ちょっと 一言

岸田ソーリって、一見おとなしい顔をしているけれどスゴイ人なんである。あのこわもての安倍前ソーリがやりたくっても出来なかった軍備増強と敵基地攻撃能力、それに原発再稼働をすました顔で実現させたのである。

ウクライナの戦争が始まった途端、わがニッポン国も侵略に備えなければと・・・どうも北朝鮮や中国がわがニッポン国を攻めてくると岸田ソーリは恐怖に陥ったらしい。
だけど、北朝鮮や中国がわがニッポン国に軍事侵略をする大義名分なんてあるはずがない。

侵略しようとする場合、まずミサイルをニッポン国中にまき散らすだろうが、占領するためには海を越えて何万人の兵隊を送らねばならぬ。しかし、わがニッポン国には海という強力な防衛ラインを持っているのである。襲来するミサイルを100%打ち落とすのは至難の業だろうけれど、海を渡ってくる敵の輸送船は100%狙い撃ちするくらい簡単なことはない。

わがニッポン国を金正恩王国のメンバーにしようなんて、途方もない考えを北朝鮮が持つわけがない。中国もすでに経済的には固く結ばれているわがニッポン国と戦争までして乗っ取ろうなんて、ムダにしてアホなことをことをするはずがない。

ウクライナを口実に、北朝鮮や中国から侵略されるかもしれないからと、敵基地攻撃なんて神業みたいな能力を持つ軍備増強をするなんて・・・岸田ソーリって頭脳明晰にして遠謀神慮、権謀術数に富む人に違いない。政治屋、ン? 失礼、政治家の模範としなければならないであろう。

中国が台湾に武力侵略をした場合、わがニッポン国も巻き込まれるから、軍備増強をはからねばならぬとのお言葉である。
でも、中国と台湾はもともと同じ国民。親戚や友人が共にいっぱいいるのに、中国人同士で殺し合いをさせてまでして台湾を侵略するなんて信じられない。

多分、中国は台湾が独立宣言などしないように脅しをかけているに過ぎないのである。台湾は中国の一部であるという原則を傷つけづに現状維持を保ち、その内に台湾に親中国派の政権を成立させ、香港と同じように自由にふるまわせ、最後に香港と同じ運命をたどらせるという筋書きであろう。

中国の脅しに負けて軍備増強にはしるわがニッポン国を見て、中国は余計なことをと苦笑いしているに違いない。

岸田ソーリは広島生まれ。原爆の恐ろしさが身に沁みているから、G7の開催地を広島に持ってきて、G7の指導者の方々に、原爆の恐ろしさを身に沁みてもらおうと考えたのに違いない。とってもエライ!!!と思うのは当然である。

ところが、ウクライ戦争が始まって、燃料費が高騰したものだから、ここぞとばかり岸田ソーリは原発再稼働をさっさと決めてしまった。
わがニッポン国の原発がない地域の人たちも、原発がぶっ壊れても被害が及ぶ訳でないから・・・とまでは言わないけれど
「マ、しょうがないか」という雰囲気になってしまった。

原爆の燃料は原子力、原発の燃料は原子力。だから、原発はぶっ壊れたら原爆が落ちたのと同じである。
わがニッポン国は、原爆を各地に保存しているのである。

ドイツは原発廃止を決めたが、わがニッポン国は海に囲まれ風力発電、温泉に恵まれて地力発電、温暖な地となって太陽光発電と、世界から羨望の目で見られているのに、アレコレダメ理由をつけて原発しかないということになっている{

世界中で、想定外の災害に見舞われ、地球は壊れかけているというのに、わがニッポン国は災害大国であるが、どうも想定外の災害は起こらないと岸田ソーリは信じているらしい。

だから「予算は使い放題でOK、わがニッポン国の技術力を総動員させて自然エネルギーを確保せよ」などと、岸田ソーリが言う訳がない。
決して、電力会社を贔屓にしている訳ではないそうである。

ウーン、G7の広島開催の意義と原発再稼働とはどうしてもつながらない。
岸田ソーリって、一見「温厚風」に見えるけれど、「賢い」うえに「恐ろしい人」かもしれぬ。

ご機嫌いかが 6

桜の花もほころび、いまや見所となった途端、咳がコンコン、鼻水はツルツル垂れ流しとなり、おなじみの病院に行ったところ、診察室どころか別棟に連れていかれ、コロナとインフルエンザの検査をさせられる羽目になってしまった。

