嗚呼、オリンピック

先日テレビのニュースを見ていたら、オリンピックの開会式の夜、レポーターが渋谷のセンター街で路上飲酒をしている男性に、
「今、緊急事態宣言が出ていますけど・・・」とマイクを向けたら、
「緊急事態宣言が出ているのに、オリンピックをやっているんだから、このくらいやってもいいでしょ」だって・・・。
すぐ画面が変わったので、レポーターがどう受け答えをしたのか分からないけれど、ウーン、なんとスルドイ!!!

コロナ禍にふさわしくお祭り騒ぎもなく各国の首脳もチョッピリで寂しい開会式だったけれど、凄かったのは夜空に浮かんだ1824個のドローン。オリンピックのロゴから地球に流れるように形を変えていったでしょ。
1824個のドローンをコンピューターで制御したんだろうけれど、もうビックリ! 摩訶不思議!! わがニッポン国のハイテク万歳!!!

次に凄かったのは、青一色の衣装を身にまとったパフォーマーが、すべての五輪競技50種目のロゴを人間の絵文字で一瞬に再現。スゲー! なんと素敵!! わがニッポン国のローテク万歳!!!

開会式の翌日からいろんな競技が始まったけれど、小さい時から耐え難いほどの練習を重ね、その想いを東京オリンピックに賭けてきたアスリートの皆さん達の勝っても涙、負けても涙・・・。
そして表彰台のはじけるような笑顔を見ていると、オリンピックをやって良かったなァ・・・と、まんまと菅ソーリの術中にはまってしまいました。菅ソーリってズルーイ!!!

無観客だけれど、テレビで優勝したアスリートが「無観客だから落ち着いて競技が出来ました」と言っていたし、負けたアスリートから言えば「大勢の人前で恥ずかしい姿を見せずにすんだ」と思う人もいるかもしれません。無観客は、ニッポン人から言えば「残念至極」ということになるけれど、アスリートから言えば、観客が居ようと居まいと全力を尽くすだけですから、無観客とか1万人とかという問題ではないかもしれません。

文芸春秋8月号に長嶋茂雄さんの「東京五輪のアスリートたちへ」というスペシャルメッセージが掲載されていました。様々な論議が渦巻くなかで開催される東京五輪に参加する全てのアスリ-へのメッセージですが、その中で
「スポーツには人間を感動させる力があるということです。そしてスポーツの使命は、その感動を分かち合うということなのです」と、ありました。

かくなるうえは、アスリートや関係者の方からコロナの感染が国内に広まって、アスリートの方々が肩身の狭い思いをすることがないように祈らずにはいられません。

だけど、オリンピック競技場の外では、22日に開会式の総監督とも云うべき人が、ナチスのユダヤ人虐殺を揶揄したことが分かって解任されるというトラブルのダメだしがあって、たださえ問題の多い花の開会式にケチをつける羽目になりました。トホホホ・・・。

新聞を見ると、オリンピックがトップを占めコロナは片隅に追いやられて、菅ソーリはヤレヤレと思っているんでしょうね。その証拠に、22日に東京のコロナ感染者数が過去最高の2848人を記録、その日に菅ソーリの記者会見があり、オリンピックへの影響を尋ねられたんです。

私、てっきり菅ソーリが
「オリンピックの最中にこれ以上感染者が出てオリンピックを止めることになったら、ダメニッポンと世界中に恥をさらすことになるので、なにがなんでも絶対に断固たる決意で不要不急の外出を止めて頂きたい」と悲壮な面持ちで目を潤ませて国民の皆さまに訴えると思ったら、
「車の制限やテレワークなど、人流は減少している。心配ない」とアッケラカンと断言。

ウーン、そうか、人の流れが少なくなっているのなら、外出を我慢していたけれど、ぼつぼつ出て行くとするか・・・。なんと、うれしいお言葉。

チグハグ感がいっぱい

首都圏に「緊急事態宣言」が出されたものの、わが街北九州市は「まん延防止等重点措置」が解除されました。と、云うことで、わがニッポン国の菅ソーリがおこなった記者会見をテレビで見たけれど、会見デスクの左右前方に置かれたプロンプターに書かれた原稿を読みながらの会見でしょ。

菅ソーリって、とっても真面目で几帳面で一言一句間違えたら大変と思っているらしく、右や左のプロンプターを読みながらの会見だから、正面を向くことがないんですね。

「国民の皆さまにご迷惑を掛けて申し訳ない」と、プロンプターに向かって話しているものだから、
「こっちを向いて話してよ」と、言いたくなります。ウーン、アッチを向いて「申し訳ない」と話すなんて、とってもチグハグ!!!

