出世コースにのりました

昨年の年末は、恒例の「紅白歌合戦」を初めからズズズーイと見て、年越し蕎麦を食べたながら続いて放映された「ゆく年くる年」を見て、0時20分から国技館で始まるさだまさしの「年の初めはさだまさし」を2時30分まで見て、ニコニコホンワリホカホカ気分になって寝ることが出来た。

うちのかみさんは「あなたはれっきとした年寄りだからテレビの「第九交響曲」の演奏会は見て、同時間に始まる「紅白」など、どうしても見たければ録画した後でコッソリ見て」言うが、直接「紅白を見る」のはわが家の家訓だから断固拒否。「第九」は録画している。

私がいつも見ている音楽番組はNHKの「カバーズ」と「SONGS」とフジテレビ系で放映されている「ミュージック フェアー」のみ。
「ミュージック フェアー」は、今が旬の歌手が時々登場するが「カバーズ」と「SONGS」は、私でも知っているメジャーな歌手がほとんどで、1年間流行った歌を知るのは「紅白」しかないのである。

今年の紅白も初めて聞く曲、初めての歌手がゾロゾロゾロゾロ。どんな可愛い女の子が出てくるか・・・ン? 訂正、どんな心に残る曲が出てくるか、興味津々。
お断りしておくが、若い女の子のグループが、ピンコピンコ足を思いきり上げて踊るのをマジマジと見る・・・という訳では決してない。誤解しては困る。私、チラチラのチラと見るだけである。

当然ながら知っている歌手も大勢出ていたが、南こうせつにイルカは別格として、贔屓にしている歌手の中では高橋真梨子ただ一人だけ。なんと16年連続出演のPerfumが出ない。大大ガッカリ!!!

私、Perfumのテクノポップが大好き。彼女たちのダンスも可愛い。そしてステージのバックに、テクノポップに合わせて投影される映像がこれまたお洒落ときている。
「紅白」の中でも、歌う曲にしろステージ構成にしろ異彩を放つグループだったのに、どうして、結成25年の記念すべき年ともなるPerfumが出演出来なかったのか、まるで不思議。

良かったのはtuki.の「晩餐歌」にVaundyの「踊り子」。B‘zも「スゲー!」と思ったけれど、私、男だからラストに歌ったMISIAの方に最高印。とってもスッゴク圧巻。私の好きな歌手の仲間入りをした。

初めての司会をつとめた伊藤沙梨さん、ドジった時の慌てぶりが可愛いかったです。

お正月は、恒例の三社参り。蒲生神社に妙見神社に篠崎神社。初詣でアレヤコレヤにアレコレも加えてお願いをする。お賽銭100円也で欲張りすぎると思われるかもしれないが、神様のことだから大目にみてくれるはずである。

お参りをしたら、必ず「大吉」目当てにお御籤を引く。もし三社で大吉が出なかったら、目的達成のため四社目に行きたいが、神様の顰蹙をかいそうだから、これだけは我慢してスゴスゴと帰ることにしている。

最初にいった蒲生神社では「小吉」次の妙見神社ではなんと大吉。スゲー&スゲー。
初めは「小吉」から出発し徐々に運がついて年末には「大吉」。典型的な出世コースである。87歳になって出世コースに乗るには遅すぎる感があるが、年末には宝くじを買うことにしよう。

かくして、私の1年はまずまずのスタート。
今年もよろしくお願いします。

お正月なんですから・・・

今日は昨日の続き、なにが目出度い・・・なんて憎まれ口を叩かずに、まずはともあれ

開けましておめでとうございます

シルバー川柳に

正月も 3日も過ぎたら もう年末  ※

とあるように、あれよあれよと年を重ね、私、アット言う間にもう87歳。極め付きの年寄り。

かくして、私、年寄りの最前線を走っていてゴールまじかでしょ。だから、一休宗純禅師の句

正月は 冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし

これがお似合いと云えそうだけど、私、年齢不感症。87歳という自覚症状がないものだから、交差点の信号の青が点滅はじめると、つい走り出そうとするクセがある。
かみさん曰く「白髪をなびかせて走るなんてみっともない」
ハイ、仕方ありません。昨年から青信号点滅に差し掛かっても「86歳、86歳」と唱えて自粛している。

