ソウイフモノニ ワタシハナリタイ

 我が街北九州市は、突然の土砂降りの雨に降られることもなかったけれど、入道雲を見ることも少なく、雨模様のどんより&じめじめ夏が続いて、すがすがしい初秋ぬきの秋本番が到来。
 そして今日、9月15日は「敬老の日」。
 私が住んでいる街北九州市小倉北区の南丘校区では、社会福祉協議会が主催して毎年「敬老福祉大会」を開き、75歳以上の方を招待することになっている。
 私は、この協議会の役員をしているので、毎年、その準備にジタバタアタフタする方だったけれど、残念ながらというか、遺憾ながらというか昨年から招待される方になってしまった。
 我が校区の75歳以上は1,100人、その内、元気な300名の方が南丘市民センターで13日に開催された「敬老福祉大会」に出席。
 無論、お茶付の豪華弁当にお土産の菓子折り一箱。それと南丘小学校の子どもたちが一人ずつ書いたお手紙付である。
 私には3年生のあやのちゃんから可愛いカットの入った手紙が入っていました。

わたしは学校で算数をがんばっています。音楽が楽しいです。
あそびは一りん車をがんばっています。一りん車やおにごっこも楽しいです。
おじいさんおばあさんもお体に気をつけて元気に長生きしてください。

 たどたどしい字で書かれていたけれど、それがなお可愛くって・・・。
 市長さんも出席した式典が終わると、アトラクションとして「祝舞」や「獅子舞」などが披露されたけれど、南丘小学校1年生全員が出演したステージが、とっても可愛くて最高!!!
 オジーチャン・オバーチャン達に対する想いを、一人ずつ一生懸命に話した後、オジーチャン・オバーチャンに捧げますと、全員そろって宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を斉唱したのである。
 それも、この詩を読み上げるのではなく暗記していて、全員間違えることもなく大声で斉唱したので、もうビックリ。 
 なんたって1年生でしょ。それが、この長い詩を暗記しているなんて・・・。
 わが校区の1年生はなんと可愛いうえに賢いこと!!!
 我が孫がいないのは残念だけど、お孫さんが出演しているオジーチャン・オバーチャンの嬉しそうな顔・顔・・・。素敵な敬老の日の贈り物でした。
 「雨ニモマケズ」の詩は、むかし昔読んでいるけれど、改めて子供たちから聞かされると、忸怩たる思い溢れ、なんだか子供たちから諭されている気がしてしまった。
 この詩の最後の一節
    「ソウイフモノニ ワタシハナリタイ」
 ほんと、なりたいけれど、なれない私は・・・・。

 是非、皆さんももう一度、この詩を読んでみてください。

雨ニモマケエズ      宮沢 賢治

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
欲ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
・・・・・
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
入ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
・・・・
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
ソウイフモノニ
ワタシハナリタイ

ウルウルなしだなんて・・・

 今年1月から6月まで見た映画は洋画が10本、邦画が1本で合計11本。ちょぴり少な目。
 「ぜロ・グラビティ 3D4DX」 「大脱走」 「マイティ・ソー・ダークワールド」 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」 「アメリカン・ハッスル」 「エージェント・ライアン」 「ローン・サバイバー」 「プリズナーズ」 「機動戦士ガンダムUC ep7 虹の彼方に」 「アンと雪の女王」 「チョコレートドーナツ」