私、営業畑出身。「話すときは、相手の目を見て」と云うのが鉄則なんですね。テレビ目線で話しかければ、テレビを見ている人の目線と合うということになるんだけれど・・・。菅ソーリって、頭が良いってことになっているから、プロンプターをチラッと見て、後は自分の言葉で正面を向いてしゃべってくれないかなァ。

アメリカのバイデン大統領の演説をテレビで時々見るけれど、真正面を向いて話しているんです。左右にプロンプターが設置されているはずだけれど、原稿を読んでいるようには見えず「語りかける」ように見えて、効果抜群!!!

菅ソーリの演説が終わって記者の質問が始まったけれど、その答弁を聞くと、あれやこれや言うけれど、正面から答えていないものだからピントはずれ。とってもチグハグ!!!

前安倍総理の真似をしてる訳じゃないのだろうけれど、ここで菅カラーを打ち出してピシット決めて話してくれたら、記者のみならず国民の皆様も
「ウーン、そうなんだ」となってくれると思うんだけれど・・・。

東京の「緊急事態宣言」が出されると共に、オリンピックは無観客となり「ウン、そりゃそうだ」と納得したものの、小学校のささやかな運動会さえ中止させられているのに、超大々的な世界の運動会が実施されるって、とってもチグハグ!!!

オリンピックが東京に決まった時、前安倍総理が福島原子力発電所の汚染水について「アンダーコントロール」と見栄を切ったけれど、汚染水の処理方法はいまだに決まらず、滝川クリステルさんがニッコリ微笑んで「おもてなし」の心をアピールして、世界の人に夢を抱かせたけれど、全国各都市で計画していた「おもてなし」は全てオジャン。とってもチグハグ!!!

オリンピックの延期が決まった時、前安倍総理は「安心、安全なオリンピック」にすると公表したけれど「緊急事態宣言」って、最も危険な状況下での開催でしょ。それに「感動で、私達は一つになる」というキャッチフレーズも打ち出したけれど、直近の世論調査では賛成が30%。これってとってもチグハグ!!!

菅ソーリは、就任した時「コロナを克服したオリンピック」と云ったけれど、ケロット忘れて「新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が団結し、人々の努力と英知でこの難局を乗り越えていくことを発信したい」というややこしいメッセージに変えたけれど・・・その英知と云うのが「銀行やお酒の卸問屋を使って指示を徹底させる」と云うことでしょ。とってもチグハグ!!!

わがニッポン国には「有言実行」ということわざがあったけれど、それって「有言不実行」に代わったのかしらん? わがニッポン国の一番偉い人が云っているんだから「有言実行」は、廃語になったに違いありません。云ったことに責任を取らなくっていいなんて、わがニッポン国ってなんと素敵な国でしょう。

やさしさに溢れて

私は映画大好き人間。だけど見るのは洋画専科。弾をドンドンパチパチ撃って撃って撃ちまくるドンパチ映画だけである。敵はバッタバッタと倒れるけれど、何故か我がヒーロには弾が遠慮して当たらないという痛快無比にして快活愉快な映画である。

「それってウソっぽい」と言う人がいるけれど、これって、至極当然もっともな話である。だって、わがヒーロに弾が当たったら映画はENDマークを打たざるをえないでしょ。入場料を払ってきた人に申し訳ないので、最後まで我がヒーロに弾が当たらないようにしなければなりません。

だから安心してドンパチシーンを見て、映画館を出る時は、ザマーミヤガレと気分はヒーロ。こんなに素敵な気分になるのに、
「ドンパチ映画、行かない?」と女性を誘っても、軽蔑の眼差しで「行かない」だって・・・。
ホント女性って不可解!!! 何故?