私、「平熱の上に5回目のワクチンもインフルエンザの予防注射しているから、普通の風邪」と抵抗したものの聞く耳をもたない。しかし結果は私の診断のとおりすべて陰性。私は、医師の素質があるやかもしれぬ。

毎年、通例のお花見の計画が3回もあったのに、コンコン&ツルツル状態だからすべてキャンセル。弱り目に祟り目とはこのことである。

3月から4月は、私にとってホトホト精一杯お疲れの月である。
なにしろ「80歳以上の合唱団」とか「80歳以上の歩こう会」とか、あれこれ他人から見たらどうでもいいような、私からみたら、どうでもいいなってとんでもないというような会にいろいろ入っているのである。
さらに加えて、自治会と老人クラブの会長もしているものだから、年度末と年度初めは行事がゾロゾロ&ゾロゾロ!!!

かくして4月15日は老人クラブの総会、16日は自治会の総会となってテンヤワンヤしているのに、85歳の「終末高齢者」となった私のアンテナは、感度不良となって、今日、15日の夢旅人の原稿なんて書けそうもない。

ということで、私の隠し球。「ハードボイルドに恋をして」。これなら書き写すだけでいいから「ご機嫌いかが 6」を掲載することにした。
そう、私にとって一番必要なのは「安らぎ」。どうぞ、皆様にも安らぎのひとときをどうぞ。

安らぎ

テレビは一般大衆にとって、電子安定剤なのかもしれない。
早川書房「殺人ウェディング・ベル」ウイリアム・L・デアンドリア/真崎義博訳

「・・・いずれにしても長くて乾いた一日だった。ここらで一日の埃をふるい落とさない?」
早川書房「暗闇にひと突き」ローレンス・ブロック/田口俊樹訳

彼女は立ち上がって、暖炉に歩いていった。もうすぐ、火やセーター、それにかわいい女の微笑みが欲しくなる季節がやってくる。
早川書房「秋のスロー・ダンス」フィリップ・リー・ウィリアムズ/坂本憲一訳

パジャマを着て室温を24度に設定し、明かりを消してベッドに入った。純真で汚れのない眠りだった。
早川書房「パームビーチ探偵物語」ローレンス・サンダース/眞崎嘉博訳

あたしは夕食と朝食を食べ、あったかいベッドでひと晩ねた。・・・それもアンダーシャツとパンティって格好で、ぐうたらしてればよかった。
早川書房「汚れた守護天使」リザ・コディ/堀内静子訳

ステレオをつけ、長椅子にすわって酒を飲み、煙草をふかした。いたって文化的な気分になった。パヴァロッティがヴェルディの《鎮魂ミサ曲》から〈われらは嘆く〉を歌う。ふんふん、とても文化的だ。つづいては、ドニゼッティの《連隊の娘》から〈おお、友よ〉の高いハ音を九回もだせるなんて信じられない。しろうとなら、化粧だんすの引き出しキンのタマをはさみでもしないかぎり、一回もだせないだろう。すこぶる快適。わが家の優雅な夕べ。
早川書房「二日酔いのバラード」ウォーレン・マーフィ/田村義進訳

私はときどき、世界で一番小さい星を食べる。それはコンペイトウという名で、どの星座にも属していない。
新潮文庫「両手いっぱいの言葉ー413のアフォリズム」寺山修司

ラジオ・ワンからは《わたしとあなたとブーという名の犬》が流れていた。カフェインとビタミン Cにノスタルジアを加味した朝食をとるのが、最近の習慣になりつつあった。
早川書房「見習い女探偵」リザ・コディ/佐々田雅子訳

マールを注ぎたし一本イングリッシュ・オパールを吸った。これで、その日、一日に別れのキスをする用意ができた。
早川書房「パームビーチ探偵物語」ローレンス・サンダース/眞崎嘉博訳

ジャッキーは、女がいつもカロリー計算をしていたわけでもなければ、仕事の昇進を気にかけていたわけでもなく、男と女が一日じゅう過ごしたいと言ったからといって男をわがままとは責めない。そんな時代の女なのだ。少なくても、たいていの情事の発端なる、過度の性の感情の発端からくる陶酔のひとときのあいだは、そんなことを考えない女なんだ。そういう女を好きなのかどうか自分でもよくわからなかったが、ふたたび降り出した雪と噛みつくような冷たい夜とドナの不在という状態のなかでは、ジャッキーの腕の中はすてきだった。彼女がまだ三十になっていなくても、中年の落ち着きに包まれているようなやすらぎを感じた。
東京創元社「影たちの叫び」エド・ゴーマン/中津悠訳

自分自身をはぐくんで

わがニッポンがこんなに盛り上がったことってあった?

