私、云うまでもなくハードボイルド大好き人間。
今年の5月にNHKTVでハードボイルドの「ロング・グッドバイ」が終わったので、ガッカリしていたらテレビ朝日で「匿名探偵」が始まった。
金曜日の23時15分からの放映。週末の夜遅くチョッピリお色気もあるハードボイルド溢れるドラマでょ、嬉しくなってしまう。
探偵役は高橋克典。かっこいい探偵が、自転車を必死でこぎながら街の中を走りまわるのが、おかしく素敵。
ということで、恒例のハードボイルド名言集をどうぞ・・・。
愛していたかどうかは言えないな。おれにはわからん。人を愛することと、ただある時期の思い出を愛することとは混同しやすからな。
早川書房「友と別れた冬」ジョージ・P・ベレケーノス/松浦雅之訳
おれはいった。それはぜんぜんなにも着ていないのと、ほとんどなにも着ていないのと中間ぐらいだな。
早川書房「俺に恋した女スパイ」ロス・H・スペンサー/田中融二訳
俺にも娘が一人いる。申し分のない女の赤ん坊だ。名前はアンナ・ジュヌヴィエーブ。家でマリーにあやされている。いや、マリーはおそらく居眠りしているだろう。生まれたときはETみたいに醜かった。しかし、口にしたのは一度だけだ。マリー・ロールはアンナが生まれたとき美しかったと思っている。それに首をかしげれば、赤ん坊に対する愛情まで疑われるから恐ろしい。マリー・ロールは娘と恋に落ちた。しかも分娩室の中でだ。
扶桑社「最後に笑うのは誰だ」ラリー・バインハート/工藤政司訳
「あなたはどうして結婚したの」
「たぶん、20歳で処女はあたしだけだったからよ、知るかぎりでは。きっと、発情していたのね」早川書房「わたしもできる銀行強盗」ジーン・リューリック/近藤麻里子訳
(父が死んで・・・)
「・・・父は公正な人間でした」アリスはつけくわえた。
「そして寛大でもありました。でも、さまよえる心の持ち主だったのです」
妹がほほえんだ。「女好きと云う人もいるかもしれないわよ」早川書房「虹の彼方に」ナンシー・ピカード/宇佐川晶子訳