でも、物事には例外というものがあって、邦画も見ることがある。昔むかしのそのまた昔のむかしから、吉永小百合さんとゴジラの映画は絶対に映画館で見ることにしている。

私の部屋には、ニッコリ微笑んだ吉永小百合さんの6枚組のカレンダーが麗々しく飾ってあって、毎日、吉永小百合さんと顔を合わせる仕組みになっているし、福岡美術館で5年前に開催された「ゴジラ展」の時に買ったゴジラの「絵はがき」が、机の上の「ハガキ立て」にこれ見よがしに飾ってある。

5月に吉永小百合さんの出演する映画「いのちの停車場」が封切られ、公開記念舞台挨拶で着物姿の吉永小百合さんの映像がテレビのニュースに流れて、
「待ってました」とすぐさま飛んで見に行きたいところだけれど、わが街北九州市は「蔓延防止重点措置」が取られているんですね。

それで、ワクチン接種が終わり正々堂々と行けるようになったので、我が街北九州市にある3つのシネコンの上映時間を調べたら、6月末とあって3館ともなんと一日1回だけの上映で8時台と9時台のみ。
私、朝起きるのは9時前後でしょ。覚悟を決めて8時に目覚ましをかけ「エイヤ!」とばかりに気合を入れて、9時上映の「Tジョイ リバーウオーク北九州」に行ってきました。

この映画は、東京の救命救急センターで医師として働いていた吉永小百合さんが故郷金沢に帰り、在宅医療の「まほろば診療所」で在宅医として、患者さんの住んでいる自宅を廻るというストーリイ。

全編やさしさに溢れて・・・普通、やさしさ溢れる風景に出会うとニコッとするものだけれど、この映画はやさしさ溢れるシーンになると・・・そう、何故か胸にジーンと浸みて、切なく心が揺さぶられる映画なんです。とっても吉永小百合さんにピッタリ似合う映画でした。ウーン、そう、年老いていく私にもピッタリ似合う映画。

映画「鬼滅の刃」を見た人が、涙が溢れたと言っていたけれど、私、ケロットして映画館を出たので、とっても年寄りになったから、感性も朽ち果てたと憮然としていたんです。ところが、この映画を見ていたら胸キュンに眼もウルウルのシーンが溢れて・・・。

私が一番ウルウルしたのは、癌に侵され彼女を訪ねてきた幼馴染の女性囲碁棋士の手術が失敗して亡くなり、病院の廊下で彼女が院長の西田敏行の胸にすがって泣くシーンと、診療所のスタッフと食事に行った時に、食事処のマスターが、1回しか来ていないのに、その時に女性囲碁棋士が座っていた席に、皆で食べていたお饅頭をそっと置いたシーン。

心を打たれたは、彼女の年老いたお父さんが難しい病に倒れて、麻酔薬も効かず苦しみ抜いて「苦しみのないあの世界に・・・」という最後の場面。
私も「もうあと幾つ寝るとあの世界に」という適齢期でしょ。私の願いも込められたこの映画は、命の大切さを・・・そして安楽死について、しみじみ考えさせられる映画でもありました。

わがニッポン国のオエライさん達は、時の総理が右向け右と云えば「ソレー」とばかりに従う風潮が出来ているらしいから、菅ソーリにもこの映画を見てもらいたいけれど・・・ウーン、ムリムリのムリ。

わが国の一番エライ菅ソーリにケチをつける人がいっぱいいるけれど、菅ソーリって実はすっごく賢いんすね。
世間がオリンピックの開催について、もめているにもかかわらず、菅ソーリはオリンピックについて「国民の命と健康を守って・・・・」と唱えるばかりだったけれど、その内に、聖火リレーが全国を駆け抜け、オリンピック代表選手が選出されるようになると、いつのまにやら、ニッポン国の空気は、オリンピック開催が前提の「お客さんを入れるか入れないか・・・」の話題にすり代わってしまいました。

エート、カクカクシカジカの理由でオリンピクを開催しますと、誰か言ったけ?

野球もサッカーも有観客でやっているから、昔流行った「クリープを入れないコーヒーなんて」というコマーシャルを見本に「観客を入れないオリンピックなんて」をキャッチフレーズとして「ワクチンに打ち勝ったオリンピック」を開催し、それなりにニッポン国は沸き立って、目出度しめでたしとなるのが、賢い菅ソーリの作戦なんですね。

ウーン、でも、それってワクチン接種が進むという前提に立っての話でしょ。そんな神頼みを信じて進めるなんて・・・わがニッポン国は大丈夫?

ワクチン接種に願いをこめて

私、コロナにかかるとコロリと死ぬと云われている恐怖の80年代。
わが街北九州市の新型コロナのワクチン集団接種は、医療や施設関係者に向けて4月から始まり、高齢者に対いては5月3日から受付が開始されました。受付開始直後はメールもつながりにくいと思い、7日に申し込んだら幾百の申込を蹴散らして一発でつながり「19日16時」にたちまち決定。なんとしあわせ!!! 

