10月に行ったツアーの名前は「秋のカナダ浪漫紀行 9日間」。浪漫紀行と云えば、ノンビリ・ホンワカ旅行と思ったら、大間違いのコンコンチキ。過密旅行である。
でも、これって勤勉にしてせっかちで何でも見なきゃあソンソンという我がニッポン国の国民性に合わせて作られたツアーだろうから文句も言えぬ。
ホテルの出発時間は、ほとんど8時か9時だったけれど、モーニングコールは6時か7時。ところがAm3時と3時30分出発の時が2回もあって、モーニングコール、ン? 訂正、ミッドナイトコールは1時30分と2時30分!!!
私、自慢じゃないけれど「遅寝遅起き」を身上としているから、Am3時に寝たことは数々あれど、1時30分に起きたことは我が生涯で1度もない。
我が家の就寝時間はいつも12時。早く寝れったって無理な話である。
と、言っても遅れたら広大なカナダ大陸で路頭に迷う羽目に陥るので、必死の覚悟で起きた次第である。
でも、「必死の覚悟」と「浪漫紀行」って、なんだか矛盾していない?
1回目の早起きは、アメリカ西海岸に位置するカナディアンロッキーからアメリカ大陸を横断して、東海岸のナイアガラヤに移動する時だし、2度目は、カナダのモントリオールからシカゴ経由で、これも大陸を横断して成田に帰る時だから致し方ないのであろう。
カナダはロシアに次いで世界で2番目に広い国だそうで、移動する時に2回も時差があって、時計の針を早めなければならぬ。
でも、腹時計って修正できないでしょ。朝飯食べたらもう昼飯って、忙しいたらありゃしない。
ウーン、狭いニッポン国に生まれて幸せ・・・。
かくして、6時にセッセセッセと起きて、セッセセッセとあちこち行ったけれど、圧巻はアサバスカ氷原とナイアガラ瀑布とケベック郊外のオルレアン島の紅葉。
アサバスカ氷河には、1.5mのデカタイヤを履く雪上車で行ったけれど、氷河の長さ6Km、幅1Km。氷河の厚さは見えないけれど360mもあるという・・・ウン、想像を絶する別世界。
晴天だったけれど、キンキンの冷たさに我がいとしの君もキンキンに縮こまり、スッテンコロリンを得意とする私は、身も心もおっかなビクリで氷河の上をチョロチョロした次第である。
この氷河は温暖の影響を受け120年で1500mも後退したそうだから、この氷河がなくなる頃、人間も住めなくなっているに違いない。ホント、早く生まれてきて良かった!!!
私の孫のその孫の・・・以下ネンエンと続くから略・・・は、可哀そうデス。
ナイアガラ瀑布は、TVなどでお馴染みの場所だから、マア、想定内だったけれど、受付で貰ったレインコートを頭からかぶり遊覧船に乗って滝壺近くまで行ったら、そのスケールに圧倒されて、「瀑布」という字の「瀑」と「布」を恐ろしいほど納得。
もし、我がニッポン国にこんな瀑布があったら、水車を10個くらい作って原発なんかいらなくなるのではないかと思うけれど、ホント残念。
うちのかみさんは「紅葉のカナダ」が憧れ・・・。
私は、我がニッポン国も紅葉の名所がいっぱいあるので、なにもカナダくんだりまで行かなくってもいいのにと思ったけれど、私は生まれつき女性に弱いうえに、うちのかみさんには特に弱い。だって、「うちのかみさん」というけれど、漢字で書けば「うちの神さん」。文句を言える訳がない。
それで、この旅の目的は紅葉だったけれど、うちのかみさんの言う通りカナダの紅葉って想定外。
我がニッポン国の紅葉は、どちらかと云えば「点」でしょ。カナダの紅葉は「面」。
メープル街道やアルゴンキン公園やら行くところ全て、紅葉に美しく染まって、うちのかみさん超満足。うちのかみさんが機嫌が良ければ、私も自動的に機嫌が良くなる仕組みになっているので、ウン、満足。
特に、ケベック郊外のセントローレンス川に浮かぶ小さなオルアレアン島の紅葉はスーーゴイ!!!
色鮮やかな赤・青・黄に彩られた紅葉の林がズズズイーのズイと広がる中に、瀟洒な家が点在し一見別荘風のたたずまい。
「ウーン、こんなところに住みたい」と嘆息したら、
ガイドさん、曰く「冬は零下20度。それでもいい?」
そうなりゃ仕方がない。ここに別荘を建てて、紅葉の秋にだけ来ることにしよう。
「そう八さんって、そんなお金持ちなの?」
「ウン、もち3億円当たるようになっているから大丈夫」