2021年に東京オリンピック競技大会組織委員会会長の森さんが失言を振りまき「老害」とたたかれ辞めることになってしまった。
私、合唱団「北九州をうたう会」で、エンエン20年間も歌ってきて、あげくの果てに「代表幹事」になってしまったものの、森会長と同じく名前も一緒、年齢も一緒。
テレビや新聞で「森辞めろ&森辞めろ」と叩かれているのを見ていると、他人事とは思えなくなってしまった。
どうやら「老害」というものは、自分では「老害」なんて思ってなくても、周りには「老害」をまき散らしていることになるらしい。それで、森オリンピック委員会長と同じように、私、面と向かって「辞めろ」と云われる前に、「代表幹事」を辞めることにした次第である。
北九州市には、わがニッポン国にある合唱団の中でも、最高に入団資格が厳しいといわれる合唱団がある。いくら上手に歌えると云っても入団できる訳ではない。その厳しい入団資格というのは「80歳未満はお断り」・・・そう、そして合唱団の名前は、
「80歳からの合唱団」
私、昨年83歳。幸いにもこの厳しい入団資格をクリアー出来るということもあって、さっそく入団したが、会員の最高齢は94歳。なにしろ、80歳は若手ということになっているから、私、83歳にして中堅のバリバリである。「ジジイ」なんて言っては困る。
この合唱団は2018年に設立され、第1回の演奏会を開いたもののコロナのため、練習も演奏会も中止せざるをえなくなっていたが、ようやく11月17日に第2回演奏会を戸畑市民会館で開催することになった。
無論、私も出演し「故郷」や「雪」などの童謡唱歌や「上を向いて歩こう」や「幸せなら手をたたこう」など12曲を歌い、すこぶるいい気分。
童謡「七つの子」を「カラスなぜ泣くの カラスの勝手でしょ・・・」と歌いたいと思ったが、「カラスなぜ泣くの カラスは山に・・・」とちゃんと歌うことになった。真面目な合唱団である。
この合唱団は、一見「ジジババ合唱団」と誤解されるかもしれないが、とんでもない。合唱の指揮をされたのは、プロ中のプロである岩﨑洋一先生。東京藝術大学声楽科卒業、北九州市少年少女合唱団で38年間指揮をとられ、全日本合唱連盟ジュニア・コーラス・フェスティバル全国大会では5回出場し「あおぞら賞」を受賞。現在北九州音楽協会理事長・福岡県合唱連盟顧問でもある。
ピアノ伴奏は、ピアニストの古賀千恵さん。北九州市出身で桐朋封学園大学卒。ドイツ国立ミュンヘン音楽大学院修了。ヨーロッパで1994年からルーマニア国立放送交響楽団等と共演、多くのリサイタルを行って2000年帰国した。
演奏会の指揮も演奏もプロ中のプロ。かくして、合唱団もシロウト中のシロウト・・・ではなくて、80歳以上にしては上出来の上出来と自画自賛している。
メンバーには80歳以上という自覚に欠ける人が多いが、建前は80歳以上となっているから「お年寄りをいたわりましょう」の精神で、岩﨑先生の指導はとってもやさしい。
先生が「このように歌いなさい」と言っても、みなさん「ハイハイ」と答えるだけで、次の練習の時には、ケロッと忘れるようになっている。だから、岩﨑先生、ムダな指導はやらず、
「ハイ、良くできました」とニコニコ。上手に歌えたかどうかなど、心配しなくてもよろしい。ストレスなしで、楽しさいっぱいの合唱団である。
そして、この歳で「老害」ならぬ「老音」をまき散らす「場」があるとは、わが街北九州市は素敵な街である。
※ 北九州をうたう会ーーー1978年、市制15周年を記念して、日本を代表する作曲家 團伊玖磨と本市に縁の深い栗原一登の作詞により作られた合唱組曲「北九州」。300人を超える市民合唱で雄大に歌い上げられる“ふるさと讃歌”は、ふるさとを愛する私たちの心に大きな感動を与えてくれます。
管弦楽は九州交響楽団、小倉祇園太鼓保存振興会 響會が勇壮な太鼓演奏で北九州の音の風物詩を演出します。