真夏の夜の夢

真夏模様の雨抜き梅雨が終わった。梅雨が大大嫌いの私は、21日も早く終わったので「よかった 良かった」と云いたいところだが、わが街の近くにある行橋市や苅田町の水源池 油木ダムの貯水量が16%・・・もう梅雨が終わるなんてと恨み節。
だから「よかった 良かった」と言っては悪い。良いことが有れば反対に悪いこともある。これが世の常である。うかつなことを言ってはならぬ。

6月なのに真夏ならば、7月は絶真夏、8月は超真夏と言わざるを得ない。
この広い宇宙の中で、地球という惑星は貴重でかけがえのない唯一の星と云われているのに、この惑星に棲息するヒト科の生物が、自然を蹂躙し我がもの顔に荒らしまわった結果だから自業自得、致し方ないのである。

この暑さ真盛りの中で参議院選挙。
安倍総理や菅総理時代の選挙の時には、野党は突っ込みどころがいっぱいあったが、岸田総理は「音なしの構え」。
だから、野党はケチの付けどころがあまりないうえに、おまけに唯我独尊化して「わが党が」「わが党が」とバラバラ・・・。
野党が一本化したらヤバイと思っていた自民党はニッコリ「野党さん、ありがとう」って感じである。
かくして、新聞やテレビに、与党が過半巣を獲得する見込みと報じられる始末。もう、選挙は終わった・・・みたいである。

わが福岡県なんて、3人の定員に16名が立候補。新聞の当確予想によれば、現役の自民・公明・立憲の3人の候補者が強いらしい。
残った13名の候補者の方々は、むなしい戦いを・・・ウーン、失礼、はかない戦いを・・・ン? これも失礼・・・ひよっとして、ひよっとするかもしれない戦いを・・・エ? それはないよだって・・・失礼な!!! 汗をダラダラ流しながら、頭をむやみやたらに下げて果敢に戦いを挑んでいる候補者の方に失礼です。ハイ。

与党を信じている人や野党を信じている人は、公約を読んでいようとなかろうと、暑さをものともせずに、何が何でも投票場に向かうはずである。
しかし、「誰に入れようか?」迷っている無党派層の人は、当落予想をみて、
「このクソ暑い中で、勝負がついているような選挙に行ったってムダ」となるなずである。
そりゃあ、投票に行けばアイスクリームを貰えるとなれば、別かもしれないけれど・・・。

だから、新聞やテレビの当確予想がなければ、
無党派層の人も「自分が投票すれは当選するかも」と思い、アイスクリーム抜きでも、投票に行くかもしれぬ。
ウーン、これって真夏の夜の夢?

ここで、このクソ暑い夏をひと時でも忘れるために、アメリカのジョークをどうぞ・・・。

野党議員が首相のことを痛騰した。
「まるでロバのように頭がにぶく、ブタのように貪欲じゃないか」
首相はかんかんになって発言の撤回を求めた。野党議員はあっさり承知した。
「撤回しまます。あんな表現をしては、ロバやブタに申し訳ない」

そこで、もう一つ。こんど当選した議員さんには当てはまらいですよね。きっと・・・。

脳の移植が可能になった。そろそろボケはじめたと思いこんだ男が、脳移植専門の病院に行くと、ストックが3人分あった。一つは科学者の脳で移植費用は1万ドル、次は弁護士のもので2万ドル、、三つ目は政治家で3万ドルということだった。
「政治家の脳はどうしてそんなに高いんです?」男が聞くと医者は答えた。
「ほとんど使っていないから、新品同様なのです」

やっぱりキョンキョン

九州も6月4日に梅雨入り。

私、夏も冬も大嫌いだけれど、梅雨も大嫌いである。傘をさしていても、靴とズボンの裾はグシャグシャ。気持ち悪いったらありゃしない。

土砂降りの国道沿いを歩くとき 苦笑の似合う男と思う    俵万智

とんでもない、私、苦笑どころか、苦虫を噛み潰したような顔をして歩いている。
だから、雨の日は外出などしなければ良いのである。予定が入っている時は、言語明瞭意味不明な理由をアレコレ言って逃げることにしている。

でも、雨が大嫌いと言っても、家にいてシトシトと降る雨を見るのは大好きである。アタフタと忙しい日々を送っていると、苛立った気持ちがシーンと静まり、なんだか心が洗われて癒された気分になる。そう、スローバラードなジャズを聴きながら、ボンヤリと窓越しに降る雨を見ていると、ホンワカと幸せ気分。

梅雨のなると、いつも「Rain Songs」という2枚組のCDを聴く。大滝詠一や稲垣潤一に渡辺美里など雨をテーマにした楽曲が30曲あるが、その中で一番好きなのは、大好きな小泉今日子の「優しい雨」。この楽曲の冒頭の歌詞は

