純文学って???


私、広く浅くいろいろ趣味を持っているが、1番目は超平凡な読書・・・そう、読むの大好き。但し、読むのは純文学などとは程遠い海外のハードボイルド。
とはいうものの、私、むかし時代には速読を誇っていたものだから、毎月「文芸春秋」「ミステリマガジン」「SFマガジン」「プレジデント」「月刊プレイボーイ」「週刊ダイヤモンド」と、6冊の雑誌を職場に配達してもらっていた。ホントです。我ながら信じられない・・・。

だが、歳を重ねるにつれ、読む雑誌もズルズルと減少し、哀しいかな今読んでいる雑誌はなんと「文芸春秋」のみ。トホホホ・・・。

「文芸春秋」には、必ず芥川賞を受賞した作品が毎年掲載されている。ハードボイルドおたくであるにもかかわらず、世間の話題についていくために、毎年掲載される純文学の代表ともいえる芥川賞の作品を読むことにしている。
ところが大問題発生。一気読みどころか二気読み三気読みしなければならぬ。起承転結のストーリ慣れをしている私にとって、ほとんどの作品が突然終わって「コレ、何???」

ここだけの話だが恥ずかしながら、何日もかけてこんなに苦労惨憺のうえ読んだのに、何故か素敵感がわいてこない。ウーン、純文学って不可解きわまる。

その私が、なぜか北九州市文学館の友の会のメンバーになっており、文学館からいつもいろいろなイベントのお知らせがくる。

北九州市立男女共同参画センター・ムーブで行われる「第11回 林芙美子文学賞」の表彰式・記念トークのお知らせがきた。

この文学賞は北九州市にゆかりのある林芙美子にちなみ、中・短篇小説を対象に創設されたもので、応募作品530編の中から、大賞に津田美幸さんの「アナグマ」佳作にチヒロ・オオダテさんの「燃ゆる馬」が選ばれた。
選考委員は井上荒野さん、角田光代さん、川上未映子さんの3人。

各地に文学賞ってたくさんあると思うが「林芙美子文学賞」も九州の一地方都市が主催するローカルな文学賞に過ぎない・・・と、思ったら大間違いのコンコンチキである。
わが街の「林芙美子文学賞」は、自慢じゃないがと云いながら声を大にして自慢したい・・・なんと「林芙美子文学賞」受賞者の内、朝比奈秋さん、鈴木結生さんは芥川賞を受賞、他の受賞者もいろいろな文学賞を受賞したりノミネートされており、文壇への登竜門となっているのである。エッヘン!!!

3人の選考委員さんの名前で想像がつくと思うが、ローカルな文学賞なれど、選考は厳しくて過去11回の選考で3回も大賞なしとなっている。

表彰式の後、3人の選考委員さんから、作品についての講評があり、それを聞いていると純文学に無縁の私だが、絶対に読まねばならぬという気になってしまった。幸いなことに、入場者には受賞した2作品が掲載されている作品集がタダで配られているのである。なんという気配り!!!

受賞式のあと、芥川賞を受賞した朝比奈秋さんの記念トーク。創作の悩み苦しみなど話されたが、メチャクチャ苦しいことが重なって死ぬしかないと思い詰めたことがあったそうである。

私、一気読みどころか二気読み三気読みをしたなんてボヤいていたけど、作者の皆さんは一気書き二気書き三気書きどころか四気書き五気書きしたあげく、振出しに戻ったりしたというように、暗中模索のうえ悪戦苦闘して疲労困憊を重ねて作品を紡ぎ出してきたんだと思うと「素敵感なし」なんて言っては失礼であろう・・・と、云いたいところだが・・・ホント、純文学って「???」

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