ああ無常・・・

よりによって、おめでとうございますと笑顔で挨拶を取り交す元旦に能登地震!!!
そんなことってある?・・・と、信じられないようなことが、本当に起こってしまいました。

テレビの映像をみて、お見舞いの言葉を失うほどの衝撃をうけました。

親兄弟や身近な人を失い、住むべき家を失い、水も電気もなく厳寒のなか避難所にいる人々をみると、私たちの日常・・・朝起きて顔を洗い葉を磨き、「おいしい」とか「まずい」とか言いながら3度の食事をし、お風呂にいり暖かい布団でぐっすり眠ること・・・が、なんとすごい贅沢なんだと思い知らされる日々です。

いつもの日常が非日常となるなんて・・・。救われない思いでいっぱいです。

1923年に関東大震災を経験した物理学者の寺田虎彦は

「天災は忘れたころにやってくる」

と云いました。

しかし、東日本大震災は12年前、熊本地震7年前。忘れるどころか、その時の映像をまざまざも思い浮かべてしまいます。
もう、時は移り「天災は時と所を選ばず、いつでもやってくる」時代になってしまいました。

「想定外の地震」とも言われる東日本大震災の教訓を踏まえて、政府は原子炉は絶対に壊れないという「新たな安全基準」を新たに設定したそうです。
しかし「地球は燃えている」といわれる時代になった今、「新たな安全基準」を超える「想定外の地震」が起こり、その震源地が原子力発電所の敷地になった時、原子炉自体はびくともしないにしても、原子炉を取り巻くいろいろな設備が崩壊したら、どうなるのでしょうか?

天災は逃れられないにしても、+人災は絶対に絶対に起こらないように・・・。
岸田総理 お願い!!!

苦しみと哀しみの日々を過ごしている方々へのメッセージを、詩人茨木のり子は詩に託しました。

苦しみの日々 哀しみの日々(抜粋)  茨木のり子

 苦しみの日々
 哀しみの日々
 それはひとを少しは深くするだろう
 わずか5ミリぐらいであろうけれど

 少しずつ 少しずつ深くなってゆけば
 やがては解るようになるだろう
 人の痛みも 柘榴のような傷口も
 わかったとてどうなるものでもないけれど
   (わからないよりはいいだろう)

 苦しみに負けて
 悲しみにひしがれて
 とげとげのサボテンと化してしまうのは
 ごめんである

 寺田虎彦ーー1878年~1935年。物理学者であるが夏目漱石から英語や俳句を習った文筆家でもあった。著書に「冬彦集」などがある。、

今年こそ・・・

今日は昨日の続きだけれど、新しい暦のページをめくればお正月。

一休禅師が

正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし

と詠んだとおり
私、80歳の末期高齢者をなんとかクリヤーし、昨年85歳の終末高齢者にたどり着いたとたん、一休禅師の心境になりました。
とはいえ、なんたってお正月ですから、〝めでたくもなし〟なんて嫌味は封印して

あけましておめでとうございます。

そうは言っても、詩人諸星詩織さんの句にあるように

寂しさと貧乏だけがある部屋を お正月がのぞいています。※1

という人もおられると思うけれど、せめてお正月ですから、きっと今年は〝寂しさと貧乏が逃げ出した部屋〟になると信じて・・・そう、信じる者は報われるのですから・・・今年こそ、やってやり抜こうじゃありませんか。

雑誌「家庭画報」の1月号に91歳になる作家五木寛之さんと19歳の大学生にして俳優の芦田愛菜さんとの「超異世代の対談」が掲載されていました。対談の最後に五木寛之さんが芦田愛菜さんに
「今からいろいろなことがあると思うので、その時のための一言」と伝えた言葉があります。

あえてネガティブな言葉を覚えておくことをすすめますね。たとえば「人生は徒労である」という言葉を心に持っておくと
「そのわりには自分は報われているじゃないか」と反対の感情がわいてくることがあるものですから。
ネガティブな言葉のおかげで、ちっといいことがあっただけで幸せだと思える。
ですから、そうゆう言葉が持つ力というものを味方につけて生きていってほしいと思いますね。

ほかの人から見れば何でもないことでも、自分にとっては大きな幸せ・・・そう、生きてて良かったと思えるに違いありません。

そして、私の今年のお願いをどうぞ・・・。

宗教学者磯前純一さんの祖母さん(先の大戦で夫が玉砕し、娘5人を独りで育てた)の言葉

どこの国が正しくて、どこの国が悪いのではなく、戦争そのものが間違っている ※2

そう、間違っている戦争が起こっています・・ウン、今年こそ二つの戦争が終わりますように、そして今年こそわがニッポン国の政治屋さんが、みなみなさまからソッポを向かれないような政治家になりますように願っています。

このプログの「ご挨拶」のページの末尾に、私の近況報告を兼ねた年賀状を掲載しております。お読みいただけたら幸せです。

※1 諸星詩織ーー詩人。1945年沖縄県生まれ。著書に「雨上がりの窓」「愛ポポロ」等。
※2 朝日新聞掲載の鷲田清一「折々のことば」から転載。