心の隙間に 優しい雨が降る
疲れた背中を そっと湿らせてく

むかし昔のそのまた昔、ヘンリイ・スレッサー 作の「怪盗ルビイ・マーチンスン」を映画化した「怪盗ルビイ」を見に行ったことがある。
私の大好きな和田誠が監督したとあって、胸弾ませて見に行った訳だが、それまでアイドルとばかり思っていた小泉今日子が主役。

なんと「キョンキョン」を脱皮して、摩訶不思議な魅力を持つキュートな女優になっていたのである。魅せられてしまった私、当時は中年のおじさんだったが、彼女はアイドルじゃないと言い訳してファンになってしまった。

以来、彼女は、時代に応じて華麗にときめいて変身し映画にドラマに大活躍。今や、おばさん化しても、そのときめきを失わず存在感がいっぱいで「歌手」ではなく「元歌手」になってしまったと思っていた位である。

ところが、6月11日にNHKBSテレビで「小泉今日子40周年スペシャル」が放映されたのである。75分のスタジオライブでヒット曲ばかり9曲。私の一番好きな「丘を越えて」はなかったけれど、懐かしの「怪盗ルビー」に「優しい雨」も歌い、私、彼女を見つけたあの時代に戻った気がした。

彼女、56歳。黒いロングドレスに黒のパンツ。黒のサンダルに黒の大きなブローチ。黒一色に纏めたお洒落でシンプルな装いは、とってもよく似合ってうっとり!!!
さすが「キョンキョン」。ウーン、いまだに「キョンキョン」の輝きを失わずにいるなんて・・・。

梅雨の晴れ間の素敵な出来事でした。

愛する人のために・・・

季節はまだ春なのに、気温は夏模様。25度以上の日が続出して、6月なのに夏日と云われても「?」
かくなる上は、夏日は25度以上ではなく30度以上に、真夏日は30度から35度以上、猛暑日は35度から40度以上に目出度く格上げすべきであろう。これなら、季節感にピッタリの温度となるに違いない。

ロシアがウクライナの侵攻を始めた頃、テレビで或るコメンテーターが
「ウクライナが勝てるはずがない。国民の命が一番大切だから、早めに降参した方がいい。前の大戦の時、日本だって原爆を落とされる前に降参していたら、多くの命が助かったのに・・・」と話していた。
それは正論かもれぬ。しかし、ミステリイ作家のパーネル・ホールが「依頼人がほしい」の中で言っているように

「正論だ。ここが、わが妻の大きな問題のひとつだ。彼女は、頻繁に正論をはく」

世の中、とかくままならぬものだから、正論を吐かれても出来ないことが多いのである。正論は理想であり、現実とかけ離れた正論は始末に負えない。

ウクライナは侵略されている国である。そんなウクライナの人にとって「死んでは元も子もないので早く降参したら・・・」なんて、こんなに失礼な話はないであろう。自分の住んでいる国が乗っとられるなんて・・・こんな理不尽なことが許されるなんてあってはならないのである。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」なんてことは言語道断と、ウクライナの人達や世界の人達も思っているのである。
まして、街をぶっ壊し、みさかいもなく銃弾を子供や市民に浴びさせるなんて・・・許せない!!! 最後まで絶対に立ち向かう、と思うのが人間の常であろう。

そう、茨木のり子の詩「血」のように、血を流してはいけない、でも愛する身近なひとのためにならと・・・。 

 

   血      茨木のり子

  イラクの歌手がうたっていた
  熱烈に腰をひねって
  サダムにこの血を捧げよう
  サダムにこの命を捧げよう と
  聞きなれた歌

  四十五年前のわたしたちも歌ってた
  ドイツのこどもたちも歌ってた
  指導者の名を冠し
  血を捧げようなんて歌うときは
  ろくなことはない
  血はじぶんじしんのために使い切るもの
  敢えて捧げたいんなら
  もっとも愛する身近なひとのためにこそ

嗚呼 沖縄

今日は、沖縄復帰50年。
国土面積0,6%に全国基地の約70%がある沖縄。「基地のない平和な島」を願う沖縄。もう50年もたっているのに・・・。

朝日新聞の5月13日版に世論調査の結果が掲載されていました。
その中で沖縄に関わる主な項目をご紹介します。
・沖縄の米軍基地は日本にとって必要?
必要 69%  不要 26%
・普天間飛行場の辺野古への移転は?
賛成 33%  反対 54%
・軟弱地盤問題の国の対応は?
移転賛成の人ー納得できる  69%
移転反対の人ー納得できない 95%
・基地の一部を他地区に移すことは?
賛成 63%  反対 27%

沖縄タイムス&琉球朝日放送が合同で実施した世論調査も掲載されてました。
・復帰当時に思っていたような姿になった?
なっている   55%
なっていない  37%
・沖縄戦の体験は引き継がれている?
引き継がれている  42%
そうは思わない   52%

