日本シリーズ2022は、なんとオリックスが優勝!!!
私は、生粋のジャイアンツファンだから、どこのチームが勝とうと「どこふく風」だけれど、オリックスファンなら、失礼ながら26年ぶりの日本一だから
すっごく「驚き」に違いありません。
そして、私もとっても年寄りでしょ。だから毎日が「驚き」の連続!!!
見逃したはずのドラマに 見覚えが ※1
何をしにここに来たかと考える ※2
と、残り少ない人生の貴重な時間をムダにしながら生きています。
と、いう訳で、今日の「ハードボイルドに恋をして7」は、2022年4月15日のプログ「ご機嫌いかが 3」の続編です。
驚 き
かれの顔はアルファベットの〝Q“だらけになった。眼、口、頬、鼻孔がOの形になったのだ。
角川書店「悪党たちのジャムセッション」ドナルド・E・ウェストレーク/沢川進訳
私は、もう何年も正直に汗水たらして働いたことも、酒も飲まずに一日を終わったこともなかった。おかげでここ三週間のあいだにおこった出来事も定かに覚えていない始末だ。
早川書房「酔いどれの誇り」ジェイムス・クラムリー/小鷹信光訳
病院に受け入れられた速さという点ではおそらく私が最高記録保持者だろう。ふつうなら、係員がこっちの健康保険の確実性をチェックしいているあいだ受付のデスクでえんえんと待たされ、そこいらじゅうを血だらけにしてしまったりするのだが、・・・スイスイもいいとこ、アレヨアレヨという間に入院してしまった。
角川書店「暗くなるまで待て」トニー・ケンリック/上田公子訳
外では、母なる自然が十年に一度の最悪の冬だという気象庁の発表に感嘆符をプラスしていた。
早川書房「死者は惜しまない」ナンシー・ピカード/宇佐川晶子訳
(俺たちが発行している「文芸書評及び文芸」という新聞は)
・・・実にまともな内容のものだ。いったいどんな人間がわれらが格調高き紙くずを買うのか、どうしてもわからないのだが、とにかく誰かが買っていることだけは確かだ。
二見書房「ピンク・ウォッカ・ブルース」ニール・バレット・ジュニア/飛田野裕子訳
(ベッドを共にした彼が不意を衝いてやってきたので)
わたしの心臓は伸長回転、うしろ宙返り、屈伸回転といった三連続技を決めた。
集英社「コンピューターから出た死体」サリー・チャップマン/吉澤康子訳
一週間前には、小さな丘で幸せな隠遁生活を送っていたのに、今のぼくは、・・・72年型の走る凶器のなかに閉じ込められている。人生はまさに、経験の喜びに満ちあふれた不思議で美しいカーニバルだ。
東京創元社「仏陀の鏡への道」ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳
(ニューヨークの財団の仕事を引き受けると言ったら、ニューヨーク嫌いの夫のジェフが)
「きみが引き受ける決心をしたら、ぼくとはこれまでだな」
わたしはまじまじとジェフを見た。
「わたし、何か聞き落した? それともわたしたち、筋道の通った会話抜きで、いきなりÅ地点からZ地点までジャンプしちゃったの? 永久にニューヨークで働くなんて、誰もひとことも云っていないんじゃない」
角川書店「涙のマンハッタン」ナンシー・ピカード/宇佐川晶子訳
アイルランド人は権謀術数に長け、深謀深慮に富む。普段は脳天気だが、要所要所で知恵を絞る。
早川書房「伯爵夫人のジルバ」ウォーレン・マーフィー/田村義信訳
ドイツという名の「一風変わった、論争好きで危険で勤勉で几帳面で組織的で能率的で神経症的で病的なまでに自己中心的で予測しがたい」国に入った。
