心返しのチョコ 貰いましたか

 私の好きな詩人、茨木のり子さんが2月19日亡くなった。79歳だった。
 彼女の代表的な詩「自分の感受性くらい」は

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

という言葉で終わっているが、私はこの詩を読んだとき、さびついた心をドカーンと殴られたような気がしたものである。でも、時すでに遅し。私の心のさびはパラパラとしか落ちず「反省だけなら猿でも出来る」で終わってしまった。
 詩人、大岡信は彼女の訃報を聞いて
「日本の女性詩人で一番スケールが大きく、姿勢がすっきりと立った詩を書いた人だった」と話したとおり、りんとして感性がはじけるような詩が多いけれど、やさしく愛を伝える詩も書いている。

 ところで、昨日は全国的に満月でホワイトデイ。本命チョコのお返しで、倍返しのチョコ・・・・・いや、心返しのチョコをもらいましたか。
 そんな「ヤッタァ!!!」と、幸せいっぱいのあなたに、彼女の詩をどうぞ・・・・。

私のカメラ

眼
それはレンズ
まばたき
それは わたしの シャッター
髪でかこまれた
小さな 小さな 暗室もあって
だから わたし
カメラなんかぶらさげない
ごぞんじ? わたしのなかに
あなたのフィルムが沢山しまってあるのを
木漏れ陽のしたで笑うあなた
波を切る栗色の眩しいからだ
煙草に火をつける 子供のように眠る
蘭の花のように匂う 森ではライオンになったっけ
世界にたったひとつ だあれも知らない
わたしのフィルム・ライブラリイ

―――1965年刊行 詩集「鎮魂歌」より―――

そこで 又もや コマーシャル

 1月は行く、2月は逃げる、3月は去ると言うけれど、アレヨあれよと時は駆け抜けてもう3月。
 私にとって3月はタイヘン忙しい時期である。まずなんたって花粉症。「目ン玉を穿りだす心意気」で目を掻かなきゃならないし、12月でもないのに「赤鼻のトナカイ」になるまでティシュを大量に消費して鼻をかまなければならないし、「ハスキイボイス×ハスキイボイス」になるくらいセキ&クシャミをしなきゃならぬ。
 おまけに、下心付のホワイトチョコも選ばなきゃいけないし、ビンボー人から税金を取ることはなかろうと、なけなしの金を取り戻すべく確定申告もしなければならないし、年度末なのでアレやこれや余計な仕事もしなけりゃならぬうえに、弾丸飛び交うドンパチ映画「アサルト13」や「ダイヤモンドィンパラダイス」を見てスカッと爽やかにならなければならないし、洋画専科なのにミイハーなので話題作の邦画「THE 有頂天ホテル」も見なきゃならないし、2ヶ月分も読まずにほったらかしにしてある月刊誌「ミステリマガジン」も少しは読まなきゃならないし、ホント忙しい。
 それにである。わが合唱団「北九州を歌う会」の毎年恒例の演奏会があるので、チケットも売らねばならぬ。
 この世の最高の贅沢は、ウン10万円也のオペラのチケットを買って、演奏会でグウグウ寝ることと言った人がいるが、わが合唱団の演奏会のチケットは、なんと格安で金2000円也。
「ウーン、最高の贅沢は味わえなくっても、2000円見当のささやかな贅沢が味わえたらいいさ」と、昨年、義理と人情にほだされてチケットを買ってくれたクラッシク音痴の友人がいたけれど、終わって
「ホント凄い、オーケストラだけでも音がデカイのに、何百人の歌がガンガン、おまけに祇園太鼓がドンドン。ありゃ、やかましっくって眠むるどころじゃなかった」と文句を言われた。
 でも、居眠りできずに最後まで聴いて
「クラッシクのコンサート、初めてだったけど、港の歌のところでは何故か目がウルウルした」と、うれしいお言葉。
 ウン、そうだ、今年も、あいつにチケットの押し売りをしよう。
 という訳で、そこで又もやコマーシャル。クラシック音痴の人でも感動するコンサートにどうぞ。演奏会の詳細は主催者(財)北九州市芸術文化振興財団のホームページ(http://www.kicpac.org/)をご覧あれ。なお、チケットの申し込みは私のメールまで。

