昔から「無理が通れば道理が引っ込む」ということわざがあるけれど、どうもわがニッポン国では「無理が通れば道理となる」という新しいことわざが出来たらしい。
と、云うのは「森友・加計問題」にしろ「桜をみる会」にしろ、私のような平凡人感覚から言えば
「エッ?」と思うけれど、エライ方たちはどうもアタマの出来が違うみたいで
「あれはおかしいことではありません」となって、あたり前のこととなってしまった。
以来「無理が通れば道理となる」が大手を振ってまかり通ることなったみたいである。
かくして、今度「検察総長の定年延長を内閣が伸ばすことができる」という法律が出来るらしい。私のようなサラリーマンのはしくれは、定年延長が出来るとなれば、上司にせっせと忖度に励むことにするが、
どうも「公明正大な検察のエライ人が忖度などする訳ないし、ソーリは賢明だから忖度されても無視して、延長など指示することはありません」ということになっているみたいである。
どうせ「やらない」と公言するのであれば、「内閣が延長できる」という特例を削ればいいと思うけれど、削らないことをみると、ヤッパ、やりたいと思っているに違いない・・・と、思うのはゲスの勘繰り言われるだろうから、云わないことにする。
この法律が通れば「無理が通れば道理になる」の実例として「モリ・カケ・サクラ・ケンサツカン」が、ことわざ辞書に登場すことになるに違いない。
ウーン、わがニッポン国って不思議な国なんですねェ。と、嘆いていないで、とにもかくのも生きているんですら、ビールでも飲んでウサを晴らしましょう。
不思議 谷川 俊太郎
海ゆかば 高波 くらげ コレラ菌
山ゆかば 落石 転落 人食い熊
道ゆけば ひき逃げ 衝突 ひったくり
うちにいれば 強盗 税務署 無理心中
どこにいたって 地震 台風 火山の爆発
でなきゃ 革命 内乱 ジェット事故
精神病者が野放しなら
核実験も野放しだ
それなのに ああそれなのに
何たる不思議 何たる奇跡
ぼくはぴんぴん生きている
37度の炎天下
汗とビールをバランスさせて
※ 掲載の詩は「落首99 その他の落首」から。