今年の幕切れに・・・

 アレよあれと云うまに無慈悲に時は刻み、アレよあれよと云うまに、勝手に年齢を重ねられ、もう今年もENDマーク。
 私、今年は一日が24時間しかないなんて・・・と思ったほど、超・忙し気分にさせられ、人生の残り時間をムダに消耗してしまったけれど、何もすることがないよりマシと言われて
「マ、いいか」と、仕方なし気分。

 でも、もうすぐクリスマス。
 街には、クリスマスソングがながれて、ライトアップされた建物や、樹々のイルミネーションを見ると、何かいいことありそうな気がして、私、イイ年をしているのに素敵気分。
 でも、今年のクリスマスイブは、土曜日。3連休の真ん中でしょ。
 非公認の彼や彼女がいる人は
 「今夜は残業で遅くなる」という永久不滅の口実が使えず、幸か不幸かホームクリスマスとなるに違いない。
 かってバブル華やかなりし頃のイブは、リンリンと不倫の鈴の音が鳴り響き、ホテルを予約してクリスマスディナーを食べそのまチェックインというのが、イブの正しい暮らし方だったけれど、今や不景気も加わってさま変わり。
 と、云う訳で、今年のイブはカーペンターズの「クリスマスはわが家で」という曲が、テーマ曲になっているようである。
 きっとキリスト様は、喜んでいるに違いない。
 今年の我が愛するニッポン国には、天災・人災がどっと押し寄せて、戦後初めてと言えるほどの悲惨な状況に陥ったけれど、もうこれ以上の不幸な出来事は起きないと思って、来年はチョッピリでもいいから、
 「幸せが感じられますように・・・」と祈るばかりである。
 そして俵万智が詠ったように、東北の地に

 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

 と、云える様な日常が早く戻ってくることを望むばかりである。
 今年一年、この夢旅人と一緒に旅を重ねて頂きありがとうございます。
 来年も、仲良く旅が続けられますように祈って・・・素敵な年をお迎えください。

あゝ初恋

 11月19日の朝日新聞「BE」頁に、『初恋の人と会いたいですか』というアンケートの結果が出ていた。
 3710人に聞いたら、「会いたい」と答えた人が54%、「いいえ」と答えた人が44%、「恋をしたことがない人」が2%だったそうである。
 会いたい理由で主なものは、「今どうしているか気になる」という人が978人、「懐かしい」が910人。会いたくない理由で主なものは、「思い出のまま記憶にとどめたい」が547人、「会って幻滅するのが嫌」と答えた人は414人。
 ウーン、どうも「会いたい派」がリアリスト、「会いたくない派」はロマンティストみたいである。
 あなたは、どちら派? 私は、モチ「会いたい」派。
 初恋時期は、保育園から小学校までが45%もいるけれど、私は、オクテだったから最初の初恋は中学3年生の時、2度目の初恋の時は高校1年生の時、3度目の初恋は2年生と、年代わりに初恋をし、4度目の時は・・・。
 エ? 「初恋は1度きり。それって、移り心。浮気の始まり」って・・・。
 ウーン、それは大いなる誤解である。純粋無垢な私は、「好き!!!」気分になったときは、初めて恋心が芽生えたような気分になるんだから、しょうがない。
 だけど、このアンケートの結果を読んでいたら、女性ってスゴイ!!!
 初恋について「女は上書き保存、男性は名前を付けて保存する」だって・・・。
 ホント、これって至言。女性は、上書きすれば、初恋の君は消えてしまい、あるのは今の彼、過去は過去だそうである。私などは、初恋の君は7人もいるけれど、大事に保存している。
 それで、高校の同窓会に行った時、3度目の初恋の君に会ったので、夢よも一度、アアしてコウしてアアしたいと思い
 「初恋の人に会えてうれしい」と、言ったら
 「アラ、そう八さん、皆にそう云って廻っているんでしょ」と言われてしまった。
 どうも、見透かされてしまっていたようである。 
 初恋は実らないから「初恋」と言うけれど、私などは、実らない初恋を何度も重ね結果、「惚れっぽくて振られっぽい」体質になってしまっようである。
 どうも、初恋なんて何度もするもんじゃないらしい。
 「初恋」と言えば、歌なら村下孝造の「初恋」、詩なら島崎藤村の「初恋」
 村下孝造の「初恋」は5月だけれど、島崎藤村の「初恋」は林檎の実る今。
 二つとも、「初恋大好き人間」の私にとっては、大好きな歌である。

