秋深し わたしは何を食う人ぞ

 秋。食欲の秋。天高く馬肥える秋。焼き芋の香り漂い、ついでにオナラも香る秋。
 秋。実りの秋。ピチピチプリンのオッパイが・・・ン? エーット訂正・・・ ピチピチプリンと果物が大きく弾けて実る秋。
 行楽の秋。お土産店で見本のお菓子を、片っ端からつまみ食いする秋。 
 紅葉の秋。春は「花より団子」。勿論、秋は「もみじより饅頭」
 秋。枯葉散る秋。女心と秋の空となって失恋の秋。だからヤケ食いの秋。
 秋。スポーツの秋。日本シリーズの秋。でもジャイアンツが出ないという、とんでもない秋、だからヤケ酒の秋。
 秋。芸術の秋。コンサートの秋。演奏会の途中でお腹がグウグウならないように、お腹を満たしていく秋。でも、お腹いっぱいになると居眠りしそうなので、コーヒーをガブ飲みしてしまい、途中でオシッコに行きたくなる秋。
 秋。美術の秋。美術館でおいしそうに描かれた柿の絵を見たら、連鎖反応で
「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」となり、つい帰りに柿を買ってしまう秋。 
 秋。読書の秋。スナック菓子がピッタリの秋。スナック菓子を際限もなく、ポリポリ食べながら本を読む至極の秋。
 ウーン、どの秋をとっても、どうも飲んだり食べたりしなければいけないらしい。
 エ? 何? それって、ソーハチさんの秋のことでしょ。
 いくら秋とはいえ、そんなに食べたら、メタボリック症候群になっちゃうわよ。
 フーン、そうか。フツーの人は、わびしい秋を送っているんだ。おかわいそう・・・・。
 でも、そう云えばアメリカのジョークに、こんなのがあったっけ・・・。

 両親の若い頃のアルバムを見ていた娘が,母親に聞いた。
「このカッコイイ男の人は誰なの?」
「あなたのお父さんよ」
「ふーん・・・」
 娘は父親の方をそっと指さして、小声で聞いた。
「じゃ、あの禿のデブ男は誰なの?」

 ※ 俳句は、正岡子規の作。ジョ-クは井坂清編「ジョークは人生のスパイス」より

プンプンプンのプンプン

 プンプンプンのプンプン、ついでにもう一つプンプン。念のためにお断りしておくが、これは決してオナラの音ではない。
 私は、プンプンと悲憤慷慨して怒っているのである。すっごく切歯呃腕して怒っている。とにもかくにも七転八倒しながら怒っている。あたりかまわず遺憾千万と怒っている。
 かくして、素敵な秋が来たというのに、私は、すっかり意気阻喪、茫然自失・・・。
 そりゃあ、失恋して意気阻喪、茫然自失するのならまだいいよ。なんたって恋をした証拠なんだから。
 だけど、私の場合は、セ・リーグで優勝した我が愛するジャイアンツが日本シリーズには出場できないという、奇奇怪怪にして前代未聞、空前絶後で驚天動地なアホなことが起きたでしょ。四字熟語を駆使して怒るのも当然であろう。
 なにしろ、前回10月15日のコラムで「ウフフフ、オホホホ、アハハハ」と書いているのだから、私の(>_<)は倍の倍。うっすらハゲ模様の頭から湯気がほとばしり、はるか宇宙の彼方のチチンプイプイ星まで届くやもしれぬ。  秋を表わす言葉は数々あれど、これからは「怒りの秋」を加えることにしよう。  それに、最近のスポーツの世界は、野球にかかわらず、不可解な出来事が多い。ニッポン古来の格式ある相撲でも、外国人横綱が演じる土俵上のヒンのない振る舞いを 「マ、いいか」と見逃しておきながら、サッカーをしたと云って大騒ぎ。  本人は 「マ、いいか」とカールイ気持ちでサッカーをしたのに違いないのだけれど、元はと云えば、そういうカールイ気持を持たせるような育て方をした、相撲業界のオエライさんも悪いのである。  それと、ボクシングの亀田ナニガシ選手にしても、日頃のヒンの無い傍若無人の振る舞いを 「マ、いいか」と黙認してきたにもかかわらず、「スカット爽やかコカコーラ」的負け方をしなかったといって大騒ぎ。  本人から言わせれば、無茶をやっても日頃から許されているので、むしゃぶりついてでも負けまいというガッツな姿勢を示しただけに過ぎないのだけれど、元はと云えば、そういう発想をさせるような育て方をした、ボクシシング業界のオエライさんも悪いのである。  プロ野球業界のオエライさんにしても、金儲け主義のルールを作っておきながら 「出場できないのは負けたジャイアンツの選手が悪いのよ」と云っているし、相撲業界もボクシング業界のオエライさんも、自分のことは棚に上げ、 「みんなお前が悪いのよ」と、上に向かってツバをはいている。  野球にしろ、相撲にしろ、ボクシングにしろ、スポーツ業界のオエライさんはそれなりの「見識」というものを持っていると思っていたけれど、どうも持っているのは 「金儲けの見識」らしい。  でも、見識があると思っていた天下のソーリもプッツンするし、見識あると思っていた老舗のモロモロの会社もラベルを張り替えるし、今や「見識」なる言葉は死語となって,「金識」なる新語が使われているのかもしれぬ。  さっそく、最近改訂版が出された広辞苑で確認してみることにしよう。そして、「怒りの秋」にもう一つ「嘆きの秋」を付け加え、プンプンホロホロ、プンプンホロホロ・・・ホント、忙しいたらありゃしない。 