新潮社「蘇った鷹たち」ジョセフ・ヂィモーナ/永井淳訳
(分娩に立ち会って)
すると俺の赤ん坊の頭が出てきた。ひゃー、なんて 醜い顔だ。男の目に醜く映る新生児の顔が女に美しく見えるのは不思議だ。これも男と女の生物学的相違だな、とつくづく思いながら俺は数えていった。耳が二つ(確認)、目が二つ(少なくとも目の痕跡らしきものが一対あるが、これはつぶっているんだな。確認)、鼻が一つに穴が二個(確認、確認)。
フロイライン・グリュッツが俺の視線を遮って赤ん坊の腋の下に手をかけ、
「イズ・グッド・イズ・グッド」と云って俺の方にうなずいて見せた。すると、オッセンホーデン医師が彼女の肩越しにのぞき、やましさをともなわずに出産料が取れることを確認した。
医師と産婆が二人がかりで、へその緒がついた赤ん坊を引きずり出した。腕が二本(確認)指が束になり、親指がそれぞれ一本ずつ(確認)、胸と胴が一つずつ(確認、確認)脚が二本(確認)
それから俺は股ぐらに目をやった。俺は見た。
「ひゃー、大変だ」なんてえこった。恐れていたものがついにやってきた。とっさに未来が、恐怖映画の果てしない廊下か何かのように閃めいた。ああ俺たちの欠陥児。悲嘆にくれるマリー。不具ゆえに、なおさら可愛い我が子を抱いて医者巡り・・・行く先々で説明の必要に迫られ・・・。
「ああ、なんという悲劇だ。ベニスのない息子が生まれるなんて!」
「ま、作り方が間違ったんだろうな」と、オッセンボーデン医師が言った」
「女の子だから」
「イズ・グッド・イズ・グッド」とフロイライン・グリュッツ。
「なんだ」と俺は云った。「そういうことか」
扶桑社「最後に笑うのは誰だ」ラリー・バインハート/工藤政司訳
(彼女はいつも体からこんなオーラを発しているかどうか知らないが)
目に宿っている生き生きとした光を集めて利用することができるのなら、私のアパートの電気代を1週間分節約できそうだった。
早川書房「偽りに契り」スティーヴン・グリンリース/黒原敏行訳
「ほんとうにエルビスが好きなの?」
「最高だ」
「おやおや」ジャキーは云った。
「あなたって意外性の人なのね」
早川書房「ロンリー・ファイター」バーラン・コーベン/中津悠訳
スーザンがまた私を見て微笑した。千隻の舟を走らせ、トロイの雲に達する塔を焼き払いかねないほどの強力な微笑だ。
早川書房「歩く姿」ロバート・P・パーカー/菊池光訳
(連邦検事はどこから情報を仕入れたか何度も要求したが)
ヴェロニカもまたそのたびに、折り目正しく〝くそ食らえ〟との意向を伝えた。どうやってネタを仕入れたのかとおれが尋ねても、モナリザの微笑を浮かべるだけだった。おれはその笑みを前にすると、自分が何を訊こうとしていたのかを忘れてしまった。
早川書房「記者魂」ブルース・ダシルヴァ/青木千鶴訳
彼女は長い脚と大きな胸、ハート形のふっくらしとした唇の持ち主だ。髪は濃い茶色でいつも黒く染めてあり、たった今、ベッドを出たばかりといった感じにわざとくしゃくしゃにスタイリングされている。 ~ バーやレストランで男たちの目が彼女に釘づけになるのを僕は見ていた。これは自己投影かもしれないが、男たちが彼女に向けるまなざしは貪欲で原始的だ。彼女を見ると自分の生きているのが、男が常に武器を帯びている時代や場所でなくて本当によかったと思う。
東京創元社「そしてミランダを殺す」ピーター・スワンソン/務台夏子訳
掲載した川柳は、公益社団法人全国有料老人ホーム協会の「シルバー川柳」から
※1 瀬戸ピリカ(神奈川県、57歳、女性、POPデザイナー)
※2 安田三貫也(千葉県 79歳 男性 パート)