合唱組曲「北九州演奏会」

  日 時    3月12日(日) 開演15時
  場 所    九州厚生年金会館(ウェルシティ小倉)
  入場料    2000円

プログラム
第1部 「森野由み アリアを歌う」
  歌劇「ラ・ボエーム」よりムゼッタのワルツ(プッチーニ) 
  歌劇「ジャンニ・スキッチ」より私のいとしいお父様
     (プッチーニ)  
  歌劇「こうもり」よりチャールダッシュ 故郷の調べほか
     (J.シュトラウス)

      指  揮  増井信貴
      ソプラノ  森野由み
      演  奏  九州交響楽団
第2部  合唱組曲「北九州」
           作詞/栗原 一登   作曲/團 伊玖磨
      指   揮  増井信貴
      演   奏  九州交響楽団
      合   唱  北九州を歌う会
      児童合唱  市内少年少女合唱団
      祇園太鼓  小倉祇園太鼓保存振興会

なんたって バレンタイン

 2月12日の朝日新聞の日曜版beに日本男性は、世界的に見て「惚れやすい」性格だという調査結果が出ていた。
 恋愛小説を出版しているハーレクインが、世界22カ国の男女を対象に一目惚れについて調べたそうである。一目惚れの経験があると答えた日本の男性は68%。世界平均は54%で、1位は中国の73%、2位はメキシコで72%、3位がイタリヤと並んで日本だそうである。ちなみに最下位はアメリカで27%。 
 日本は68%と聞いて、惚れっぽくって振られっぽい私は、自分だけじゃないんだと、まずは一安心。
 私は、街角で歩いてくるすこぶる付きの美人を見ると、私の頭の中の恋ピューターがたちまち作動。彼女とああしてこうしてああなってと、瞬時に心はバラ色ピンク色。ヤッターと思ってすれ違った途端、振り返えって見ると、彼女も振り返って「ニッコリ」ーーなんてことはないんですな。
 スタスタと後姿を見せて歩き去り「ハイ、それまでよ」
 人生は短く、美人は多い。私の恋ピューターはフル回転で、忙しい限りである。
 ところで、日本男性が惚れっぽいのは「不釣合いな相手を、恋の相手と錯覚する自己認識の甘いタイプが多いから」ということらしい。
 フーン、だ。私、背は高からず高からず、メガネ付きで、おまけに髪の毛うっすらハゲ模様だもんね。これじゃ、彼女が振り返らないのも当たり前っていう訳? でも、数打ちゃ当たるって言うでしょ。回数では、他の誰よりもヒケを取らない自信があるから、コリずに頑張ろう。
 ところで、日本女性の一目惚れ経験者は48%で男性より低い。もし、バレンタインが、男性がプレゼントする方だったら、タイヘン。惚れっぽい男性が、下心をなびかせながら鼻の下をナガーーークしてチョコ売り場に押し寄せ、大混乱を引き起こしたに違いない。
 さて、昨日はバレンタイン。あなたの想い、届きましたか。
『餌はチョコ 社内の海に 竿を垂れ』とか
『チョコ選び 愛・義理・投資と 分別す』という余裕の女性もいるでしょうけど
『賞味期限 私のチョコも 崖っぷち』の人にとっては
『今年こそ ハート射止める 刺客チョコ』と勝負。そして、めでたく
『100人の チョコより彼女の チョコ一つ』と、ハッピイバレンタインになったらいいですね。でも、
『ハート型 作ってちょっと おじけづく』ような女性が 
『義理チョコと 好きな彼氏に 言うつらさ』となってしまっても
『義理チョコが 忘れられない 人となり』となることもあるのでしょうから、メゲずにがんばりましょう。
 でも、男性にとってもドキドキなんです。
『想定の 範囲を越えて 欲しいチョコ』なんだけど
『残業の 疲れを癒す チョコの箱』ですし
『この年で 義理でも幸せ チョコがくる』なんですから
『安いチョコ 義理でそのうえ 連名で』でもいいから、プレゼントしましょうね。
 だけど、私のようにたそがれ時の人間にとっては
『義理チョコの 数と髪の毛 またも減り』なんですね。
 ウーン なみだ涙のバレンタインなのです!!!

