春よ、来い、早く来い

 あの日から5年。新聞やTVで東日本大震災に関して、いろいろ取り上げられたけれど、NHKTVでも3月12日に「SONGS 明日への歌」が放映されました。
 これまでSONGSで放映された10人の歌手の被災地への想いと歌をまとめた番組で、女性は4人出演しましたが、なんと全員が私の好きな歌手ばかり。松任谷由美にプリンセス プリンセスでしょ。それに今井美樹にドリカム。なんと超素敵。
 松任谷由美は「(みんなの)春よ、来い」。この歌は被災地を支援するため、NHKと共同で企画したイベントのために作られたそうです。
 番組では、みんなで歌おうとインターネットで一般募集をして送られた動画をバックに、松任谷由美が歌ったのだけれど、彼女の歌に合わせて映された「春よ、来い、早く来い」と歌う動画の中の想いのこもった顔・顔・顔。
 それを見ていたら、いい加減年寄りの私などは、たちまち胸キュンする想いでした。
 そして、今井美樹は「PIECE OF MY WISH」。

朝が来るまで泣き続けた夜も
歩きだせる力にきっと出来る

太陽は昇り心をつつむでしょう
やがて闇はかならず明けてゆくから

 この曲はTVドラマの主題歌としてヒットしたのだけれど、この歌の最初のフレーズを聴いただけで、東北大震災のメッセージソングとして改めて知られるようになったのは当然かもしれません。
 東北大震災で、多くのボランティアが活躍して被災者の方々を支えたけれど、歌の力も凄いんですね。多くの被災者の心を支え動かしたに違いありません。
 我が街北九州は「合唱の街 北九州」をうたい文句にしていますが「We Love 小倉協議会」の主催で、復興への願いを込めて歌おうと「紫川大歌声」というイベントが、3月11日に小倉北区中心街に流れる紫川の水上ステージで開催されました。私、いい加減年寄りだけれど、何かしなくちゃと参加した次第です。
 3.11の記憶を風化させないよう、北九州から義捐金と共に小さくても温かいメッセージを届けようという呼びかけに応じて、集まったのは約500名。
 午後2時46分に黙祷を捧げた後、北橋市長の挨拶の後「花は咲く」や「翼をください」「春よ来い」など13曲を、東北の空に向かって歌ったけれど、なんたって当日は寒くってサームイ冬模様。でも、東北の芋を使った「芋煮」やぜんざいが参加者全員に振る舞われて、寒さを吹っとばし
「私たちはこの日を忘れません」と、大声で誓いました。
 このイベントは、NHKTVの夕方のローカルニュースで放映され、なんと私も写っていたらしい。それを見た方々から電話やメールで知らせてくれたけれど、とき既に遅し。私は見ることが出来ませんでした。
 でも、見たら、うっすらハゲ模様のいい加減年寄り風を再認識させられるだけだろうから、見ていない方が良かったに違いありません。

 3月13日には東日本大震災早期復興祈願事業として「早期復興への祈誓」が、若松市民会館で開催されました。
第1部に「東日本大震災早期復興祈願祭」の神事を「福岡県神道青年会」が取りおこない、第2部で交声曲「海道東征」を九州歯科大学合唱団が奉納しました。
 この合唱団を指導されているのが、私が所属していた合唱団「北九州をうたう会」を指導されている中山敦先生。
この合唱曲を聴くのが目的に行ったのだけれど、黙祷のあと、祈願祭の神事が粛々とおこなわれましたが、私、起工式の神事しか見たことがなかったので、感嘆の眼差しで拝見しました。
 祈願祭は「修祓」の儀から始まり「浦安の舞」では巫女さんの舞もあって最後は「昇神」の儀で終了。40分にわたり厳粛に挙行され、早期復興への祈りを捧げました。この祈り、きっと東北に届くにちがいありません。
 交声曲「海道東征」は、作詞が北原白秋、作曲は信時潔。自然との共生、人と人が助け合う共助の精神を改めて奮いおこして、被災地への思いを寄せるという祈誓の趣旨にそった合唱曲ということで、中山先生に依頼があったとのことです。

 あれから5年。まだ、心を封印したまま、多くの被災された皆さんがおられることとは思いますが、それでも、私たちは
「春よ来い、早く来い」と祈らずを得ません。

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