初恋   島崎藤村

まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えとしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたヘしは
薄紅の秋の実に
人こい初めしはじめなり
わがこころなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
林檎畑の樹の下で
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

 でも、これって、明治時代の初恋。「ためいきが彼女の髪の毛にかゝる」位の「胸ドキ付初恋時代」だけれど、今や「下心付初恋時代」だから、ファーストキスも当たり前。
 でも、ファーストキスってご用心。アメリカのジョークに

 ロウ・ティーンの娘が母親に聞いた。
 「ファーストキスって、危険なものなの?」
 母親はだらしない姿勢でテレビを観ている夫の方をちらっと見て、声をひそめた。
 「そうよ、それがもとで、私はお父さんと結婚したんだもの」

 何? 同感だって・・・。それはないでしょ。

政治屋さん?

 いやはや、我がニッポン国のオエライさん達は、「TPP」で大騒ぎ!!!
 賢明なるオエライさん達は、
 「わが国は、原材料を輸入して輸出するという貿易立国でアル」ということは、モチ承知しているのである。
 だから、いまさら、貿易鎖国など出来る訳がないと考えているけれど、なんたって我がニッポン国は「建前と本音」の国。
 今や、生活保護世帯数が過去最高を示して、1億総ビンボー化しつつあるのだから、
 「高級なお米は食べられないから、安いお米でも食べられたら幸せ・・・」と、思っているフツーの人も沢山いると思うけれど、こうゆう「声なき声」の本音は、あまりマスコミには登場してこない。
 かくして、オエライさん達は、選挙で応援してくれた団体の意向に従わないと、選挙で「タダの人」に逆戻りしてしまうという恐怖心から、本音的にはOKだけれど、建前的にはNOと言わざるを得ないのであろう。
 だけど、我がニッポン国のソーリ大臣たるものは、NOと言ったら「TPP」のオエライさん達から
 「アホか」と、言われると思っているので、OKと言うに決まっているのである。
 それで、賢明なるオエライさん達は、応援団体に対して、
 「私はNOと声を大にして云ったのに・・・。みんなソーリが悪いんだ」と、ソーリを悪者に仕立て上げ、顔で怒って心でヤレヤレというストーリが出来ているのである。ホント、オエライさん達って、賢明!!!
 だけど、敵味方なく全てのオエライさん達は、ぺりー艦隊の黒船来航以来の国難と考え、マイナス効果を言い立てるのではなく、OKを前提にして苦心惨憺、全知全能を傾け虚心坦懐にして一心不乱に侃侃諤諤と七転八倒しながら、その対策を考えるのが政治家さんのアルべき仕事だと思うんだけどなァ。
 どうも、選挙で当選するのが目的の政治屋さんになってしまったのかしらん?

