与党のオエライさんの悪知恵をのせて・・・ン? 失礼、与党のオエライさんの希望をのせて「改正政治資金規正法」がめでたく成立した。
1988年のリクルート事件後「企業・労働組合・団体などから政党・政治団体への政治献金を制限する代償」として、政党交付金を国庫から支給することが決まった。
かくして、毎年約310億円前後の交付金が9党に、自民党には160億円前後の交付金が支給されているにもかかわらず、岸田ソーリ曰く「政治にはコストがかかる」から、160億円ポッチでは政治活動に支障が起きるとのお言葉である。
しかし、本来であれば国から160億円で政治活動をしなさいと決められているのだから、その範囲で政治活動をしなければならないはずである。
我々しもじもの人間は、収入が少なければやりくりして収支を合わせるしかないが、なにしろオエライさん達は頭脳明晰ときているから、パーテイーを開いてパーテイー券を押し売りし・・・ン、訂正、パーテイー券を販売して活動資金を稼ぐことを思いついたのであろう。
30年ほど前、私が単身赴任で東京支社で勤務していた時、会社は3人のオエライさんと付き合いがあり、その秘書様が毎年パーテイー券を持って来たものである。
総務部長であった私が対応していたが、秘書様はオエライさんの使いで来たのだから、やはりエライのである。だから「パーテイー券を買って下さい」などというお願いムードなしで、当たり前の顔をして
「ハイ、パーテイー券5枚」と封筒を差し出されると、断るなんて失礼なことが出来る訳がない。
「わざわざお出で頂きありがとうございます」と、私の方が頭を下げてパーテイー券の代金を差し上げるような仕組みになっている。
なじしろ、秘書様はアチコチ回らねばならぬので忙しい。お茶を出す暇もなく5分位で取引終了。営業活動なんて皆無。
パーテイー券は買うだけでいいのである。オエライさんにしてみれば、参加者が少ないほどホテルに対する支払いも少なくてすむから、秘書様は「パ-テイーに来て下さい」なんて余計なことは言わない。
しかし、私、単身赴任である。晩メシは自分で作らねばならぬ。パーテイーは3か所とも一流ホテル。私、ニコニコとパーテイーに出かけ、オードブル形式で出された豪華なご馳走をたらふく食べるようになっている。
どこの会社も、自動的に支払うようになっていると思うので、営業努力なしでノルマ以上の売り上げがあるのは当然であろう。
かくして、まっとうな政治活動だけでなく、胡散臭い政治活動をするためには「お小遣い的」に気ままに使えるお金が必要となるが、頭脳明晰なオエライさんはノルマ以上のパーテイー券の売り上げがあったら、ポケットに入れようと考えるのは当然の成り行きであったに違いない。
53人の「ポケットにポイ」のオエライさんは「胡散臭い政治家活動に使ったなんてとんでもない。まっとうな政治活動に使いました」と云うのなら「政治倫理審議会」に出席して、支出明細と領収書を提示すればいいのに、誰も出席しないってことは、胡散臭い使い方をしたと白状したと同然である。
オエライさんって「政治倫理審議会」に出席して「申し訳ない」と頭を下げることも出来ない無責任人間?
お店の売り上げを計上していないのがバレた時、売り上げを修正しても脱税に問われるが、オエライさんはポケットに入れたお金を、会計帳簿に計上さえすればおとがめなしになっているらしい。
「改正政治資金規正法」を作っても頭脳明晰にして思慮遠謀なオエライさんのことだから、あの手この手を駆使して抜け道を見つけるに違いない。
だから、今迄とおりパーテイーをやって「お小遣い」的にお金を使い、10年後に「ナントカ料亭」や「カントカ百貨店」や「支払先未記入の謝礼金」など不可解な領収書が出てきても、
「10年前のことですから、支出した目的など覚えていません。しかし政治活動として使ったに違いありません」と言われたら追求のしようがない。これにてチョン。
だから、パーテイーを禁止すれば、有象無象の問題は全て解消するだろうが、多数決を誇る与党OKする訳がない。夢物語である。