ウフフフ、オホホホ、アハハハ

 私、ご機嫌!!! 
「ウフフフ、オホホホ、ワハハハ、イヒヒヒ・・・」ーーエッート、イヒヒヒってHっぽい笑いだから、この笑いは止める事にして、も一度、
「ウフフフ、オホホホ、ワハハハ、・・・」
 エ? 何? バカの高笑いは止めた方がいいって・・・。
 ホント、失礼なんだから・・・。これって、マジ真剣なご機嫌笑いである。
 と、云うのは、なんと我が愛するジャイアンツが優勝!!! 
 そう八家は、先祖伝来の由緒あるジャイアンツファンである。2006年4月15日のコラムで「気分は最高」を書き、同年11月1日のコラムで「気分は最低」を書いた私にとって、屈辱の日々を送っていたのが、今年の秋は、しつっこいようだが、
「ウフフフ、オホホホ、ワハハハ・・・」と、 ざまァ、見やがれ、いい気分。
 だけど、である。我が愛するジャイアンツが優勝した試合のTV中継が、なかったのである。
 こんなバカなことってある? 人生は不可解なことに満ち溢れているけれど、こればかりは、訳が分からない。
 たかが、TVのことで・・・などと考えてはいけない。これって、重大な問題である。何故って云えば、はるか宇宙の彼方のチチンプイプイ星人から「地球に棲息しているヒト科の生物の精神構造って、理解に苦しむ」と、又もやバカにされるに違いないからである。
 ホント、これって宇宙の恥さらしである。なんと、嘆かわしい!!!
 それに、今年から、セリーグでも、上位3チームが勝ち抜き選をやって、勝ったチームが、日本シリーズに出ることが出来るって、これまた、アホなことをやるらしい。エイエイと1年間必死で戦って、やっと優勝したと思っても、そこそこに試合をやったチームが日本一になることも有り得るらしい。
 こんなバカなことってある? ホント、人生は不可解なことに満ち溢れていると分かってはいるけれど、こんなに満ち溢れていては、努力を重ねて積み上げてきた「ちょっぴりハゲ模様」が「すっかりハゲ模様」になるかもしれぬ。
 かくして、不可解なことに満ち溢れたニッポンの野球界は、「実力の世界」から「勝負は時の運」の世界に大きく変貌したらしい。
 だけど、「巨人・大鵬・玉子焼き」時代から、もっとむかし昔その昔の「青バット、赤バット」時代からの・・・・と、言っても、分からないだろうなあ・・・伝統を重んじる生粋のジャイアンツフアンである私は、そんなアホな日本シリーズなんて見る訳がない。
 といっても・・・・ウーン、我が愛するジャイアンツが優勝すれば、
「マ、いいか」

プッツン

 先生と呼ばれている政治家と医師と教師は、むかし昔その昔、その権威は、天に向かってそそり立っていたものである。
 だから、アチラの常識はコチラの非常識、コチラの常識はアチラの非常識となっていても、センセイ方は我々フツーの人と違った世界に住んでいるのだから、
「マ、仕方ないか」と思っていたものである。
 ところが、時は流れ