ステキに化けて・・・

 早川書房が発行している「ハヤカワ・ミステリ・マガジン」の7月号の表紙を見てビックリ!!!
 なんと、「ゲゲゲのミステリ」と副題が付けられ、ゲゲゲの鬼太郎が描かれているではないか・・・。
 私は「ハヤカワ・ミステリ・マガジン」の前身の「エラリクイーンズ・ミステリ・マガジン」からの愛読者で、エンエン約50年間も愛読者をしている。
 もともと、同誌は、海外のミステリ専門誌で、ハイクオリティ・マガジンと信じていたけれど、数年前から路線変更して・・・エート、海外ミステリでは売れないので、と思うよ・・・日本の作家の作品も載るようになり、表紙絵も長年親しんできた浅井慎平さんから一変。だから
 「エ?・・・」と思っていたのだけれど、まさか鬼太郎とは・・・。
 私の好きなアニメは、今や古典的となっている鉄腕アトム・宇宙戦艦ヤマト、それにガンダム位である。
 もともと、映画もホラー映画はホラ映画と思っているから見に行かないけれど、その延長線上にある、妖怪とかお化けとかも好みでない。
 だから、1970年代にテレビで鬼太郎のアニメが放映されていたころ、我が家の子供たちは一生懸命に見ていたけれど、私はチラチラ見るだけで、
 「何が面白いの?」
 どうも、それは私の独断と偏見に満ちた思想らしく、「ハヤカワ・ミステリ・マガジン」には
 「水木しげるの幻妖世界と海外ミステリの幻想世界の接点は?」というテーマで、作品の紹介と共に、面白さいっぱい・不思議さいっぱい・妖怪さいっぱい・・・のエッセイや評論が載っていた。
 「フーン、そうなんだ」と、まあ、なんとなく納得したものの、「遅寝遅起き」をモトーにしているから、TVの「ゲゲゲの女房」も見たことがない。ゲゲゲの世界は別世界と思っていたのである。
 ところが、高校時代の同級生と毎年実行している青春旅行・・・老春旅行ではない・・・の行先は、なんと
 「境港・ゲゲゲを訪ねて」
 私が卒業した高校は、福岡県行橋市にある「京都高校」。キョウト高校ではない。ミヤコ高校と言う。
 1917年に創立した由緒ある高校だけれど、元は女学校。私が入学したのは熊本市にある男子髙の熊本高校だけれど、1年生の時に転校したのである。
 男子校から女子高へ。華麗なる転身を図って、さぞかしモテるだろうと、胸を弾ませて行ったところ、なんと別名「養子学校」
 女性が、肩を聳えかせて、廊下を闊歩しているではないか。
 以来、私は女性に頭が上がらない。
 そんな訳で、女性11名・男性8名のやっぱり女性上位のメンバーによる青春旅行だったけれど、境港市の「水木しげるロード」を歩くと、たった800mの道の両側に妖怪プロンズ像が139体。日本各地の妖怪が集合していたのにはビックリ!!!
 それが、オドロオドロしい妖怪はいなくって、チョッピリ可愛いくってユニーク。そして妖怪のプロンズ像の横にその妖怪の内容と効能が書かれてあって

画像は「妖怪ガイドブック」より
画像は「妖怪ガイドブック」より
 「さざえ鬼ー出現地/紀伊」・・・30年以上も生き延びた「さざえ」が妖怪になったもの。ふだんはおとなしく海中深くひそんでいるが、時々美しい女性に化ける。そしてその気になった男たちの睾丸を取ってしまう。効能はモテるようになる」

 ハッハッハッ!!! 笑っちゃた。なんと楽しいコメント。いくらモテても、おチンチンを取られてしまちゃあ・・・なんて、考えてはいけない。
 この調子で、突拍子もないプロンズ像に、突拍子もない説明がしてある。私は、すっかり妖怪たちのファンになってしまった。
 だから、139体の妖怪たちの頭を飽きもせず、撫ぜ撫ぜ廻った次第である。どうやら、皆、思いは同じらしく、妖怪達の頭はピカピカ。
 水木しげるさんもスゴイけれど、ユーモアのセンス溢れる堺港のみなさんもスゴイ、ユニークな妖怪像を作ったアーテイストもスゴイ!!!
 コワい妖怪が、ステキな妖怪に化けちゃった。
 我がニッポン国も捨てたもんじゃないんですネ。

