ほれぼれ&ニコニコ

我が街が誇る北九州市立文学館が、平成18年11月1日に開館して今年で目出度く10周年。これを記念していろいろなイベントが開催された。
と、いうことで、文学とはあまり関係ない私だけれど、今川英子館長のファンである私は「文学館友の会」に入会しているので、案内の書類がいろいろ送られてくる。
目玉は特別企画展として「没後20年 司馬遼太郎展」。それと同時に10周年を記念して五木寛之さんの講演会などいろいろなイベントが開催されたけれど、私が参加したのは「バースデーコンサート」と「リリー・フランキー氏と山崎ナオコーラ氏の対談」
開館日に合わせて11月1日に文学館交流ホールで行われた「バースデーコンサート」は、プログラムにヴァイオリンが加来洋子さん、チェロが関原弘二さん、ピアノが宮崎由紀子さん・・・と、書いてあるのを見てビックリ!!!
と、いうのは、宮崎由紀子さんは、先月私が出演した北九州ソレイホールでの「グランソレイユ コーラスフェステバル」演奏会で、合唱の伴奏をしたピアニスト。練習の時には、とってもすっごくたくさんお世話になった方である。
出演した3人とも、我が街北九州で活躍する音楽家だけれど、関原さんはイケメンだし加来さんは美人だし宮崎さんはとっても可愛くてチャーミング。3人がステージに上がっただけでほれぼれうっとり。
エ、何? 「演奏を聴いてほれぼれするなら分かるけれど、それっておかど違い」だって・・・。
ウーン、でもステージの素敵3人を見ながら素敵な音楽を聴く。これって、見てほれぼれ&聴いてほれぼれ、ほれぼれの二重奏。ウン、素敵がいっぱい。
それに驚いたのは、文学館の演奏会ということで、作家や作品にちなむ楽曲を選曲したということである。演奏の前に、楽曲と作品とのかかわりについての説明があり、
「ウン、なるほど・・・」と納得。だけど、選曲を文学館がしたのではなく、文学とはかかわりがないと思っていた3人でしたと聞いて、ビックリ。音楽家だけれど、文学にも詳しいなんて、ホント、しつこいようだけど、見てほれぼれ&聴いてほれぼれ&知ってほれぼれ。ほれぼれの三重奏。
演奏されたのは、村上春樹の同名の作品からビートルズの「ノルウェイの森」など11曲。それと我が街にゆかりのある作家3名を取り上げて、林芙美子の作品からヴェルディの「乾杯の歌」とオードウェイの「旅愁」を、平野敬一郎の作品からショパンの「子犬のワルツ」を、森鴎外の作品からワーグナーの「婚礼の合唱」が演奏されて拍手喝采。楽しく文学館のバースデイを祝いました。
終わって、宮崎由紀子さんと握手を交わし、再会を期してサヨナラしました。シ・ア・ワ・セ。

NHKBSTBで月曜日に放映されている音楽番組「Covers」の司会をしているのがリリー・フランキー。勿論、ゲストがカバーする楽曲も楽しみだけれど、彼の音楽に対するウンチクもゲストとの軽妙な会話のやりとりも面白くて、私、すっかり彼のファンになっているのである。
それで、芸術劇場で開催された両氏とも北九州市出身の「リリー・フランキー氏と山崎ナオコーラ氏の対談」を聴きに行ったのだけれど、普通、純文学作家の対談と言えば、高尚な文学論が取り交わされるので、額に皺を寄せて聞かねばならぬと思って行ったら、これが、なんと型破りの対談となったのである。
リリー・フランキーは文学者だけれど自然人で博識人でしょ。だから、話はあっちに飛びこっちに飛んで文学そっちのけ。司会役の今川英子館長が、話題を文学に戻そうとする様子がいじらしく微笑ましくって、私ニコニコ。
対談相手の山崎ナオコーラさんは名前の由来が「本名 山崎直子。コーラが好きだから山崎ナオコーラ」と言うだけに、アッケラカンとして二人のやり取りを聞いていて、今川英子館長に
「私に話を振らなくってもいいですよ」とニコニコしている。
そして、彼女は芥川賞の候補に7回もなっているんだけれど、8回候補になって取れなかったら、芥川賞を取れなかった作家の新記録を立てることになるから、
「芥川賞、取れなくってもいいんですよ。だけど、私、すっごく貧乏なんです」と、これもニコニコして話す。
なんと素敵な性格。私、すっかり彼女のファンになってしまっった。
今川英子館長さんは、気をつかって大変だったでしょうけれど、彼女とリリー・フランキーは、とっても仲が良いんだと感じられ、ニコニコ溢れる対談となっていました。

※ 加来洋子
東京音楽大学卒業。2000年ウイーン春期セミナー、2003年イギリス湖水地方夏季講習会などに参加。ヴァイオリンを篠崎永育、篠崎功子、の両氏に師事。北九州新人演奏会、北九州芸術祭等に出演。現在、室内楽を中心に演奏活動を行う。響ホール室内合奏団首席奏者。
 
関原弘二
東京音楽大学卒業。堀了介、金木博幸の各氏に師事。1992年より上海市、北京市、南京市、青島市、韓国などアジアでも演奏活動をおこなう。1998年佐世保市、2005年アクロス福岡、2010年長崎にてチェロ協奏曲を演奏。演奏の他に音楽プロデュースを多数手がける。シティオペラ・バレエ管弦楽団オーガナイザー。響ホール室内合奏団首席チェロ奏者および楽員長。福岡教育大学非常勤講師。

宮崎由紀子
福岡教育大学・同大学院音楽科修了。’93、’95、’97、’05年響ホールにて、2010年西南学院大学チャペルにて、ピアノリサイタル開催。ウィーン、京都、ニース夏季国際音楽アカデミー等で研鑽を積む。2007年九州交響楽団と共演等、ソロ・伴奏の両面で活躍中。西南学院大学、大分県立芸術文化短期大学音楽科、九州大学芸術工学部非常勤講師。北九州音楽協会常任理事。北九州シティオペラコレペティトゥーア。

リリー・フランキー
本名、中川 雅也。北九州市小倉生まれ。武蔵野美術大学卒業。日本のマルチタレントで、イラストレーター、ライター、エッセイスト、小説家、絵本作家、アートディレクター、デザイナー、ミュージシャン、作詞家、作曲家、構成作家、演出家、ラジオナビゲーター、フォトグラファー、俳優など、非常に多種多才な顔を持つ。作詞や作曲をする際は、“Elvis Woodstock(エルヴィス・ウッドストック)”というペンネームで活動している。ロックバンド「TOKYO MOOD PUNKS」のボーカル。

山崎ナオコーラ
本名、山崎 直子。北九州市生まれ。國學院大學文学部日本文学科卒業後、2004年に会社員をしながら書いた「人のセックスを笑うな」で第41回文藝賞を受賞して、作家となる。國學院大学兼任講師として日本近現代文学を講じている。
「人のセックスを笑うな」・「カツラ美容室別室」・「手」・「ニキの屈辱」・「美しい距離」・「人のセックスを笑うな」・「カツラ美容室別室」で、それぞれ芥川賞候補となる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)