北九州市立文学館から、第26回特別企画展「まど・みちおの宇宙」の開会式の案内状が届いた。
「まど・ みちを」を知っている人も居るだろうけれど、私なんか知識薄弱だから「エ?、誰?」である。ところが、これが大間違い。「まど・みちを」は、超有名人だったのである。
展覧会の会場の入口に「まど・みちおの宇宙展」のポスターが貼ってあって、そこに
「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね そうよ かあさんも ながいのよ」という歌詞が書いてある。そう、ぞうさんの歌は誰でも知っている超有名童謡で、その作詞をしたのが「まど・みちお」だったのである。それに、なんと作曲をしたのが團伊玖磨。
團伊玖磨は、私の所属している合唱団「北九州をうたう会」が歌っている合唱組曲「北九州」を作曲した人である。だから「ぞうさん」の歌は知っていたけれど、私、知識薄弱でしょ。だから作詞者までは知らなかったのである。なんという不覚。言うなれば、團伊玖磨を通じて「まど・みちお」とは、フカーイ関係があったのである。
私、たちまちにして「まど・みちお」は、とっくの昔から知っている人に変身。これからは「まど・みちおさん」と呼ぶことにしよう。
開会式では、司会者として北九州市市民文化スポーツ局長の久保山雅彦さんと、北九州市立文学館長の今川英子先生が挨拶をされた。久保山雅彦局長は、我が「北九州をうたう会」がお世話になっている部門の局長さんだし、私は今川英子先生の大ファンでもある。主催者挨拶というのは型にはまったものが多く、うわの空で聞くことが多いけれど、お二人は原稿なしでスラスラと話し、私はウンウンと聞く。なんと幸せ。閉会後に「まど・みちおさん」の出身地である周南市美術博物館長でもあり、まど・みちをさんと交流のあった有田純一さんの講演がありました。
道ばたの花や草や木や動物など、あらゆるものにあたたかな眼差しを向け、その喜びを詩や絵に表したと「まど・みちおさん」が言う通り、会場にはほのぼのとユーモアに満ちた心なごむ作品がいっぱい。生きることの喜びに溢れた「まど・みちおさん」の宇宙が広がっていました。
詩のほかに、絵も展示されていました。会場入り口に張られていたポスターに描かれている絵は「ぞうさん」(ネ、可愛いでしょ)だそうである。この絵のように「まど・みちおさん」の絵は、抽象的な絵が多く、そして、そのタイトルの多くは「無題」。
私は抽象画が好き。抽象画は見る人が「何が描いているのか分からない」と言って敬遠する人が多いけれど、抽象画は、見る人が勝手にイメージ出来るでしょ。タイトルがつけられていたら、「どうして・・・・なの?」とつい思ってしまうけれど、タイトルが付けられてなかったら、自分のイメージで「ウン、・・・なんだ」と思えばいいんです。だから「まど・みちおさん」が「無題」とした考えは、私の考えと同じだっと思って、ついニコニコ。さらに館長の小川英子先生が、挨拶のなかで「まど・みちおさんは、パウル・クレーが好き」と話されたので、私、ニコニコのニコニコ。 だって、私、パウル・クレーの絵が大好きなんデス。
絵も素敵、自筆の詩も素敵。「持って帰っていいです」と「まど・みちおさん」の詩が書かれた小さなカードが置かれていました。なんという心くばり。これって、きっと、今川英子先生の発案でしょうね。うれしくなって、5枚も取って帰りました。そのなかで、私のとっても好きな詩をご披露します。
チョウチョウ
ちきゅには
チョウチョウが います
なんとなく います
みちばたの ちいさな くさに
ちいさな はなが
匂っている みたいに
ちきゅうには
チョウチョウが います
ゆめのように いてくれます
ちきゅうの ここに
あたしという おんなのこが
いるから みたいに
ネ、心がほんわりとニッコリ・・・。
展覧会は9月17日まで。是非、見に行って下さいね。