心にひびいて・・・言葉

 梅雨。私は雨がダイキライである。窓の外をシトシトと・・・ドカドカとではない・・・降る雨を見ると、心も穏やかに静まる心地がするけれど、窓の外を歩くのはダイキライである。何故かと言うと、私、雨に濡れるのがダイキライだからである。
むかし昔その昔のそのまた昔・・・きっと誰も知らないんでしょうけれど・・・「雨に唄えば」というミュージカル映画があって、ジーン・ケリーがどしゃぶりの雨の中で傘を相手に夜の街角で歌い踊る有名なシーンがあったんだけれど、ウン、まあ今でも思い出すくらいの素敵なシーンだったけれど、でもやっぱり、私、雨に濡れるのはダイキライである。
だから、梅雨はダイキライ!!! いいかげん年寄りだから、外出しないでノホホンと雨が降るのを見てればいいけれど、何故か忙しく、6月に外出しなかったのは5日だけという散々たる有様である。雨嫌いがつのる毎日なのである。
私にとって、梅雨は憎つき相手だけれど、日本語って凄いんですね。梅雨を表す文字を見ると、優雅で美しい言葉がいっぱいあって、
「梅雨って素敵!!!」と惑わされてしまいそうである。
五月雨、茅花流し、麦雨、田植雨、黴雨、短夜の雨、走り梅雨、水取雨、霖雨、筍梅雨・・・。
言葉って、不思議な力をもっているんですね。そう、詩人 谷川俊太郎の詩「言葉」の通り・・・。

    言葉   谷川俊太郎

何もかも失って
言葉まで失ったが
言葉は壊れなかった
ひとりひとりの心の底で

言葉は発芽する
瓦礫の下の大地から
昔ながらの訛り
走り書きの文字
途切れがちな意味

言い古された言葉が
苦しみゆえに甦る
哀しみゆえに深まる
新たな意味へと
沈黙に裏打ちされて

うん、そうなんですね。「ひとりひとりの心の底で」とあるように、ここで私の心に響いた言葉をご紹介します。

朝日新聞朝刊の一面に鷲田清一さんが選んだ「折々のことば」という小さなコラムがあります。そこに掲載されていた言葉の数々から・・・。

でもなぜ、人間は自分と違うものを許せないんだろう ・・・ 川上弘美

海のものとも山のものとも知れないのは、君にとっての彼女であり、彼女にとっての君なのだよ ・・・ 池上哲司

続けるという行為は、えてして新しいことに取り組むよりもエネルギーのいることなのかもしれない ・・・ 山中隆太

ホラは他人をよろこばすためふくもの ウソは自分のためにつくもの ・・・ ある父親

悩みってほんとはすごくシンプルなことをあーだこーだ言い訳することから始まるのね ・・・ 安田弘之

理解し合えるはずだという前提に立つと、少しでも理解できないことがあった時に、事態はうまくいかなくなる ・・・ 村上龍

どん底には明日があり、頂上には下りしかない ・・・ 坂本健一

お前は自分が常に正しいと思っているだろう。しかし正しいことを言うときは人を傷つけるということを知っておけ。 ・・・ 竹下登

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