、この地球という星は、どうも人智の及ばぬ存在らしい。人類は海も空も宇宙もある程度解明することが出来るみたいだけれど、肝心の足元は「? ? ? ?・・・」がいっぱい。
 だから、想定外のことは起こらないなんて思うのは、我が地球に対して僭越至極であろう。
 その証拠に東日本大震災も想定外、熊本地震も想定外。震度4くらいでデングリ返る私は、こう続けて想定外が起こると言うことは、想定外はいっぱい有るんじゃないかと、つい疑心暗鬼にして戦々恐々・・・心配と不安がいっぱい。
 ウーン、次の想定外は何? 
 まさか、自称「世界一の基準を誇る厡発」が、その新たに設定された基準を超える想定外の地震や火山にテロ等の爆発で、頑丈な原子炉は壊れなかったけれど、他にウジャウジャある設備がブッ壊れて
「全てオジャン」なんてことにならないでしょうね。

悪魔の飽食

 「悪魔の飽食」と聞いただけで
「これってホラー映画のタイトル?」と思われるかもしれないけれど、私、「ホラー映画」は「ホラ映画」と思っていますので「ホラー映画」は大嫌い。だから、今日のプログはホラー映画の話題ではありません。ご安心下さい。
 この「悪魔の飽食」というタイトルは、れっきとした混声合唱組曲のタイトルで、なんと原詩は森村誠一、作曲は池辺晋一郎。凄いでしょ。
 この演奏会が4月10日に福岡シンホニーホール(アクロス福岡)で開催。私の知人がこの合唱団のソプラノに出演しているので誘われたものの、おっかなびっくり気分で聴きに行った次第である。
 13時30分開場と言うことだったけれど、このタイトルでしょ。皆さん「?」っていう感じだろうからきっと空席一杯と思い、気分は悠々と13時40分頃に入ったら、1600席の客席は超満員。ビックリ! ドッキリ!!、大慌て・・・。
 ようやく、後ろから4列目に一つ空席があったので、おみそれしました気分でヤレヤレと座ったところ、何と隣の席の女性は、先月私が出演した青い空合唱団の定期演奏会のメンバー。シンホニーホールの観客1600名分の1の出会いである。
 これって、スッゴイ偶然でしょ。世が世なら、きっとキューピットのお導きということで、ああしてこうしてああなってめでたし目出度しとなることだろうけれど、なんたって、私、残念無念ながらいい加減年寄り。人類普遍の話題をかわすばかりで、ハイ、それまでよとなってしまった。
 どうして、こんなに人気があるのかと不思議に思ったけれど、知らないのはどうも私だけらしく、この合唱組曲の初演は1995年。「第26回全国縦断コンサート福岡公演」と銘打ったこの日の演奏会の指揮は勿論池辺晋一郎。合唱団はこの日のために結成された福岡合唱団と、全国からこの演奏会に以前出演したメンバーによる「全国合唱団」で総数350名。シンホニーホールの広いステージいっぱいに並んで盛大に歌い上げて拍手喝采を浴びていました。
 この合唱組曲のもとになったのは、森村誠一郎が1981年に発表したノンフィクション「悪魔の飽食」。ベストセラーとなった本だそうだけれど、私、ホラー気味のタイトル本は敬遠しているので、恥ずかしながら読んでいない。
 プログラムを読むと、この本の内容は関東軍の731部隊が中国で行った細菌戦・生物兵器と人体事件を描いた作品だそうである。
 ただこの合唱組曲は、関東軍が行った残酷な行為を単に糾弾すると言うことではなく、これに真摯に向き合い反省と不戦の想いを刻むために作られたとのことで、この日の演奏に先立ち森村誠一と池辺晋一郎の対談が行われ、これが最高。ウン良かった。
 対談では、駄洒落を頻発する池辺晋一郎と、緊張していますと固い表情の森村誠一との掛け合いが楽しかったけれど、両氏がその想いをこもごも語られていたのが印象的でした。
 森村誠一は「戦争は人類の天敵」と語られ、池辺晋一郎は「争いに対抗する手段を考えるより、世界に一つしかない戦争を放棄した第9条を武器にして、戦争をなくすにはどうしたら良いかを考えるのが大切ではないか」と話されていました。
 そして、今の日本は「右か左か」に分類され「戦争反対」と言うと左と決めつけられてしまうけれど、「戦争反対」は右とか左という範疇のものではないと思う・・・とも話されていました。
 最初は、何も分からずおっかなびっくりで行った演奏会だったけれど、想いを深くしてコンサートホールを去ることが出来ました。

素敵なビッグニュース

 我がニッポン国のソーリの側近の友人のそのまた知人から、
「近く発表されるけれど、君にだけ教える。だけど内緒」と言われて聞いた話ですが、私、隠しごとが出来ない性格でしょ。だから、皆さんにもお知らせします。だけど内緒。