 例によって、ドンパチ映画がほとんど。我がヒーロは、死んでは話が進まないのでスカッと爽やかに撃って撃って撃ちまくり、私は、殺されたテキに彼女がいたのかなんて心配することもなく、スカッと爽やかに映画館を出ているので、どんな映画だったのかとんと思い出せない。
 おまけに映画のタイトルがカタカナ語でしょ。「大脱走」は監獄を脱走する話だったと、思い出すことが出来るけれど、あとの洋画はタイトル見ても「ン?」だものね。
 だけど「ぜロ・グラビティ 3D4DX」は別格。この映画は3Dにして4DX。
 4DXって分かる? 画面が飛び出すうえに、画面に連動して、シートが上下左右に動き、風やミスト、匂い、フラッシュなどが出される仕掛けになっているのである。名付けて体験型映画館。
 デズニーランドにあるようなアトラクション付の映画で、最初に設置されたのは、なんと名古屋と北九州市だけだそうである。
 ストーリイは、スペースシャトルが大破して、二人の飛行士が宇宙空間に放り出されるという映画だけれど、その映像がすっごく素晴らしくって・・・これって宇宙で撮影したみたい。それを、視覚だけでなく体験付でしょ。私まで、宇宙空間をさまよってドキドキ・ハラハラ大感激&大満足。
 アニメは2本。「アンと雪の女王」は、いとこの3歳の孫娘が、スマホの映像を見ながら「ありのままで・・・」と歌っているのを見て大ビックリ!!! 
 このアニメは幼児向きと思っていたけれど、なんたって3歳児が歌を覚える位の影響を与えるスゴイ映画なんだと気が付いて・・・それにこのアニメを見た大のオトナも感動のあまり涙がこぼれたなんて・・・というような話を聞くと、なんだか見なきゃ悪いような気がして見に行くことにした次第である。
 ウーン、映像はきれいだし、ストーリイも素敵だったけれど、私、ジーンときてもウルウルまでいかないんですよね。ウーン、私の感受性は、すっかり錆ついているらしい。ガッカリ。
 ションボリして映画館を出たのだけれど、もう1本の「機動戦士ガンダムUC ep7 虹の彼方に」。これは凄い!!!
 洋画と違って「虹の彼方に」というお洒落なサブタイトルが付いているこの映画は、シリーズ最終章というだけあって、オトナも涙したという感想を聞いていたけれど、オジーサン化している私は、スゲー・スゲーと感嘆してみたものの例によってウルウルなし。
 これって、ドンパチ映画の見すぎかしらん・・・。

神の兵士

 今日は8月15日。終戦記念日。
 詩人鮎川信夫は、1942年招集されスマトラ島に出征、1944年に傷病兵として内地に送還された。その時、病院船の中で、一人の兵士の死に立ち会って「神の兵士」という詩を書いた。 

神の兵士(抜粋)

1944年5月のある夜・・・
ぼくはひとりの兵士の死に立会った
かれは木の吊床に身を横たえて
高熱に苦しみながら
なかなか死のうとしなかった
青白い記憶の炎につつまれて
母や妹や恋人のためにとめどなく涙を流しつづけた
かれとぼくの間には
もう超えることのできない境があり
ゆれる昼夜燈の暗い光のかげに
死がやってきてじっと蹲っているのが見えた

戦争を呪いながら
かれは死んでいった
東支那海の夜を走る病院船の一室で
あらゆる神の報酬を拒み
かれは永遠に死んでいった
(ああ人間性よ・・・・・
この美しい兵士は
再び生きかえることはないだろう)
どこかとおい国では
かれの崇高な死が
金の縁とりをした本の中に閉じこめられて
そのうえに低い祈りの声と
やさしい女のひとの手がおかれている

(注)金の縁とりをした本・・・聖書

 ※ 鮎川信夫・・・1920年ー1986年。現代詩を代表する詩人であり、随筆家・翻訳家・評論家でもある。詩誌「荒地」を主催。 

パンパカパーン Part 2 !!!

 アツクってあつくって暑くって熱くって・・・ホント、もうイヤ!!!
 梅雨が終わったら、もうたちまち盛夏。「初夏」という言葉は、季語にしかお目にかかれないのであろう。
 俵万智の歌

暑く熱くなりそうな夏 朝霞の粒子の中にあなたを想う

 のように、想う「あなた」がいれば、そりゃ暑くてもいいですよ。でも、黄昏時の私に想う「あなた」なんている訳ないでしょ。だから、
 アツクってあつくって暑くって熱くって・・・ホント、もうイヤ!!!
 という訳で、「あなた」抜きのわたしは、意を決して
「エイ、ヤッ」とばかり、暑さでヨレヨレになりながらも、電子出版の「心の扉をノックして 2」の編集に取りかかり、なんとか出版する目途がつきました。

バンザイ、ばんざい、万歳!!!