接種場所は市内に12カ所。当日家から一番近いところにある小倉北区にある「メディアドーム」に行ったところ、バカでかい駐車場に車がギッシり&ギョギョギョ。指定時間の15分前だったけれど、もう呼び込みが始まっていて、行列をつくってバタバタ&ゾロゾロと入場。
検温と手洗いを済ませて場内に入ったけれど、前の接種が終わていないということで待機場所に誘導されると、づらりと並べられたパイプ椅子にギッシリ&ウジャウジャ。座っていると係員が来て本人確認があり待つこと30分で接種場所へ。

後は「予診票」の内容をシミジミ聞かれ、次にお医者さんがやさしく面談、それからおっかなビックリのワクチン注射。最初にチクリだけと聞いていたけれど、注射液がズイズイと筋肉に押し込まれるのが感じられてビックリ&イタタ・・・。だけど美人の看護婦さんだったので無理してニッコリ。
最初はあまりの人の多さに圧倒されていつ終わることやらと心配したけれど、後はベルトコンベアー式にスイスイと上手に誘導され、最後に経過観測の待機場所で30分座ると何事もなく無事開放、ヤレヤレ&ニコニコ。約1時間半で終わることが出来ました。

でも、翌日は腕が痛くなってチョッピリ心配したけれど、次の日には正常に戻り大安心です。
2回目は6月9日となりました。これで両手を振って街を闊歩できるのは2回目以降だけれど、まあ、1回目だから片手を振って街を歩くことにしましょう。

緊急事態宣言が6月1日から延長されると、今やオリンピックについて「ああでもないけどこうでもない」と喧々囂々とあまたの意見がゾロゾロ。菅ソーリいわく、
「オリンピックの開催を決めるのは国際オリンピック委員会」。
そんなアッチ向いてポイみたいな建前論はやめて、ここらで本音を暴露し
「オリンピックを絶対やりたい。だから皆さん協力してほしい」と真情を吐露する時期にきているのではないのでしょうか。
そこで、透明なパネルに文字を映し出すプロンプターなど使わず切々と、
「カクカク&シカジカ&アレヤ&コレヤという理由でどうしてもオリンピックをやりたい」と哀願し、もう非常事態宣言はやりつくしたので
「あと出来るのはワクチン接種を増やして感染者を少なくするのみ。確保したファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のワクチン1億5700万人分を菅ソーリお得意の辣腕をふるって取り寄せ、集団接種場所もアチコチ設置して、全国津々浦々にいる街の開業医さんで誰でもワクチン接種を受けられるようにします。是非、国民の皆さんも接種に協力して頂きたい」と、切々と悲壮な面持ちで訴えればと思うけれど・・・。

ウーン、引くも地獄、進むも地獄に追い込まれた菅ソーリ。どこで判断を間違えたのかと眠れぬ夜をお過ごしのことと、ホント、ご同情申し上げます。

啖呵をきって

福岡県のあるわが街北九州市にも、ついに非常事態宣言が適用されました。

と、云っても超年寄りである私の日常は、昨年から非日常が日常化しているからオタオタすることはないけれど、どうも、街には自称必要早急な用事を抱えた人がウロチョロしているので、街の様相はあまり変わったようには見えません。どうもオカミの威光がいき届いていないみたいです。

世界では、ワクチンの接種が進み、感染者が減少しつつあるみたいだけれど、わがニッポン国は世界の流れに反して感染者が増える一方!!!
これって何故?と思っていたら、朝日新聞の5月11日の新聞に、見開きの2面を使ったスッゴイ広告が掲載されていました。

出版社の宝島社が「緊急事態」と銘打った企業広告です。イラストは、かっての戦争で動員された子供たちが竹やりを持って構えた薄いモノクロ写真に、紙面の真ん中に真赤な日の丸に模したウイルスが描かれていました。

ワクチンもない。クスリもない。
タケヤリで戦えというのか。
このままじゃ、政治に殺される。

私たちは騙されている。
この一年は、いったい何だったのか。
いつまで自粛すればいいのか。我慢大会は、もう終わりにして欲しい。
ごちゃごちゃ言い訳するな。
無理を強いるだけで、なにひとつ変わっていないではないか。
今こそ、怒りの声をあげるべきだ。

ウーン、なんと切れのいい啖呵!!! 宝島社って凄い!!!