 「保育園落ちた日本死ね」というプログに対して、誰が何と言おうと、アベノミックスがシモジモまでいきわたっていると信じている我がニッポン国のソーリは、ついうっかりと正直に、
「匿名である以上、実際に本当であるかどうかを私は確かめようがない」と答えてしまった。
 かくして、プログが暴発。そのため、国民を深く愛しているということになっている我がニッポン国のソーリは、
「看板に偽りあり」と誤解されては大変と、次のような施策を取ることにして、女性の信頼を取り戻すことにしたそうである。
 施策は日本銀行が実施している「マイナス金利」に対し、このマイナス金利で得られた利益に対し、日銀に対し同額の「利殖税」を付すことにして、これで得られた「利殖税」の全額を、保育士の給与アップと保育所建設費用の助成を行うことにしたそうである。
 また、政府に従順な日銀も「マイナス金利」は、想定外の利益であるため異議なく同意。近く実施するということである。
 この施策により、保育士の雇用が拡大すると共に、保育士の過重労働も解決し、その所得拡大に伴い消費も増大、出産後の不安も解消して出生率の向上につながると、万々歳の効果が予想されるということである。

 エート、今日はたまたま4月1日。
 「エイプリルフール。だから“この素敵なビッグニュース“ってウソでしょ」なんて言われても困ります。誤解です。信じて下さい。

春よ、来い、早く来い

 あの日から5年。新聞やTVで東日本大震災に関して、いろいろ取り上げられたけれど、NHKTVでも3月12日に「SONGS 明日への歌」が放映されました。
 これまでSONGSで放映された10人の歌手の被災地への想いと歌をまとめた番組で、女性は4人出演しましたが、なんと全員が私の好きな歌手ばかり。松任谷由美にプリンセス プリンセスでしょ。それに今井美樹にドリカム。なんと超素敵。
 松任谷由美は「(みんなの)春よ、来い」。この歌は被災地を支援するため、NHKと共同で企画したイベントのために作られたそうです。
 番組では、みんなで歌おうとインターネットで一般募集をして送られた動画をバックに、松任谷由美が歌ったのだけれど、彼女の歌に合わせて映された「春よ、来い、早く来い」と歌う動画の中の想いのこもった顔・顔・顔。
 それを見ていたら、いい加減年寄りの私などは、たちまち胸キュンする想いでした。
 そして、今井美樹は「PIECE OF MY WISH」。

朝が来るまで泣き続けた夜も
歩きだせる力にきっと出来る

太陽は昇り心をつつむでしょう
やがて闇はかならず明けてゆくから

 この曲はTVドラマの主題歌としてヒットしたのだけれど、この歌の最初のフレーズを聴いただけで、東北大震災のメッセージソングとして改めて知られるようになったのは当然かもしれません。
 東北大震災で、多くのボランティアが活躍して被災者の方々を支えたけれど、歌の力も凄いんですね。多くの被災者の心を支え動かしたに違いありません。
 我が街北九州は「合唱の街 北九州」をうたい文句にしていますが「We Love 小倉協議会」の主催で、復興への願いを込めて歌おうと「紫川大歌声」というイベントが、3月11日に小倉北区中心街に流れる紫川の水上ステージで開催されました。私、いい加減年寄りだけれど、何かしなくちゃと参加した次第です。
 3.11の記憶を風化させないよう、北九州から義捐金と共に小さくても温かいメッセージを届けようという呼びかけに応じて、集まったのは約500名。
 午後2時46分に黙祷を捧げた後、北橋市長の挨拶の後「花は咲く」や「翼をください」「春よ来い」など13曲を、東北の空に向かって歌ったけれど、なんたって当日は寒くってサームイ冬模様。でも、東北の芋を使った「芋煮」やぜんざいが参加者全員に振る舞われて、寒さを吹っとばし
「私たちはこの日を忘れません」と、大声で誓いました。
 このイベントは、NHKTVの夕方のローカルニュースで放映され、なんと私も写っていたらしい。それを見た方々から電話やメールで知らせてくれたけれど、とき既に遅し。私は見ることが出来ませんでした。
 でも、見たら、うっすらハゲ模様のいい加減年寄り風を再認識させられるだけだろうから、見ていない方が良かったに違いありません。

 3月13日には東日本大震災早期復興祈願事業として「早期復興への祈誓」が、若松市民会館で開催されました。
第1部に「東日本大震災早期復興祈願祭」の神事を「福岡県神道青年会」が取りおこない、第2部で交声曲「海道東征」を九州歯科大学合唱団が奉納しました。
 この合唱団を指導されているのが、私が所属していた合唱団「北九州をうたう会」を指導されている中山敦先生。
この合唱曲を聴くのが目的に行ったのだけれど、黙祷のあと、祈願祭の神事が粛々とおこなわれましたが、私、起工式の神事しか見たことがなかったので、感嘆の眼差しで拝見しました。
 祈願祭は「修祓」の儀から始まり「浦安の舞」では巫女さんの舞もあって最後は「昇神」の儀で終了。40分にわたり厳粛に挙行され、早期復興への祈りを捧げました。この祈り、きっと東北に届くにちがいありません。
 交声曲「海道東征」は、作詞が北原白秋、作曲は信時潔。自然との共生、人と人が助け合う共助の精神を改めて奮いおこして、被災地への思いを寄せるという祈誓の趣旨にそった合唱曲ということで、中山先生に依頼があったとのことです。

 あれから5年。まだ、心を封印したまま、多くの被災された皆さんがおられることとは思いますが、それでも、私たちは
「春よ来い、早く来い」と祈らずを得ません。