7月23日のNHK衛星放送の「あなたの街で夢コンサート」に、私の大好きな渡邊美里が出演。「夏が来た!」を歌った。 これって、私の夏歌1番。
だから、昔むかしのそのまた昔だったら、この歌の最後のフレーズ
「本当の夏が来た 生きているまぶしさ・・・」を聴くと
「ウーン、夏だ!」と、まぶしく夏は輝いていたけれど、今や
「本当の夏が来た 生きているまぶしさ」どころか、
「本当の夏が来た 耐えかねるまぶしさ」と、暑さタエダエ感に満ちあふれて、もう身も心もヨレヨレ。
『心頭滅却すれば火もまた涼し』と諺に云うけれど、平々凡々人の私などは、いくら
「暑くない、暑くない」と唱えたって、「暑い!!!」どころか「熱い!!!」のである。
それでも、美里の「夏が来た!」を聴くと「今の夏」ではなくって、「夏をまぶしく感じていた頃」がよみがえり、ちょっぴりイイ気分に浸ることが出来て、やはり
「ウン、美里の歌は素敵」
TVの音楽番組では、歌詞が字幕で出ることが多いけれど、彼女の声は字幕がなくても歌詞が聞き取れる稀有な歌手の一人であると思っているし、それにもまして彼女の声の色も・・・エーット、モチ顔もすこぶる大好きである。。
彼女のデビュー曲「My Revolution」を聴いて、すっかりファンになった私は、1989年の夏に彼女が主演した映画『misato in eZ the Flower bed』を、渋谷のパルコ劇場に見に行ったことがある。
前評判が高い映画だったので、上映時間の45分前に行ったのだけれど、それが凄い!!!
若い人たちがパルコ劇場の9階の入口の階段から2階の階段までズラズラーと並んでいて、私が並んだのは1階の入り口。
私は、身なりこそジーパンにTシャツだったけれど、私、下駄履き(若い頃から、夏はどこに行くにも下駄履きが定番)でしょ、顔を見たらオジサン化した男性でしょ、それに見るのが美里の映画でしょ。場違い感に溢れているものだから、並んで待っている若い人が
「なんで?」と、ジロジロジロリと顰蹙の眼差し。
でも、それにもメゲズに見ました!!!
美里はすっごく可愛くて最高!!!だったけれど、ニューヨークのロフト風のアパートの部屋で1960年代のインテリヤが、私の好みにぴったり。センスの良さに、ホレボレと惚れ直した次第である。
と、言うものの、それって、昔むかしのそのまた昔のはなしである。
「本当の夏が来た 耐えかねるまぶしさ」に成り果てた私は、寺山修司が詠んだ短歌に同感し、フテ寝するだけである。
わが夏を あこがれのみが かけされり 麦藁帽子かぶりて眠る