北九州市芸術劇場で6月14日(日)に開かれた瀬戸内寂聴さんの講演を聴きに行った。
この講演会は、北九州市立文学館の特別企画展”生きた、書いた、愛した、女性作家の手紙展”の開催を記念して開かれたものである。
私の勤めている北九州市立南丘市民センターが、”松本清張生誕100年を記念し故郷の文学を辿りましょう”というテーマて、4月から8回に亘る「学んで楽しむ文学講座」を企画した時、この文学館の副館長今川英子さんに、色々アドバイスをしていただいた。
そして、その第1回目の講座で、今川英子さんに、
『北九州の文学と松本清張』と題して講演もして貰っている。それで、その今川英子さんの企画した講演会であればと、イソイソと寂聴さんの講演を聴きに行った次第である。
今川英子さんは、『放浪記』の作者・林芙美子の研究者として知られており、林芙美子全集の編集にあたると共に、数多くの著書があるけれど、天は三物を与えて、知的なうえに美人。かてて加えて、お話しもお上手!!!
以来、私はすっかり文学館ファンになって・・・・エ? 何? 文学館ファンではなくて、今川英子さんファンじゃないのって・・・・ウーン、そんなにドキッとすることを云われたら困るなァ。英子先生に悪いよ・・・。
とにもかくにも、そういう訳で聴きに行ったけれど、芸術劇場は超満員。私は、2階席の片隅で聴いたけれど、男性はポツリポツリ、女性がいっぱい。でも若い女性はチラホラでオバサン・・・ア、訂正、前美人・元美人・旧美人がいっぱい。
ウーン、マ、いいか。だって、寂聴さんのお話しを聴きに行ったんだからね。
寂聴さんは源氏物語の現代語訳でも有名。でも、自慢じゃないけれど・・・と、言いながら自慢する訳だけど、私は1965年に出版された函入の「谷崎潤一郎新々訳源氏物語」全11巻を持っているのである。ウン、寂聴さんごめんなさい。
これって、リタイヤしてから憧れのノホホン・ホンワカ・グウタラ生活に突入したら読もうと思って買っているのである。
ところが、である。私は、何故か知らねどいまだにリタイヤ出来ず、我が人生のカウントダウンが始まっているというのに、憧れのノホホン・ホンワカ・グウタラ生活は遠のくばかり・・・。
我が家の不肖の息子3人は、私が若い時から、お金は貯めずに、苦労してチラッとも読まずに本棚ぎっしりに貯めこんだウン100冊の本を見ていわく、
「お父さん、絶対に読めっこない」
フンだ! 親の心子知らず。オヤジの沽券にかかわるようなことを平気で云う。どうも、育て方が間違っていたかも知れぬ。
寂聴さんの講演は『女流作家の手紙と日記』。特別展で取り上げられた作家を中心にユーモア溢れるエピソードいっぱいのお話で、楽しく可笑しくそれでも心にしみじみ沁みて、アットいう間に the 終了。
その中で、寂聴さんが主宰する雑誌「the 寂聴」が、本木雅弘ことモックンを取り上げた時の話しがあった。
モックンとは、古い付き合いだそうだけれど、彼の若いときに会った時には”わくわく どきどき そわそわ”感があったそうである。でも寂聴さん、今87歳。今回の企画で会った時には、この”わくわく どきどき そわそわ”感を感じなくなってびっくりしたという話しがあった。
そして、この”わくわく どきどき そわそわ”感を失くしたらダメですよ、素敵な男を見たら、年甲斐もなくなんて遠慮しないで”わくわく どきどき そわそわ”しなさいとのお言葉である。彼に彼女がいても大丈夫。嫉妬するのも恋の内。いっぱい恋をしなさいとのことである。ウーン、絶対納得!!!
私は、惚れっぽくって振られっぽいDANを持っているものだから、道を歩いている時、向こうから素敵な美人が来たら、私の恋ピューターがたちまち作動。一瞬の内に”ああしてこうしてああなって”と恋が成就するけれど、すれ違って振り向いたら、彼女はツンとしてお尻を振り振りスタスタ。たちまち失恋。でもその一瞬は、”わくわく どきどき そわそわ”感いっぱいであったのである。
それが、寂聴さんでもないけれど、最近この”わくわく どきどき そわそわ”感が少なくなってきていることに気がついたのである。
どうも、我が感性、錆び付いてきているらしい。 ウン、大反省。
そこで大募集。『わくわく どきどき そわそわ』感所有の女性求む!!!
エ、何? そう八さん、うっすらハゲ模様でしょ。身の程を感じなさいって・・・・。
ウーン、そう云われてもね。なんたって寂聴さんのご言葉なのに・・・。
最後に、寂聴さんがこの企画展を立ち上げた文学館のスタッフを褒めていた。お世辞抜きで本当にいい企画とのことである。今川英子さんのファン・・・・ン? 訂正、文学館のファンである私もすっかり嬉しくなってしまった。
寂聴さん、どうもありがとう。