男の悲哀・・・

春。女性がコートを脱ぎ捨て、ボインボインの胸をふくらませて歩く素敵な季節。ウン、私が大好きな季節。エーット、好きな理由は、ボインボインだけではありませんから、念の為・・・。
そして、桜も満開。歌人 諸星詩織の

夜桜を見に行かないかと君が言う 思いっきり幸せを抱きしめる瞬間

と、いうような幸せは私にはないけれど、その素敵な季節にふさわしい映画を見てきました。「LA LA LAND」

例外のない原則はないといわれるけれど、私、柔軟性に富むすぐれた性格をもっているので、例外が多すぎて何が原則なのか分からなくなってしまうことが多くて困ってしまうくらいである。
と、いう訳で先週みた映画「LA LA LAND」は、我が愛するドンパチ映画と無縁のミュージカル映画。
これが、なんと素敵に良かったこと!!! 

この映画の監督は、アカデミー賞3部門を受賞した音楽映画「セッション」と同じ監督だけれど、今回のこの映画もアカデミー賞は6部門、ゴールデングローブ賞も7部門、ベネチア国際映画祭では、主演のエマ・ストーンが最優秀女優賞を獲得したというすっごい映画である。
内容は「セッション」とガラリと変わって、私が愛した古き良き時代のミュージカル映画を彷彿とさせて、心の中で拍手喝采。
オーディションに落ちっぱなしの女優志願の卵と場末のバアで働くジャズピアニストのラブストーリィだけれど、華麗なダンスや音楽は無論、その画面のお洒落な書割や夢見るような背景に素敵がいっぱい。それに違和感のない画面の切り替えなど、ため息溢れるミュージカル映画でした。
私、ジャズも大好き。画面に流れるジャズにうっとり聞き惚れ、画面にはうっとり見惚れていたけれど、And it on の時に流れたエマのスローバラードの歌がなんたって最高!!!

どうか 乾杯を 夢追い人に
たとえ 愚かに見えても 夢見る人に 乾杯を
愚か者たちに 傷つく心に 乾杯を・・・

このプログのタイトルは「夢旅人」。と、いう訳ではないけれど、歌詞がとっても素敵でしょ、メロディをお聴かせ出来ないのが残念だけれど、心に沁みるようにエマが歌ってくれました。
そして、心キュンしたのは最後のシーン。「セッション」の時も、最後の10分間のジャズドラマーの演奏シーンは圧巻で息を詰まらせて見た次第だけれど、「LA LA LAND」の最後の10分間のシーンは、男の悲哀をしみじみ感じさせられて、心に涙。
ウーン、ラストシーンの二人が眼を合わせた一瞬の素敵なこと・・・。
と、書いても
「ン?、何のこと?」と分からないでしょうから、是非、映画を見て下さいね。まだ、上映されているでしょうから、エンドロールまでしっかりと・・・。

※ 諸星詩織 ーー 本名 糸満久美子。1945年沖縄県生まれ。詩集に「憑かれた口笛」「愛ポポロン」など。

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