君死にたまうことなかれ

 我がニッポン国のソーリは、集団的自衛権に関し、6月5日の記者会見で
 「国民の命と平和な暮らし」を、断固として守り抜くと力強く宣言し、我がニッポン国民を安堵させた。
 愛国心に燃える我がニッポン国のソーリは、自衛隊最高指揮官でもあるので、「国民の命と平和な暮らし」が脅かされるような事態が発生すると、直ちに自衛隊服に整えて最前線に向かい、陣頭指揮を取ろうと深く決心していると思われる。
 しかし、我がニッポン国のソーリの側近が
 「殿、ご乱心!!!」と、必死に引き留めるので、我がニッポン国のソーリは、
 「残念無念」と自衛隊服を脱ぎ、背広姿に変えてポンと「出動命令」に印鑑をつくしかあるまい。
 そう、歴史は繰り返すのデス。

君死にたまうことなかれ(抜粋)   与謝野 晶子

ああおとうとよ、君を泣く、
君死にたまうことなかれ、
末に生まれし君なれば、
親のなさけはまさりしも、
親は刃をにぎらせて
人を殺せとおしえしや、
人を殺して死ねよとて、
二十四までそだてしや。
暖簾のかげに伏して泣く、
あえかにわかき新妻を、
君わするるや、思えるや、
十月も添わでわかれたる
少女ごごろを思いみよ、
この世のひとりの君ならで
ああまた誰をとのむべき、
君死にたまうことなかれ。

※ 与謝野晶子ーー1878年~1942年。掲載した詩は1904年(明治37年)に「旅順口包囲軍の中に在る弟を嘆きて」という副題を付けて発表した。歌集に「みどれ髪」など。

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