男はタフで・・・

 秋。芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋。ウーン、これって月並み。
 エート、女心と秋の空の秋、天髙く女肥える・・・ン? 訂正、馬肥える秋、隣はなにをする人ぞの秋、薄野の秋、一日千秋の思いの秋、焼き芋の香り漂う秋、物言えば唇さむしの秋、枯葉散る秋、秋刀魚の秋、一葉落ちて天下の秋を知る秋、失恋の秋、秋茄子は嫁に食わすなの秋、ウエディングの秋。紅葉狩りの秋、柿食えば鐘が鳴るなりの秋・・・。
 ウン、秋は何でも似合う。そこで映画の秋。
 と、云う訳で、見る映画がいっぱい。
 もう見た映画は「世界侵略:ロスアンゼルス決戦」でしょ、「スリーデイズ」でしょ、「ワイルドスピード MEGA MAX」でしょ、「猿の惑星 創世記」でしょ、今から見に行く予定の映画は「ミッション:8ミニッツ」でしょ、「カウボーイ&エイリアン」でしょ、「キャプテンアメリカ」でしょ、「ブリッツ」でしょ。
 私は、我が主人公が撃って撃って撃ちまくり、テキはバタバタ倒れるけれど、何故かテキの弾は当たらないというスカッと爽やかドンパチ映画専科だけれど、邦画は今はなきゴジラ映画と吉永小百合さんの映画とガンダム映画以外は見たことがない。
 ところが、先日見に行った映画は、「探偵はBARにいる」。
 邦画だけれど、お洒落なタイトルのついたハードボイルド映画である。
 私は、もともと、外国のミステリイで、それもハードボイルド大好き人間である。大体、ハドーボイルドの小説はお洒落な題名がついているのが多く、私はお洒落なタイトルに弱くって、見境もなく買うというステキな悪癖がある。
 それで、この映画、タイトルがお洒落でしょ。それにハードボイルドと聞くと、邦画は見ない主義だけれど、
 「マ、行くか」となってしまう。
 ウン、我がニッポン国は平和だから、ドンパチ撃ちあうシーンなんてなかったけれど、ハードボイルドの定義をふんでいてステキな映画になっていました。
 我が国の風土は、ハードボイルド映画に馴染まないけれど、この映画を見て、捨てたもんじゃないって感心!!!
 それに、冬の札幌も素敵に撮影されていたし、舞台となったススキノのBAR「ケラーオオハラ」も、乗っていたポンコツの車もお洒落。、
 ハードボイルドの大御所レイモンド・チャンドラーのミステリー「プレイバック」の中で、私立探偵のフイリップ・マーロウが
 「男はタフでなければ生きてはいけない。しかし、優しくなかったら生きている資格がない」というキザな台詞を吐くけれど、私立探偵の大泉洋もフイリップ・マーロウのように、恰好よくコミカルに大活躍。
 大体、私もフィリップ・マローの台詞を心に刻んで
 「かくありたい」と思って生きてきているんだけれど・・・。
 「ウソ。荘八さんがタフなんて信じられない」って。
 ウン、そう思われるのももっともである。
 私が小学校時代に、体操の時間に鉄棒の懸垂をさせられたことがある。自慢じゃないけれど、ただの1回も懸垂で上がることが出来なかったのから分かるように、腕っぷしのナイことにかけては、誰にもヒケを取らない。
 そんな訳で、私は「体がタフ」を「心がタフ」と読み替えて活躍しているつもりだけれど、フイリップ・マーロウが、
 「男はタフでなければ生きてはいけない。しかし、優しくなかったら生きている資格がない」と呟くと、女性はメロメロになるのに、私はお呼びでない。自分がメロメロになっているのに、相手はメロメロにならないのは、何故?
 「そりゃ、ムリムリ。心がタフなんて魅力なし。やっぱり、体がタフでなくちゃ」
 フーン、そうなんだ。だから、惚れっぽくって振られッぽいのかなァ。