九州の片田舎でN響?

北九州市小倉北区の最大級の規模を誇る浄土真宗本願寺派の永照寺で、嘉恩弦楽四重奏団の「御堂Consert」が開かれた。
私は、このお寺の門徒で報恩講に行ったとき「御堂Consert」があるので来てくださいね、という住職の言葉につられて行ったのだけれど、コンサートのプログラムを見たらビックリ!
お寺の住職さん達の演奏かと思ったら、とんでもない、メンバーはプロ中のプロ!!!
ヴィオラの川本嘉子さんはN響の首席客演ヴィオラ奏者、第1ヴァイオリンの須山暢大さんは大阪フィルのコンサートマスター、第2ヴァイオリンの横道耕一さんはN響のバイオリン奏者、チェロの宮坂拡志さんもN響のチェロ奏者。そして皆さん、国内外のエライ音楽家に師事していた経歴を持ち、多くのオケと共演しナントカ賞とかカントカ賞など受賞しているスゴイ人たちだったのである。
私、花の都の東京で華の独身生活を謳歌していた頃・・・ン? 訂正、華の単身生活を謳歌していなかった頃、N響の定期演奏会によく行ったものだけれど、我が街北九州市って、全国的レベルから云えば九州の片田舎でしょ。N響なんてお呼びでないのである。だから、プログラムに書かれてある演奏者のプロフィールを見たら、
「スゲー!!!」メンバーでしょ。
「N響のメンバーによる演奏が聴けるんだ」と、もうビックリ!
ご仏壇の前に降ろされた金箔の簾の前で、モーツアルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏」と「ディヴェルティメント1番と2番」。休憩の後はベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第8番」が演奏されたのである。
演奏された3曲とも曲名だけ聞くと聴いたことがあるような気がしたけれど、演奏を聴いたら、
「?」というような感じである。わざわざ東京や大阪から来た4人の奏者の方には、ド・シロウト風の聴衆で申し訳のない気がするけれど、演奏はド・シロウト風の聴衆にも、しんしんとしみじみと心に沁みる演奏で、またもや、もうもうビックリ!!!
私が座ってしる椅子は、演奏しているところから3mほどの位置で、ステージといっても平面だから、目線は同じ。凄いでしょ。モーツアルトが貴族の前でピアノを弾いている風景と同じである。ウン、貴族気分で聴けるって、なんと素敵なことでしょう。
ヴィオラの川本嘉子さんが言っていたけれど、弦楽器の弦が木造の天井の高い空間に共鳴するようで驚いたと話した通り、弦の音が柔らかにやさしく聞えるのである。これって、不思議な感覚なんデス。
以前、この永照寺でミニコンサートがあったけれど、不思議なことに演奏者の皆さん、同じことを言っているんですね。
これって、お寺っていう雰囲気と本堂の構造がコンサートホールにまさる効果を出しているに違いありません。

素敵ですね、永照寺さん。

 

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