支配からの卒業

 ようやく春。春は別れと出会いの季節。
 人生も別れと出会いの繰り返し。別れのない出会いはあり得ないけれど、3月は別れの時、卒業の時。
 そして卒業といえば、尾崎豊の『卒業』を、つい思い浮かべてしまう。
 渋谷の旧東邦生命ビル(現渋谷クロスタワー)のテラスの壁に、尾崎豊のモニュメントと「17歳の地図」の歌詞が付けられてある。
 私が、花の東京で華の独身生活・・・ン? 訂正、華の単身生活を送っていた頃のオフイスは、この旧東邦生命ビルの近くにあったので、帰り道に時々この東邦ビルに立ち寄ったものである。
 テラスの壁に付けられたモニュメントの周囲に、訪れたファンからのメッセージが壁いっぱいに書かれていたものだけれど、今でも、多くのファンが訪れているらしい。
 私は、彼のファン年齢からはかけ離れたおじさん年代だったから、彼のデビュー曲「17歳の地図」は聴いてもいなかったけれど、1985年に発表された「青春」を、たまたまラジオで聴いた時は、驚天動地・茫然自失!!!
 以来、彼のファンとなってしまった。

「青春」の最後のフレーズ

行儀よくまじめなんて クソくらえと思った
夜の校舎 窓ガラス壊してまわった
逆らい続け あがき続けた 早く自由になりたかった
信じられぬ大人との争いの中で
許しあい いったい何 解りあえただろう

うんざりしながら それでも過ごした
ひとつだけ 解ってたこと
この支配からの卒業
卒業して いったい何解ると言うか
想い出のほかに 何が残るというのか
人は誰も縛られた かよわき子羊ならば
先生あなたは かよわき大人の代弁者なのか
俺達の怒り どこへ向かうべきなのか
これからは 何が俺を縛り付けるだろう
あと何度自分自身 卒業すれば
本当の自分に たどりつけるだろう

Oh―――Oh―――

仕組まれた自由に 誰も気づかずに
あがいた日々も終る
この支配からの 卒業
闘いからの 卒業

 私は、いいかげん年寄だから、「この支配からの卒業」を何度も重ねてきたつもりだけれど、すぐ新たな支配に囲まれて、本当の自分に辿りついているという気がしない。人生に「さようなら」を告げる時には、「この支配から卒業したよ」と言いたいものである。

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