小林一茶が正月を迎えるにあたり詠んだ句

めでたさも 中くらいなり おらが春

と「めでたさも中くらいなり」ならともかく「めでたさも下の下くらいなり」という、昨年ロクでもない年になった人もいるにちがいありません。

今日は昨日の続きの連続だから、イヤイヤ気分を引きずづったままの毎日でしょうが、お正月って摩訶不思議。
新しい年の始まりという気分になって、昨年の諸々の出来事は切り捨て「今年こそ」とギアチェンジ出来るのがお正月なんですね。
お正月は昨日の続きではありません。そう、いまこそ気分を新たにギアチェンジ!!! 

絶望」  谷川俊太郎

絶望していると君は言う
だが君は生きている
絶望が終点ではないと
君のいのちは知っているから

絶望とは
裸の生の現実に傷つくこと
世界が錯綜する欲望の網の目に
囚われていると納得すること

絶望からしか
本当の現実は見えない
本当の希望は生まれない
君はいま出発点に立っている

ハイ、「ヨーイ・ドン」
なんたってお正月なんですから・・・。

このプログの「ご挨拶」のページの末尾に、今年の年賀状を掲載しておりますので、お読み頂ければ幸甚です。
私の年賀状は、このスタイルで50年も続けており、250枚出していた年賀状をようやく130枚まで縮小してきましたが、皆から「年賀状が楽しみ。止めるな」とおだてられ「いつまで続くぬかるみぞ」と、過去の遺物となりつつある年賀状を書き続けています。トホホホホ・・・。

※ シルバー川柳 大安吉日編から佐藤由美(71歳)

笑みの消えない1年を・・・

もう、すっかり冬模様。街に流れるクリスマスソングを聞くと、私、イイ歳をしているのに、アホみたいに華やか気分になってしまう。

私、初詣には行くしお寺の年頭初参会にも行くしクリスチャンでもないのにクリスマスは大好きというイイ加減な人間。
だから孫が来る訳でもないのに、クリスマスには毎年クリスマスツリーを飾り一人でホクホク&ニコニコ。気分は素敵にクリスマス。

このプログもクリスマスソングを聞きながら書いているけれど、好きなのは定番の「ジングルベル」やクロスビーの「ホワイトクリスマス」にマライアキャリーの「恋人たちのクリスマス」やワムの「ラスト・クリスマス」。
邦楽では山下達郎の「クリスマス・イブ」に松任谷由美の「恋人がサンタクロース」、稲垣潤一の「クリスマスキャロルの頃には」とか、要するにクリスマスソングならどれでも大好き。節操なんかありやしない。

クリスマスソングに歌われているように、クリスマスになくてはならぬものは恋人。
好きな人の隣にいて、夢の中でもその人に会っていると詠んだ黛まどかの句

君とゐて 聖夜の夢に きみと逢ふ

のような幸せな人もいると思いますが、
俵万智の句のように、

つながりを 確かめているクリスマス そばにいる人 いてほしい人

愛を確かめたいという人もいるに違いありません。
でも、諸星詩織の句

ジングルベル 街にサンタがやって来た 終わりかけている恋が哀しい

のような人もいるかもしれません。
でもね、恋を失ったということは「恋した」とい素敵な経験をしたことにほかなりません。恋をしたくても出来ない人から言えば、うらやましい経験。
ときめきの時を持てたんですから・・・何も言うことはありませんと、強がりを言って哀しみを吹っ飛ばしましょうね。

ウーン、私、1回とは言わず何回も失恋したい!!!
エ? 何? 「そう八さん、ムリ! ムリ!! ムリ!!!」だって・・・。

わが森家にとって、今年もさして悪いこともなかった代わりにさして良いこともなく、日常茶飯事に生活を積み重ねて1年を過ごすことが出来ました。
日常茶飯事な生活でもいいから元気に過ごせたということは、すっごく幸せなことかもしれません。

