桜も爛漫。素敵にイイ気分。
私、夏は暑いからキライ。冬は寒いからキライ。好きなのは春と秋。
春と秋と比べると、秋は枯葉散る失恋の秋だから、惚れぽっくて振られっぽい私とっては、どちらかと言えば春の方が好き。
女性がコートを脱ぎ、セーターのふくらみを見せつけて、颯爽と歩きはじめるから春の方が好き・・・という訳ではない。本当である。
春風駘蕩、心弾み何かじっとしてはいられないような気分。街に出なきゃソンソンという気がする。そんな華やか気分にさせてくれるから春が好き。
でも、イイ加減年寄りになった今では、豪華絢爛に咲き誇る桜の樹の下で、花より団子とばかり呑めや食えやの大宴会をやるより、ハラハラと桜散る樹の下で、特に名を秘すあの人と・・・エーット、うちのかみさんと・・・お茶を飲みながら、みたらし団子など食べた方がいいと思うようになってしまった。
そう、西行法師の句にあるように、
春風の花を散らすとみる夢は さめても胸のさわぐなり
その散る姿がとりわけ美しいと感じてしまう。
そして、イイ加減に年寄りを卒業したら、同じ西行法師の
願わくは 花のもとにて 春死なむ その如月の望月の頃
という句にあるように、桜咲く4月にあちらの世界に旅立つのが夢だけれど、とかくこの世はままならぬ。
どうも私は、赤ちゃん返りをしてオムツをはめ、桜の花はそっちのけでスプーンで食べさせてくれる美人のヘルパーさんをシミジミ見つめているに違いない。
ウーン、現実は厳しい。今からは、美人をシミジミ見る癖を直していった方がいいのかもしれぬ。
そうしたら、良寛の辞世の句と言われてる
散る桜 残る桜も 散る桜
の心境になれるかも・・・。