WBCの準決勝戦と決勝戦。

準決勝戦では、9回裏でまるでダメだった選手が逆転打で試合をひっくり返し、決勝戦では9回裏に最高と云われる投手が最高と云われる打者を三振させて優勝を勝ち取って・・・まるで映画の一シーン。

これって奇跡みたい。運命の神様が、こうゆう感動的なシーンを演出したに違いない。

こんな胸ドキを味わったのは久しぶりである。野球はおじさん時代の人間の趣味で、現代人はサッカーというのが定番らしいが、WBCは老若男女を問わずテレビにくぎ付けになったみたいである。

野球は、勝っていても負けていても、ハラハラ&ドキドキして見なくてはならぬ。サッカーは、ボールがゴールに入りそうで入らず、イライラ&ジラジラして見なければならない。
ハラハラ&ドキドして興奮する方が、イライラ&ジラジラしてストレスをつのらすより良い。だから、野球の方が好きである。

それに、サッカーはちょっと目を離したりしたら、アッという間に点数が入たりして、すこぶる目が離せない。だけど、野球の方は、交代する時にオシッコに行ったり、女房と不変不滅のどうでもいい会話を交わすことも出来る。そう、余裕綽々の人生を送れるのである。

今日は4月1日。プロ野球がついに開幕。とってもエラそうに見えるプロ野球評論家の皆さんが「今年も巨人の優勝はムリ」とのたまう。しかし、野球に限らずもろもろの評論家の予想は当たらないというのが通例だから、私、まったく心配していない。

そして、4月は門出の月でもある。キラキラ輝いての新入学や新入社。異次元の世界に飛び込む訳だが、夏目漱石が1906年に小説「草枕」に、
「智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」と書いたが、100年以上たった今でも、この世はこの言葉とおりである。

いろいろな出来事に遭遇し、喜んだり、苦しんだり、悩んだりすることだろうが、谷川俊太郎の詩「自分をはぐくむ」のとおり、あなた自身を大切に・・・。

 自分をはぐくむ 

悪いこころと善いこころ
悪いことと善いことと
ふたつはからみあっている
木に巻きついた蔓のように

自分をはぐくむのは難しい
自分を枯らすのは簡単だ

あなたを導くのは
ほかでもないあなた自身
あなたはあなた自身を超えていく
自分を発見し続けることで

自分を大切に見つめたい
今日も明日もいつまでも

ご機嫌いかが 5

私は生まれながらの生粋のジャイアンツファン。TVではジャイアンツの試合、それも勝っている試合しか見たことがない。初めから負けている試合はもちろん見ないし、勝っていても逆転されたら、ムッツリ スイチOF。だけど、未練がましく時々スイッチを入れて、勝っていればニコニコ スイッチON..。

そして、勝ったらTVのスポーツニュースをはしごする。すこぶるいい気分!!!

ジィアンツ以外の試合を見たことがない私だが、見た!見ました!!びっくり!!!の4日間。
WBCの1次ラウンド。

豪華絢爛たるメンバーが意気軒昂にして獅子奮迅の働きに驚天動地。なんとジャイアンツが勝った時以上に、私、喜色満面、欣喜雀躍!!!
こんなことってある?・・・という4日間でした。

最高にご機嫌の4日間でしたので、今日の「ハードボイルドに恋をして」は、2022年11月1日のプログ「ご機嫌いかが 4」の続編です。
「ご機嫌いかが」で今までに取り上げたテーマ「笑い」「喜び」まではご機嫌うるはしく、以下の「悲しみ」「怒り」「驚き」はご機嫌ナナメ。そして、今日のテーマは「悩み」です。
WBCで優勝するかどうかなんて悩まないで、このプログを読んで悩みを吹っ飛ばして下さい。

