「3月のわすれ雪」と、かっては優雅に云っていたものだけど、3月のドカ雪は何?
私の住む街、北九州では冬一番の大雪!!!
わすれ雪なんてものじゃないですね。
雨や風、雪がその風情を失しない、猛々しいものになってしまったのは、何故?
私の大好きなイルカの「なごり雪」の世界がなくなってしまったのは、何故?
詩人川崎洋が1971年に出した詩集『祝婚歌』に掲載されていた『音』という詩は、音のない世界の音を描いた素敵な詩だけれど、この中で詠われた雪は、40年たった今、もう消えてしまったようである。
音 川崎 洋
聞えてくる
真白い麦畑で麦を踏んでる足音
その足あとのついた地面の下で
モグラは一瞬胸苦しい夢をみる
雑草の根がほんの少し身体をゆする音
地下水がほんの少し勢いを増す音
大雪
小雪
白雪
吹雪
初雪
夜雪
深雪
細雪
こな雪
つぶ雪
わた雪
みず雪
かた雪
ざらめ雪
こおり雪
がたん、すうー
「だあれ戸棚あけてるの?
おひなさま?
おひなさまはまだですよ」