波乱万丈の一年だった人もおられるのかもしれませんが、来年は村田馨&天野慶夫妻が詠んだ句にあるような年になることを祈って、今年の夢旅人の幕を閉じたいと思います。

平凡な生活だけど喜びと 笑みの消えない暮らしにしよう

このプログ「夢旅人」を読んで頂きありがとうございます。大大感謝です。
では、良いお年をお迎えください。

※ 黛まどかーー俳人。神奈川県生まれ。第40回角川俳句賞奨励賞、第2回山本健吉文学賞受賞。句集に『花ごろも』『忘れ貝』『てっぺんの星』など。
※ 俵万智ーー俳人。大阪生まれ。第32回角川短歌賞受賞。第一歌集『サラダ記念日』は歌集としては異例の大ベストセラーとなった。日常会話で使われるカタカナを巧みに使い、親しみやすい歌風は多くの人々の心を掴んだ。『チョコレート革命』など多数。
※ 諸星詩織ーー詩人&俳人。沖縄生まれ。詩集に『愛ポポロン』短歌集に『このゆびとまれ』等多数。
※ 村田馨&天野慶ーー 短歌人会同人。掲載した句は「短歌ヴァーサス3号」に掲載された『海へつづく道』から。歌集『つぎの物語がはじまるまで』など多数。

穏やかな幸せに包まれて

朝日新聞に谷川俊太郎さんの詩が毎月1回掲載されているが、11月17日の朝刊には「感謝」という詩が掲載されていた、

    感謝   谷川俊太郎

目が覚める
庭の紅葉が見える
昨日を思い出す
まだ生きてるんだ

今日は昨日のつづき
だけでいいと思う
何かをする気はない

どこも痛くない
痒くもないのに感謝
いったい誰に?

神に?
世界に? 宇宙に?
分からないが
感謝の念だけは残る

この詩が掲載されて1週間後の20日に、谷川俊太郎さんが11月13日に亡くなられたことが報じられた。享年92歳。
谷川俊太郎さんは、間もなく自分の命が召されると感じてこの詩を書いたのに違いない。
その時、谷川俊太郎さんが感じたのが「感謝」
凄いというか、あっぱれというか、さすが谷川俊太郎さんである。

私、86歳。谷川俊太郎さんとほぼ同年代だが平々凡人。
毎日、目が覚めると「今日は昨日の続き」で谷川俊太郎さんと一緒だが、彼は「何かをする気はない」。私は「アレやコレやしなければならぬ」と、現生にドップリ浸かりきっている。

私、することをいっぱい抱えているので、92歳までしぶとく生き延びたとしても、現生に未練を残しっぱなしとなって、谷川俊太郎さんのように「感謝の念だけは残る」ようになれるのか?・・・ウーン、???。

詩心なんて全くない私だが、何故か現代詩が大好き。若いころ中央公論社から出版された「現代の詩人」全12巻を買い込んでチンプンカン気分を味わいながら読んでいたが、何故かホンワカ気分を感じて「これイイ」という詩に出会うこともある。
だから、谷川俊太郎さんの代表作「二十億光年の孤独」など???だが、大好きな詩もいっぱいある。その中で「ふたつの幸せ」は老人の私にとってピッタリの詩である。

ふたつの幸せ  谷川俊太郎

心の中で何かが爆発したみたいに
いま幸せだ!って思う
理由なんて分かんない
ただ訳もなく突然幸せになる瞬間
晴れてても曇りでもなく雨でも雪でも
まわりは不幸な人でいっぱい
私だって悩みがいっぱい
でも なんだろうね ほんと
あっという間に消えるんだけど
その瞬間の喜びは忘れない
そんなことってない?

老人は微笑んで少女を見つめる
爆発とはほど遠いが
いまの穏やかな幸せに包まれて

私、谷川俊太郎さんと違って平々凡人だから「感謝」なんて及びでない。多分「穏やかな幸せに包まれて」その時を迎えられたらと思う。

ガラスの天井

なんと、アメリカ大統領選挙でトランプさんが圧勝!!!