 悩 み

誰だって、他人の悩みなんか聞きたがらないわ。他人の悩みなんか退屈なんですもの。たとえ、自分の悩みだって退屈なものよ。
早川書房「殺人オン・エア」ウイリアム・L・デアンドリア/真崎義博訳

あてもなくさまよう考えに、屋根をかぶせて定住させるために、ラジオの音量を上げた。
早川書房「身代金ゲーム」ハワード・エンゲル/中村保男訳

テレビでは「・・・悩み事は、すべてイエスに差し出しなさい」と言っていた。なかなかいいアイデアと思って考えてみたが、私は、神は自ら助くる者を助くという信念で育てられたのだ。もうしばらくは自分で悩むことにした。別に、イエスを恨んでいたからではない。
早川書房「殺人ウエディング・ベル」ウイリアム・L・デアンドリア/真崎義博訳

もう新しい悩みごとはごめんだった。これ以上問題を抱え込んだらギネス・ブックにのってしまう。そうなったら自分が不良アパートの不在家主より、もっとたちの悪い人間になりそうな気がした。・・・もう二度とジャック・ダニエルのグラスのなかに、難易度Cの後方宙返り一回転半ひねり降りをきめようとは思わない。マンハッタンはどうしようもないほど蒸し暑く、レッド・ソックスは4位。みんな人生の琑末事だ。一人きりにしてほしかった。
二見書房「スキャンダラス・レディ」マイク・ルピカ/雨沢泰訳

「どうにもならないことをくよくよ考えるのは、貴重な時間をむだにして心の傷口をひろげるにすぎないわ」
早川書房「騙しのD」スー・グラフトン/嵯峨静江訳

しばらくして、もう一杯こしらえた。手がひとりでに動いていた。私が機械的に何かするときは、心にかかる悩みがあるのだ。だが、大した悩みじゃない。四十歳を過ぎてしまうと、大した悩みなんかあるものではない。時間は肩掛けのように私の上に停滞していた。この街のほかの場所では、人々が食事をしたり、ダンスをしたり、酒を飲んだり、笑ったり、触れあったり、しゃべったり、愛と友情の通貨である自分自身のかけらを交換しあっている。そういうことを、私は何一つしていなかった。私はひとりぼっちだった。
早川書房「感傷の終わり」スティーヴン・グリーンリーフ/斎藤数衛訳

「・・・エドナとピアス夫人は、わたしをこれ以上太らせまいとしているのですよ」・・・「誰だって、肥満の悩みをかかえています」エリーは言った。
司祭はちらっと彼女を見た。
「あなたは当てはまらないでしょう。わたしの場合は、全身これ、肥満の悩みです」
新潮社「エリー・クラインの収穫」ミッチェル・スミス/東江一紀訳

「この宇宙はそんなふうにはなってないんだよ。ーーひとつ問題を解決しても、別の問題がそのあとを埋める。たしか、苦悩保存の法則というんだ」
早川書房「熱い十字架」スティーヴン・グリーンリーフ/黒原敏行訳

彼女は靴をはかずに6フィートあったので、ふつう彼女が初対面の男についてまず知ることは、その男にフケがあるかないかということだった。そういう眺めがわたしをしらけた心の持主にしてしまったのだ、と彼女は主張した。
早川書房「モンキー・パズル」ポーラ・ゴズリング/秋津知子訳

「探偵という職業は、上昇過程で通り過ぎるものじゃなく、下降過程でしがみつくものなんだ」・・・
「おやおや、わたしとあなたで、末期的絶望病患者の収容施設が開けそうね。それで、あなたの悩みはなんなの?」
早川書房「匿名原稿」スティーヴン・グリーンリーフ/黒原敏行訳

「でもね、陰気になったって、悪いことがますます悪くなるだけよ。人生は大事なの。人生がどんなに短いかわかったら、あなたも陰気なことを考えて、無駄に過ごしたいとは思わなくなるわ」
早川書房「夏をめざした少女」リザ・コディ/堀田敏子訳

(エレベーターに乗ると)
実はみな女性で、一人の例外もなくハンドバッグか鞄を持つか赤坊を抱くかしていた。ーー女はいつも何かしら手に持っていて、それを怪しまないが、男は何か持たなければならないとなると、いつも軽い束縛感を抱くのだ。
早川書房「偽りの契り」スティーヴン・グリンリース/黒原敏行訳