登校を しぶる息子は 現役教師  ※

と、教師もフツー人化し、医師も
「仁術から算術」となって、これまたフツーの人となり、幸か不幸か同じ世界に住む人となってしまった。
 そして、政治家も
「政治家から政治屋」と職業化してしまったので、フツーの人になったのかと思ったものの、権謀術数に長けた政治屋さんは、
「アチラの常識はコチラの非常識、コチラの常識はアチラの非常識」という領域は死守。依然として別世界に住んでいる。
 ところが、である。今度、天下のソーリが、突如として辞めてしまった。一同
「アゼン」として、
「何故?」と呆気にとられてしまった。
 そこで、マスコミはアアでもないけれどコウでもないと騒いでいたけれど、これって、深い訳がある訳ではない。単に
「プッツン」しただけであろう。プッツンするのに、右顧左眄・遠謀深慮など関係ある訳がない。
「モウ止めた。プッツン」である。 
 だけど、プッツンするのは若者だけと思っていたのが、なんと、天下のソーリのプッツンである。
 私だって、時折、プッツンしたいと思っても、なんたって、痴性と狂養に溢れている・・・ン? これって変換間違い。・・・エーット、知性と教養に溢れている私のことである。プッツンなど出来る訳がない。
 と、思っていたのが大間違い。天下のソーリでさえプッツンするのだから、究極の凡人である私がプッツンして悪い訳がない。
 だから、今後は、夜中にオシッコに3回も行ってアッタマにきたらプッツンし、、映画館で横に座ったカップルがイチャイチャしてアッタマにきたらプッツンし、回転焼きのアンコがいつもより少なかったのでアッタマにきたらプッツンし、写真を写してもらったら、うっすらハゲ模様がすっかりハゲ模様風に写されていたのでアッタマにきたらプッツンし・・・もう、ホント、プッツンするネタがつきることがない。
 エ? 何? 知性と教養に溢れているそう八さんが、そんなどうでもいいことで
「アベしちゃったらおかしい」って・・・。
「やはり、痴性と狂養に溢れているんじゃないの?」って・・・。
 だって、天下のソーリと究極の凡人とは、アッタマにくるレベルが違うのは当然のコンコンキチである。誤解してもらっては困る。冷静に判断してもらわなければならぬ。
 そういう訳で、天下のソーリがプッツンして、フツー人化した思ったら、これまた、大間違い。
 一般的にフツー人は、コレだけの大騒動を引き起こしたら、単に
「ごめんなさい」と謝るだけでなく、
「責任を取って議員を辞めます」と云うのが当たり前である。
 ところが、天下のソーリは、
「ごめんなさい」で終わり。責任は取らないらしい。どうも、プッツンしたからといって、フツー人になった訳ではなく、
「アチラの常識はコチラの非常識、コチラの常識はアチラの非常識」という世界に住んでいるみたいである。
 どうも、アチラの世界はプッツンしても、無責任OKという素敵な世界らしい。
 しかし、なんたって天下のソーリが身をもってお示しあそばされた行動である。見習って悪いはずがない。今後は遠慮なく
「アベする」ことにして、後はシレーットとして
「ごめんなさい」ですませることにしよう。

 ※第一生命が2007年に募集した「私が選ぶサラ川柳100句」に選ばれたスクールカウンセラーさんの川柳

秋は遠く・・・

 朝夕は少し涼しくなったけれど、日中はいまだに30度以上を維持して夏模様。とても秋気分にはなれそうもない。
 どうも、私たちの住む星は壊れかけ始めているらしい。だから、夏はギラギラと太陽が燃え冬はドカドカと雪が降り梅雨にはバシャバシャと雨が降り台風はドカドカと来襲する。
 これって、異常気象という人がいるけれど、それは大間違いのコンコンチキであろう。これは、壊れかけたこの星にあっては、当然の現象である。
 夏はキラキラと太陽が輝き冬はシンシンと雪が降り梅雨はシトシトと雨が降り台風はトキドキ来襲したというのは、古き良き時代の話である。
 はるか宇宙の彼方のチチンプイプイ星人が、
「地球という星に生息するヒト科の生物って、なんたるアホ!!!」と嘆いていたように、これって自業自得だから仕方がないことであろう。
 という訳で、夏と冬が長くなり、春と秋はこみやられてしまったらしく、わが愛する秋はなかなかやってこない。
 夏のようにスッポンポンのささやかな服を着た女性はいなくなるけれど、ピチピチプリンを誇示したセーターを着て、颯爽と街を闊歩する女性は健在だし、ピチピチプリンのスポーツウエアーを来て、テニスコートやグランドを飛び回る女性を見ていると、
「ウーン、秋って素敵!!!」と、なってしまう。
 だけど、なんたって枯葉散る秋でもある。ハラハラと散る枯葉を見てハラハラと涙する人もいるに違いない。
 残念ながら、賞味期限の切れた私にとっては関係のないことだけど、ピチピチプリンの君でも、春に恋して夏に燃え秋に失恋する・・・というドッキリ現象が起こるかもしれないのである。
 ウン、そう考えれば、秋は来ない方がいいかも・・・。

真青なる太陽昇れ秋という季節に君を失う予感  ― 俵 万智 ―