 という訳で、次の通り内容を紹介しますので、スマホかタブレット端末をお持ちの方は読むことが出来ますから、是非、ご購入のほど、よろしくお願い申し上げます。

心の扉をノックして 2

 定価は100円です。

目  次

  • 終戦記念日に想いをはせて
    • 「一本の鉛筆」から
    • 嗚呼、東京大空襲・・・
    • 埋もれてしまった青春に
    • 広島の空に散った想いを胸に刻んで・・・
    • なんと不条理な・・・
  • おエライ先生さまに捧ぐ
    • ま、行くか
    • 戦いすんで日がくれて
    • ああ 無情
    • プッツン
    • あなたとは違うんです
    • バンザイ ばんざい 万歳だけど・・・
    • ウーン もう ダメ!!!
    • ウーン もう ダメ!!! Part 2
  • OH MY GOD!!!
    • 夏だ ビールだ・・・なら良いのだけれど
    • ウーン、大変!!!
    • 驚天動地にして泰然自若
    • 4・25 人心事件
    • 4・25 人心事件 Part 2
    • 逝く夏の・・・
    • ああ それなのに それなのに
    • ああ 雨情
    • THE END まであと五分
    • 恐怖の日
    • チンプンカンのプンプン
  • 新春アラカルト
    • ポケットいっぱいの夢と・・・
    • 心 輝かせて
    • お屠蘇気分で 素敵にMUSIC
    • A HAPPY NEW YEAR
    • カレンダー
    • まずは めでたし目出度し
  • END OF YEAR
    • 形のない贈り物を あの人に
    • 切なくてクリスマス
    • 鼻くそを飛ばしながらも頑張って・・・
    • 清く正しく美しく・・・
    • 人生の扉をノックして・・・
  • 夢よ、も一度
    • 得たものと失ったものと
    • これって魔法 ! ! !
    • アトムよ 再び・・・
    • 「タチションベン」に願いをこめて
    • 天文学者って トホホ!!!
    • 時空を超えて ポカーンと・・・
  • 嘘 本当?
    • ウソって素敵
    • ここで重大発表! ! !
    • ホントにホント
    • 定額給付金 変身 ! ! !
  • ドンパチ映画に憧れて
    • 素敵にドンパチ
    • 怒り狂って ・・・
  • 合唱組曲「北九州」をどうぞ
    • そこで コマーシャル
    • そこで 再びコマーシャル
    • そこで も一度コマーシャル
    • そこで しっつこくコマーシャル

これって ハードボイルド その4

 私、云うまでもなくハードボイルド大好き人間。  
 今年の5月にNHKTVでハードボイルドの「ロング・グッドバイ」が終わったので、ガッカリしていたらテレビ朝日で「匿名探偵」が始まった。
 金曜日の23時15分からの放映。週末の夜遅くチョッピリお色気もあるハードボイルド溢れるドラマでょ、嬉しくなってしまう。
 探偵役は高橋克典。かっこいい探偵が、自転車を必死でこぎながら街の中を走りまわるのが、おかしく素敵。
 ということで、恒例のハードボイルド名言集をどうぞ・・・。

 愛していたかどうかは言えないな。おれにはわからん。人を愛することと、ただある時期の思い出を愛することとは混同しやすからな。

早川書房「友と別れた冬」ジョージ・P・ベレケーノス/松浦雅之訳

 おれはいった。それはぜんぜんなにも着ていないのと、ほとんどなにも着ていないのと中間ぐらいだな。

早川書房「俺に恋した女スパイ」ロス・H・スペンサー/田中融二訳

 俺にも娘が一人いる。申し分のない女の赤ん坊だ。名前はアンナ・ジュヌヴィエーブ。家でマリーにあやされている。いや、マリーはおそらく居眠りしているだろう。生まれたときはETみたいに醜かった。しかし、口にしたのは一度だけだ。マリー・ロールはアンナが生まれたとき美しかったと思っている。それに首をかしげれば、赤ん坊に対する愛情まで疑われるから恐ろしい。マリー・ロールは娘と恋に落ちた。しかも分娩室の中でだ。

扶桑社「最後に笑うのは誰だ」ラリー・バインハート/工藤政司訳

 「あなたはどうして結婚したの」
 「たぶん、20歳で処女はあたしだけだったからよ、知るかぎりでは。きっと、発情していたのね」

早川書房「わたしもできる銀行強盗」ジーン・リューリック/近藤麻里子訳

 (父が死んで・・・)
 「・・・父は公正な人間でした」アリスはつけくわえた。
 「そして寛大でもありました。でも、さまよえる心の持ち主だったのです」
 妹がほほえんだ。「女好きと云う人もいるかもしれないわよ」

早川書房「虹の彼方に」ナンシー・ピカード/宇佐川晶子訳