その時の職業の選択肢といえば、タンポン工場の箱詰め機械を見張る仕事しかなかった。それもたしかに重要な仕事であるが、あたしをわくわくさせてくれるようなものではない。
そして、あたしの財力と気力の欠如のため・・・こんな車を乗りまわさなければならないのは、何か悪いことをした報いだろうかと思い悩むのみだった。
扶桑社「モーおじさんの失踪」ジャネット・イヴァノビッチ/細見遥子訳

わたしは右を向き、左を向き、仰向けになり、腹這いになり、ほとんど床に落ちーーとうとうあきらめた。6時21分になっていた。どんなに待っても、眠りの白鳥は戻ってきそうもなかった。表では、街がベッドの中で身じろぎし、伸びをし、シーツをはねのけ、巨大な咳払いをしていた。
早川書房「黒いスズメバチ」ジェイムス・サリス/鈴木恵訳

「それに空腹な上に、カフェイン禁断症状で死の苦しみを味わっていて、しかも6日間も性的片思いに悩んでいる」
早川書房「蒼ざめた王たち」ロバート・P・パーカー/菊池光訳

83年前の格言

3月。日本はもうすぐ春。うららかな春が来るというのに、ロシヤによる戦争はもう2年目。

人の命は、ウクライナの兵隊さんにしろ、ロシアの兵隊さんにしろ同じように尊いものだから、今日も、否応なしに何人もの命が失われていると思うと、言葉を失います。

ウクライナの兵隊さんは、死ぬかもしれないけれど「祖国を守る」という信念で自ら戦場に向かっていると思います。
しかし、ロシアの兵隊さんのなかには「祖国を守れ」と命令され、仲間と思っていた隣国で殺し合いをさせられて、合点がいかないままに無念の戦死を遂げる・・・。
ロシアの人々は「そんな無茶な戦争を・・・」と、どうして思わないのでしょうか。

日本では、人を殺せば「殺人罪」。二人以上殺せば「死刑」なのに、1947年に制作されたチャプリンの映画「チャップリンの殺人狂時代」の殺人者ヴェルドーの言葉、

「一人を殺せば犯罪者だが、百万人を殺せば英雄だ」 ※1

とあるように、チャップリンは、どうして、戦争であれば人を殺していいのかと、戦争による殺戮の正当化を弾劾しています。

又、同じようにヒットラーを痛烈に風刺したチャプリンの映画「チャップリンの独裁者」で、独裁者になりすましたチャップリンが、映画の最後に平和を呼びかけた有名な6分間のスピーチがあります。その一部に、

「必要なのは機械より人間性だ。兵隊たちよ! 機械の頭と機械の心を持った連中に、あなた自身を売り渡してはならない。彼らは君たちに行動を命令し、感じることまでを命令する。そして大砲の的として使うのだ」 ※2

この映画が作られたのは1940年で今から83年前。83年前のこの台詞を、ロシアの兵隊さんに告げても、なんら遜色がないなんて・・・。
ITの時代になっているのに、人間の頭はまったく進歩していないんですね。

人間の頭は旧態依然のままなのに、チャップリンの時代より機械の頭の方は格段に進歩して、今や、人間の頭は当てにならず、
「必要なのは人間性より機械だ」と、史上最も急速に成長している対話型のAI「チャットGPT」に任せた方が良いのかもしれません。

「チャットGPT」ってスゴイですよ。「チャットGPT」に質問したら何でも答えてくれるんです。私の頭脳は「チャットGPT」の何百兆分の0.01以下に違いありません。
そこで、ネットで紹介されている「チャットGPT」応答例をどうぞ。

「アメリカの原爆投下理由を尋ねたら早期終結と答え、2度と被曝させないように日本も核保有すべきではと尋ねたら日本が保有すると核戦争の脅威が高まると答える」

「中国や北朝鮮が保有する理由を尋ねたら安全保障の理由と答え、日本も安全保障を理由に保有すべきではと尋ねると核不拡散の努力をすべきと答える」

※1 図書刊行会発行・著者 和田誠「お 楽しみはこれからだ」より引用。
※2 図書刊行会発行・著者 和田誠「お楽しみはこれからだ PART2」より引用。