これってハードボイルド その2

 私、ハードボイルドファン。ハードボイルドには、ニヤリとする文章やお洒落な文章、
 「ウン、ウン」と云わせる言葉があるでしょ。だから、ハードボイルド大好き・・・。

 そしてあなたがわたしにさわると、とたんにわたしはカーニバルみたいに活気づき、あなたがそばにいないとショボンとして、死んじまったほうがいいみたいな気分になるの。それでもまだ、わたしが恋をしているっていうのは間違いだといえて?

早川書房「俺に恋した女スパイ」ロス・H・スペンサー/田中融二役

 ときには自分で人生のハンドルを握れるときもある。だがたいていは、それが出来ない。

二見書房「ピンク・ウォッカ・ブルース」ニール・バレット・ジュニア/飛田野裕子訳

 (Tシャツにパンツという恰好を見て)
 「・・・あなたのその中年の悲哀を感じさせる下着姿を鑑賞するだけにしとくわ。それが終わったら、ベッドで寝るわ」
 「そうだったね」とおれは中年の悲哀を振りむいて云った。

文芸春秋「吾輩はカモじゃない」ステュアート・カミンスキー/田口俊樹訳

 理屈で考えればそれが最良の方法なのだが、理屈で割り切れるものばかりじゃないのが人生のつらいところだ。
 早川書房「バラは密かに香る」デイヴィッド・M・ピアス/佐藤耕士訳
 「ただ、今日は仕事に行きたくないの」
 「わかるよ。なんたって誕生日だ。アメリカでは自分の誕生日は休みにするもんさ。げんに、ぼくには誕生日が200日ある友人がいる」

早川書房「天使の火遊び」マイク・リプリー/鈴木啓子訳

 だが、現実が夢と等身大にまで膨らむということは決してあり得ない。--それこそ、宗教と酒がこの世に存在する理由なのだから。
 早川書房「探偵の帰郷」ステーヴン・グリーンリーフ/佐々田雅子訳
 そこには誤解もあったが、反論はしなかった。知恵と成熟の徴候だ。

早川書房「ただでは乗れない」ラリー・バインハート/真崎義博訳

 人間だれしも一生に一度、穴を掘ってもぐりこみ、中から穴をふさぎたくなる時がある。
 角川書店「俺には向かない職業」ロス・H・スペンサー/上田公子訳
 今は飲みたくなかったが、酒には飲みたくて飲む酒と、飲む必要があって飲む酒がある。

二見書房「聖なる酒場の挽歌」ローレンス・ブロック/田口俊樹訳

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