 上記の川柳はメリーチョコレートカムパニーが募集した「第9回バレンタインどきどき、ワクワク川柳傑作選」より引用した。作者は、選んだ川柳の上から順に
女性/30歳/会社員/金沢市:女性/72歳/主婦/横浜市:女性/66歳/主婦/甲府市:男性/52歳/会社員/板橋区:女性/21歳/アルバイト/大船渡市:女性/20歳/学生/熊本市;男性/57歳/会社員/横浜市;女性/31歳/エステ/柳井市:男性/45歳/会社員/横浜市:男性/44歳/会社員/名古屋市:男性/72歳/無職/村上市:女性/53歳/主婦/名古屋市:男性/49歳/会社員/八街市

怒り狂って――

 ホント、もうびっくり!!!
 私は、聴きに行ったコンサートや見に行った映画、読んだ本など手帳に書きこむことにしている。それで、昨年どんな映画を見たのだろうと頁を捲っていたら、3月5日に映画「ボーン・スプレマシー」とある。
 ン? どんな映画だった? 覚えていない!!!
 それで、あせって、昨年見た洋画をチェックしてみると、次の通り全部で21本。ところが、まったく覚えていない映画がゴロゴロいっぱい。 
 「マイ・ボディガード」「ターミナル」「オーシャンズ12」「ボーン・スプレマシー」「ナショナル・トレジャー」「Ray/レイ」「ハイド・アンド・シーク」「ザ・インタープリンター」「ミリオンダラー・ベイビイ」「ビヨンドtheシー」「ホステージ」「スター・ウオーズ エピソード3」「アイランド」「シン・シテイ」「ステルス」「エンパイヤ・オブ・ウルフ」「Mr&Mrsスミス」「キング・コング」
 ね、これってみんなカタカナ語の洋画のタイトル。これに比べて、日本語のタイトルの映画で見たのは「オペラ座の怪人」と「五線譜のラブレター」それに「宇宙戦争」の3本だけ。
 そりゃ、まあ、私の記憶力の賞味期限は切れているけれど、せめて映画のタイトルが日本語で、例えば「愛と青春の旅たち」とか「氷の微笑」とか「羊たちの沈黙」とかつけられていれば、どういう映画だったか思い出すことができる。
 まあ「マイ・ボディーガード」や「ターミナル」など、日本語化したカタカナ語のタイトルがついた映画は、なんとか思い出すことが出来るけれど、「ボーン・スプレマシー」か「ナショナル・トレジャー」て何だ!!!
 それが何? フンだ! ここはアメリカの51番目の州ではないのだから、日本語を使え!!!
 かくして、私が映画のストーリイを覚えていないのはカタカナ語のせいである、ということが判明して、ホント、一安心したもののーーーン? 何? お前は「うっすらアホ化症候群」にかかっていたんじゃないのか、って。ーーとんでもない、それとこれとは別問題である。
 だって、我がニッポンのソーリ大臣もホリエモンの選挙応援問題で「それとこれとは別問題」と答えているでしょ。それと同じである。ホント、わが国のソーリ大臣は頭がいい。ウン、これからは「困った時は別問題」で片付けることにしよう。なんと素敵なフレーズ。
 ところで、我が家には「20世紀シネマ館」全60巻という映画の写真集がある。そこで、カタカナ語に怒り狂った私は、この写真集でカタカナ語の占める割合を調べてみることにした。すると、もうビックリ。
  1025年~1980年ーー紹介されている映画245本中カタカナ語は46本(カタカナ語率11%)
  1981年~1990年ーー紹介されている映画 50本中カタカナ語は27本(カタカナ語率54%)
  1991年~2000年ーー紹介されている映画 50本中カタカナ語は38本(カタカナ語率76%)
 昨年、私の見た映画だけで言えば、カタカナ語率86%。
 それに、映画評論家の双葉十三郎が約9000本の映画の中から選んだ20世紀の究極の映画100本というのを見ても、カタカナ語は100本の内、たった13本だけで、後の98本は、分かり易いニホン語のタイトル。
 その13本のカタカナ語のタイトルは「シェーン」とか「アマデウス」とか「モロッコ」というように、名前や固有名詞をタイトルにしているのが多いので、見ただだけで内容が分かる。
 この21世紀に入ってのカタカナ語タイトルの氾濫は、字幕翻訳者がルーズなのか、宣伝マンがヤル気ないのか知らないけれど、昔は、タイトルを見ただけで行きたくなるような映画がいっぱいあったのである。
 ちなみに、私の好きなタイトルベスト10は「理由なき反抗」「死刑台のエレベーター」「愛と喝采の日々」「明日に向かって撃て!」「悲しみよこんにちは」「俺たちに明日はない」「太陽はひとりぼっち」「誰が為に鐘は鳴る」「愛と青春の旅だち」「ティファニ-で朝食を」
 ね、すごくお洒落なタイトルでしょ。こんなタイトルだと、ウン10年前に見た映画でも、思い出すことが出来る。ああ、それなのにーーである。私は怒り狂っている。

