北九州市立文学館で7月22日に「上橋菜穂子と<精霊の守り人>」展の開会式と開会記念講話が行われた。
私は、文学館の友の会に入っているので、特別展が開催されるときは、開会式の招待状が届く。
文学館の館長今川英子先生は、私的に言えば、素敵な女性にして、かつ彼女の企画する特別展は見に行く前から「素晴らしい」ということになっているから、いつも期待に胸を弾ませてイソイソと出かける。
念の為に言っておくけれど、イソイソと行くのは今川英子先生に会えるから行くわけではない。あくまでも展覧会を見に行くのである。これ、本当である。
展覧会のテーマとなっているのは、NHK総合TVで4Kで撮影され昨年より2回に分けて放映中のファンタジー大河ドラマ「精霊の守り人」である。今年の11月に最終回となる「シーズン3」が放映されることになっているそうである。
もともと、ファンタジー映画は私の趣味ではない。まあ、かの有名な「ハリーポッターシリーズ」は、世間の話題についていくために見に行ったけれど、ファンタジーファンになるまでには至っていないのである。
しかし、この「精霊の守り人」の予告を見た時、凄腕の用心棒「綾瀬はるか」のカッコいい戦闘シーンを見て、私の大好きな弾を撃って撃って撃ちまくるドンパチ映画のハラハラドキドキシーンと相通じるものがあったので、ファンタジードラマだったけれど見ることにした次第である。
今回の展覧会は、国際アンデルセン賞を受賞した上橋菜穂子の代表作「精霊の守り人」シリーズの関連資料や文化人類学の研究資料、TVドラマやアニメの関連資料など上橋菜穂子の魅力あふれる展示で、驚いたのは異世界「ナュグ」を表現したインスタレーション。
インスタレーションを経験したのは、私、初めてである。上下左右全面鏡張りの小部屋に入ると、どこを向いても私がいっぱい、ドッキリ&ビックリ。
おまけに正面の鏡には、私自身が異世界の人間となって怪しく映し出されいて、私の動きに合わせて、ぴったり動く。異世界が体験出来るという仕掛けである。
私がインスタレーションの室に入ったとき、若い女の子が飛んだり跳ねたり踊いたりして「キャッキャッ」と楽しんでいたけれど、それを見ていると異世界の世界にいるようで、楽しい経験をさせてもらいました。
開会式の北橋健治市長と今川英子館長の挨拶の後は開会記念講話。講師は、NHK大河ドラマ「精霊の守り人」の監督をしている片岡敬司さん。撮影中の映像を交えながらの裏話は、驚くばかり・・・。
綾瀬はるかが戦うとき見せる短槍シーンは、VFXで合成されたものと思っていたら実写らしく、彼女は運動神経抜群ということで、力いっぱい振りまわす槍に、バッタバッタと倒れる敵役の俳優さん達は戦々恐々らしい。
ファンタジーながら、ロケした場所は宮崎や鹿児島が多いそうで、どうもわが九州は、異世界に近いみたいで嬉しくなってしまいました。
このドラマはNHKの大河ドラマより、製作費は高いということだけれど・・・これは、言われなくってもドラマを見ているだけで分かる・・・外国では高い評価を受けているとのことである。外国では、平安時代や江戸時代と言ったってピンと来ないから、大河ドラマといえども受けが悪いらしい。
文学館の展覧会と言えば、今までは作家の自筆の原稿や手紙など、展示物に事欠かなかったけれど、今や、原稿はパソコンで手紙はメールでという時代になって、文学館の展覧会は何をどう展示するか苦慮する時代になっているそうである。
でも、話題を先取りしたこの「上橋菜穂子と<精霊の守り人>」展」は、センスあふれる展示も素晴らしく、インスタレーションを取り入れたりして、画期的な展覧会になっていました。
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この展覧会は9月3日まで開催されていますから、どうぞ見に行ってくださいね。
そしてNHKのドラマを見てない人は、展覧会に行けばNHKのドラマを見ようと言う気になりますから、どうぞ、見に行ってくださいね。