2020年の沖縄全戦没者追悼式で沖縄県立首里高等学校3年の甲良朱香音さんが
「あなたがあの時」という詩を朗読しました。とっても長い詩ですが、沖縄の人々の想いをくんで読んでください。

あなたがあの時

まだ昼間だというのに あまりにも暗い
少し湿った空気を感じながら 私はあの時を想像する

あなたがまだ一人で歩けなかったあの時 あなたの兄は人を殺すことを習った
あなたの姉は学校へ行けなくなった

あなたが走れるようになったあの時 あなたが駆け回るはずだった野原は
真っ赤っか 友だちなんて誰もいない

あなたが青春を奪われたあの時 あなたはもうボロボロ
家族もいない 食べ物もない ただ真っ暗なこの壕の中で
あなたの見た光は、幻となって消えた。

「はい、ではつけていいですよ」 一つ、また一つ光が増えていく
照らされたその場所は もう真っ暗ではないというのに
あまりにも暗い 体中にじんわりとかく汗を感じながら
私はあの時を想像する

あなたが声を上げて泣かなかったあの時
あなたの母はあなたを殺さずに済んだ
あなたは生き延びた

あなたが少女に白旗を持たせたあの時
彼女は真っ直ぐに旗を掲げた
少女は助かった

ありがとう

あなたがあの時
あの人を助けてくれたおかげで
私は今 ここにいる

あなたがあの時
前を見続けてくれたおかげで
この島は今 ここにある

あなたがあの時 勇気を振り絞って語ってくれたおかげで
私たちは 知った 永遠に解かれることのない戦争の呪いを
決して失われてはいけない平和の尊さを

ありがとう

「頭、気をつけてね」 外の光が私を包む
真っ暗闇のあの中で あなたが見つめた希望の光
私は消さない 消させない 梅雨晴れの午後の光を感じながら
私は平和な世界を創造する

あなたがあの時 私を見つめたまっすぐな視線
未来に向けた穏やかな横顔を 私は忘れない
平和を求める仲間として

蟻の一穴

桜満開。春は爛漫。心はグチャグチャ。

ロシアはウクライナを「侵略」しているのではなく、ウクライナの非武装化・非ナチス化のために「特別軍事作戦」を行っているとのことである。
ナチス化なんてオドロオドロシイ言語はもう廃語になっていて、こうゆう現象はおこり得ないというのが世界の常識と思っていたが、この期に及んで復活するなんて世も末である。

そして「ロシア系の住民をウクライナ軍の攻撃から守り、ロシアに対する欧米の脅威に対抗するためには、ほかに方法がなかった」との攻撃開始宣言をおこなったが、これを信じるなんてロシアの国民の皆々さんは「アホ」であるに違いない・・・なんてことを言っていけない。

先の大戦で、わがニッポン国が東南アジアの国々で戦っていたのは「ヨーロッパの国々からのアジア解放」のためであり「侵略」なんて考えはコレッポッチもありませんというこになっていたのである。

そして、わがニッポン国の大義名分のあるこの戦いについて、当時の全てのメディアもこぞって大戦果が有るがごとく報じて、国民も一体となって戦争を推進し「東南アジアの解放」をすっかり信じていたのに、なんと敗戦となるや、ガラガラポンとなって、すべて「侵略」となってしまった。

だから、わがニッポン国の過去のアレコレを考えると、ロシアの国民の皆々さまを「アホ」と言っては失礼であろう。20年にわたるプーチン大統領の長期政権とメディアの統制で情報鎖国になっているのだから仕方がないのである。

いずれ、休戦協定がなされ戦争は終わるだろうけれど、どんな結末になっていても、ロシア大統領は「わがロシアの大勝利」と自画自賛。かくして、原爆を脅しに使う唯我独尊を誇る大統領が意気揚々と君臨していくに違いない。

とは言え、堅固な堤も小さなアリの穴がもとでくずれることもあるという「蟻の一穴」の例えのように、ロシアの人々がウクライナの惨状を知ったら、強権を振るう大統領について「?」と感じる人が出てくるに違いない。そして、その小さな穴が大きな穴になると信じたい。

そして、ロシアの人々に次の詩を・・・。

出版社KADOGAWAが発行した「戦争は女の顔をしていない」の第16話「ふと、生きていたいと熱烈に思った」より

戦争中どんなことに
憧れていたかわかるかい?
あたしたち夢見ていた

ねえ
戦争が終わるまで
生き延べられたら
戦争の後の人々は
どんなに幸せな人たちだろう!

どんなにすばらしい生活が
始まるんだろう

こんなにつらい思いをいた人たちは
お互いをいたわりあう

それはもう違う人たちになるんだね

そのことを疑わなかった
これっぽっちも

ところがどうよ・・・・
え?

またまた殺し合っている
一番理解できないことよ・・・・

いったいこれは
どういうことなんだろう?

え?
私たちってのは・・・・

この詩は、3月26日の朝日新聞に掲載された出版社KADOKAWAの1頁広告を引用したものです。