ニッポン全国猛暑日真っ盛り。
わが街北九州市の今日の気温は34度。とっても暑い!!!
でも、気温40度に近いアツアツの所に住む人のことを考えたら「とっても暑い」などと云ってはならないのであろう。「ほどほどに暑い」と云わねばならぬ。
もともと地球に生息するヒト科の生物は、地球上の他の生物や植物を痛みつけ、自然が壊れつつあるのを知りながら、温暖化をほったらかしてきたのだから、身から出た錆である。暑いなどと文句を言ってはならない。
「25度以上は夏日、30度以上は真夏日、35度以上は猛暑日」と云っているが、猛暑日なる用語を定めたのは2007年、今から16年前のことである。
すでに世界では45度以上の国が続出し、50度になることも予想されているのだから、この16年前の定義はもはや役に立たず、毎日が35度以上となった今「35度以上は夏日、40度以上は真夏日、45度以上は猛暑日、50度以上は酷暑日」と改めるべきである。
冬は厚着をして外出すれば寒さを凌げるが、夏は裸で外出する訳にはいかず・・・エート、ミステリィ作家のロス・H・スペンサーが「俺に恋した女スパイ」で書いたように
おれはいった。それはぜんぜんなにも着てないのと、ほとんどなにも着てないのと中間ぐらいだな
と、までもいかなくても、若いピチピチプリンの女性が、一見ビーチ風スタイルで街を闊歩しているのを見ると、心ときめいて、
「ウン、夏大好き」となるに違いない。
私、とってもすっごく年寄り。年寄りは熱中症になったらたちまちバタンキューとなるから、不要不急の外出は控えろとのお達しなので、一見ビーチ風スタイルの女性に出会う機会などありゃしない。フンだ。
だから、外出などしなくても、せめて俵万智の句のように、
暑く熱くなりそうな朝 朝霞の粒子の中に あなたを想う
てな人がおればいいが、とってもすっごく年寄りで枯れはてた私にとっては夢のまた夢である。
わが街北九州市では「まちなか避暑地」なる制度を作り、450の商店街やデパート、公共施設などが「まちなか避暑地」となった。
一見ビーチ風スタイルを求めての外出は不要不急になるかもしれぬが、映画館は「まちなか避暑地」に定められているので、映画を見に行くのはいいだろうとヘ理屈をつけ、映画「君たちはどう生きるか」を見に行くことにした。
私が原則として見るのは「ドンパチ映画」。ドンドンパチパチ弾丸が飛び交い敵はバタバタ倒れるが、わがヒーローには何故か弾丸は当たらないという「スカットと爽やかドンパチ映画」である。しかし、原則がはこびれば息が詰まるので、例外があるのが世の常である・・・てな訳で、世間の話題になる映画は見に行くことにしている。
映画「君たちはどう生きるか」は宮崎駿監督、事前の宣伝なし予告編なしと、公開まで一切の情報がなかったのである。
それでも、期待に胸を膨らませた宮崎ファンが、公開と同時に映画館に押し寄せたのは当然としても、映画館を出てきたら、皆さん一同に「ン?」。キョトンとしたらしい。
映画の下馬評は「チンプンカン」が多いようだが、どうも今迄の宮崎駿の映画とはまるで肌合いの違う映画になっているようである。
私、宮崎駿の映画は全部見ているが、若い人が「ン?」なら、いい加減とっても年寄りで感性の衰えた私が見たら「ンーーーーン???」になるに違いないけれど、まあ「チンプンカン」の正体をみたいと思って見に行くことにした次第である。
映画のタイトル「君たちはどう生きるか」は、吉永源三郎の児童文学の本から取ったということだったが、映画のストーリーとタイトルは関係ないということである。でも、宮崎駿がどうしてこの脈絡のないタイトルをつけたのか知りたくて映画を見たが、まったく「・・・???」
ストーリィは先の大戦の末期、母親を空襲で亡くした15歳の少年が郊外に疎開したところ迄は普通の展開。それからは、ストーリーはハチャメチャに吹っ飛んでアレヤコレヤにコレヤアレヤと・・・まあ最後は無事にTHE END.。
まあこの映画、画面も奇麗だし色彩も鮮やかだし、ストーリーはそっちのけにして宮崎駿ワールドを楽しめばいいのである・・・と、「チンプンカン」の正体なんて、暑いではなく熱いのだから、どうでもいい話とすることにした。