気分は最低

 私、爽やかな秋だというのに機嫌が悪い。生粋のジャイアンツファンである私は、4月15日のこのコラムで「気分は最高」と、この世の春を謳歌したというのに、いつのまにか「ゴーゴー ジャイアンツ」が「マケマケ ジャイアンツ」に変身してしまった。
 こんな信じられないようなことが起こるなんて、ホント、人生は不可解なことに満ち溢れている。
 かくして、私の今年のプロ野球シリーズは早々と5月で閉幕。以来、目をつぶって新聞のスポーツ欄の頁はめくることにしているし、TVのスポーツニュースの時間になったら、オシッコに行ったり、新聞を読み直ししたりして忙しいたらありゃしない。
 でも「気分は最高」のコラムに書いたとおり、私はジャイアンツの負けた試合のTV中継など1度も見ていないのだから、我が愛するジャイアンツは依然として「栄光のジャイアンツ」のままである。
 我が家は先祖伝来の由緒あるジャイアンツファンなので、負けたからと言って
「このジャイアンツのアホ、バカ!!!」なんてことは、いくら心で思っていても・・・ン? 訂正、チラッとも思ったりしたことはないので、外のチームに鞍替えするなんて厚顔無恥なことをする訳がない。
 でも、ジャイアンツの出ない日本シリーズなんて・・・そんな、あってはならないことが起こる時代になってしまったけれど、来年からセリーグでも上位3位のチームは、うまくいけば日本シリーズに出ることが出来るようになるらしい。
 だから、シッチャカメッチャカに力いっぱい戦って、やっと1位になれたと思っても、マアマアの戦いをして3位になったチームが、要領よく短期決戦で勝ち進めば日本一になれるのである。
 でも、こんなバカな話ってある?
 私は、我が愛するジャイアンツが3位だったのに、日本シリーズで日本一になったと言っても、ちっとも、うれしくない。3位のままで結構。選手も、3位の成績しか残せなかったのだから、納得するはずである。
 反対に、悪戦苦闘してリーグ優勝を遂げても、日本シリーズに出場出来なかったチ-ムの選手たちは可哀想。我がニッポンは、努力すれば報われる国のはずだったけれど、どうも、アメリカ流となって、努力は評価の対象にならず、結果良ければ全てよしの「結果オンリー」の国になったようである。
 1年間かかって挙げた成果を無視するなどという、そんな発想が出てくるっていうのは、これって、工場で汗水流して一生懸命働いている人たちが無視され、コンピューターをこき使って儲けることが出来る人たちが脚光を浴びるという風潮が強くなったせいかもしれぬ。 
 日本人の大半は、体に汗をかいて働く人である。額に汗をかいて働く人は、ほんの1部の人であろう。ニッポンは、身体に汗をする人たちに支えられているのに、ああそれなのに、そんな人を、ないがしろにするような国にどうしてなったの?
 それに、ジャイアンツどうして負けるの? 
 私、新聞のスポーツ欄をしみじみ読みたい。

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