私、トランプさんは絶対に当選しないと思っていたのに、ウーン、口、アングリ。

だって、前回の選挙の時、トランプさんが再選されなかったのは、トランプさんの4年間の実績が認められなかったということでしょ。一度ダメと烙印を押された人が、ノコノコ出てきても当選できる訳ないと思ったし、アメリカは世界に冠たる民主主義国なのに、選挙の結果はデタラメ無効と主張するし、アレコレ非常識な行為に対する訴訟を4件も抱えているし、国会議事堂に突入しろと暴動を扇動するし、相手方を口汚く罵るし、選挙演説の舞台で得意げにステップダンスをするし・・・アァ、悪口を言うに疲れた・・・まあ、要するに大統領としての品格に欠けると思った次第である。

そりゃ、何と言われてもトランプさんを信じるコアとなる信者がいるとしても、良識ある人が多数を占めるのがアメリカと思っていたので、政策をうんぬんする以前に、トランプさんは世界に冠たる民主主義国の大統領にふさわしくないという判断をするものと信じていたのに・・・ウーン、アメリカの良識はどこにいったの???

と、思ったけれど、ちゃんと良識は健全だったのである。
トランプは悪いというような個人的見解より、「ビンボウ人が溢れるようになった政治はダメ」と、民主党に烙印を押してここらでイメージチェンジ。共和党に投票しようと判断したに違いない。

さすがアメリカは国民の総意が反映される民主主義国である。このプログの冒頭にトランプさんの悪口をエンエン書いたのは取り消すことにしよう。問題はトランプさんの個人的な問題ではなく、政治の在り方を問う選挙だったのである。

それと、ハリスさんが負けたのは、やはり「ガラスの天井」であろう。
私、むかし昔、西部劇映画全盛の頃の映画を見て以来、アメリカ人はゼンダーとは違う次元で、男性優位の国と思い込んでいる。
「男は女性や子供を守らねばならぬ」というDNAが脈々と男性に流れているのだと思っている。

アメリカ軍隊のTOPは大統領である。そのTOPに女性がなる???・・・いざ、コトが起きた時に、女性がアメリカ国民を守る???

戦争は「殺し合いのゲーム」。大勢の人間を殺した国の方が勝利する。それが戦争である。
かくして、女性大統領が敵を「殺して殺して殺しまくれ」と軍隊を叱咤激励することが出来る???
敵が最後の手段として「核のボタン」に手をつけようとした時、それに先立ち「核のボタン」を躊躇なく何回も押せる???
国民を守るのは男性でなければならぬのである。

・・・てなことを考えて、大統領は女性に馴染まないというDNAを男性は持っているので、ハリスさんとかトランプさんとかいう問題ではなく、また、民主党とか共和党とかいう問題でもなく「ガラスの天井」は厳として存在しているに違いない。
世界が平和にならない限り、女性が大統領にはなれないのであろう。

かくして、アメリカは国民の総意に基づき、民主党から共和党へ政権が代わったのに、わがニッポンも国民の総意が「政権を変えてもいいよ」と示したにもかかわらず、政権交代とはならず依然として自民党が政権を持ち続け、自民党による一党独裁政治が続くことになった。

でも、これは自民党独裁は怪しからんというより、国民の総意を反映しきれない野党の皆さんが悪いのであろう。
わがニッポン国には、民主主義がまだ根付いていないのかもしれぬ。

アメリカは超大国である。だから世界の警察となって、正義に反するようなゴタゴタが起きれば、強大な軍隊を繰り出して収めていたものである。
ところが、トランプさんは「アメリカ ファースト」。アメリカ第一主義とのこと。世界の警察の地位は放棄したので、他国のことなどかかわらないことにします、ということらしい、

アメリカを頼りにしては困る・・・と、問題をかかえるアメリカ国民が考えても当然かもしれぬ。