心 輝かせて

 お正月が終わった。今年のお正月は3日で終わり。最短のお正月休みとなった。
 1月1日は、我がニッポン国は、その名のとおり全国版で日本晴れ。素敵な幕開けと思ったけれど、後がイケナイ。ブルブルの寒さを通り越してギンギンの冷たさ。
 でも、雪国に住む人たちのことを思えば、心が痛む。
 地球は温暖化と聞いていたので、暖かい冬かと思っていたのに、とんでもハップン。温暖化とは、夏は暑く冬は寒く雨は強く風は強く台風は大きくと、とにかく季節がスケールアップすることだという。おまけに巨大な夏と冬に押されて、おとなしい春と秋が短くなるらしい。
 私は、規則正しく、春に強い代わりに夏に弱く、秋に強い代わりに冬に弱くと、季節をかわりばんこに愛してきたのに、なんたる悲劇。

 ところで、お正月といえば初詣。私は毎年、地元の篠崎神社に蒲生神社、妙見神社に初詣に行く。すべて霊験あらたかな由緒ある神社であるーーということになっている。神様が言うことだから、間違いないであろう。
 そして、そこでお願いをする。無論、アアしてコウしてアアなって、まずは目出度しめでたしとなりますように、と願う。
 それから、おみくじをひく。なんと、今年は大吉!!! 願い事は、すべて叶うというわけである。なんとスゲー。
 となると、今年は、一見吉永小百合風美人又はよくよく見れば田中裕子風美人それともチラッと見れば大原玲子風美人ーー以下エンエンと続くが紙面の都合により省略ーーと、アアしてコウしてアアなって、まずは目出度しめでたしということになるに違いない、ウヒヒヒヒーー、なんてことは、コレッポッチも考えたことはない。ホントである。これは、本人が言うことだから、間違いない。
 どこかの誰かが、男というものは
 「最初のキッスは魔力がある。二度目はずっとしたくなる。三度目はもう感激がない。それからは女の服を脱がせるだけだ」と言っていたけれど、私は人畜無害ということになっているから、私に限ってそんなことはあり得ない。ホントである。これは、本人が言うことだから、間違いない。
 しかしである。私の願いをここで公表するわけにはいかない。なんたって個人情報保護法に抵触しますからね。ヤレヤレ。

 そして、お正月が終わると成人の日。言いたくはないけれど、私の成人は、なんと47年前。当時、私は故郷を離れて東京で学生をしていたけれど、立派な大人になったからには、これを機に、それまで吸っていたタバコを止めることにした。そして
「禁煙」と下宿の壁にレイレイしく大書したものである。
 タバコを止めるのは大変と聞いていたが ところがこれが簡単に出来たのである。それで、禁煙なんかいつでも出来ると自信を持ち、以来、タバコを吸っては
「第2次禁煙」「第3次禁煙」「続禁煙」「続続禁煙」を果敢に実行。
 それからは、禁煙のネタもつきたので、「停煙」「止煙」「無煙」「ストップ煙」「嫌煙」「捨煙」「ダメ煙」「制煙」とレイレイしくその都度、壁に貼って実行していたところ、友人がそれを見ていわく
「それって、意思が弱いってことを宣伝してるみたいだぞ」と言う。
 ウーン、ひにくれた見方をする奴だと
「何度も禁煙出来るってことを証明してるんだ。エライと思え」と立腹したものの、私は友情を大切にする男なので、忠告をきくことにした。そして以来、灰皿に
「本日の禁煙はこれまで」と書いて、壁に大書することは止めることにしたのである。

 私の20歳は禁煙で始まったけれど、今年、成人を迎えたあなたのスタートは何ですか。
 すべてが可能性に満ちているあなた、なんでも目の前に広がっているあなた、人生なんて説明のつかないことが多いけれど、楽な生き方には感動がないということを、そして、今、生きづいていることを疎かにしないで、心、輝かせて大人への一歩を踏み出してください。