白い一日

 毎週木曜日に放映されるNHKTVの「音楽・夢くらぶ」と、フジTV系で土曜日に放映される「ミュージックフェアー」は、私のお気に入り番組で、毎回必ず見ている。
 そのNHKTVの「音楽・夢くらぶ」で小椋佳と一青窈が11月3日に出演!!!
 一青窈は、その名を「ひととよう」と呼ぶように、摩訶不思議な雰囲気を持った歌手である。彼女の『もらい泣き』を初めて聴いた時、引き込まれてしまいそうな独特な歌い方に魅せられてしまったけれど、その彼女が井上陽水の曲の中で一番大好きだという『白い一日』を小椋佳と歌ったのである。
 なんとスッゴイ!!! 実は、私も陽水の曲の中で、この曲が一番好きな曲なのである。この一言で、一青窈は私にとって「歌のうまい歌手」から「大好きな歌手」に変身。なんたって、陽水のフアンは多いけれど、『白い一日』が一番好きという人は少ない。彼女と同じ感性だなんて、こちとら髪の毛うっすらハゲ模様にもかかわらず、うれしくなってしまった。

まっ白な陶磁器をながめては飽きもせず
かと言って触れもせず そんなふうに君のまわりで
僕の一日が過ぎてゆく
目の前の紙くずは古くさい手紙だし
自分でもおかしいし やぶりすてて寝ころがれば
僕の一日が過ぎてゆく
ある日踏切りの向こうに君がいて
通り過ぎる汽車を待つ
遮断機が上がり ふり向いた君は
もう大人の顔をしてるだろう
この腕をさしのべて その肩を抱きしめて
ありふれた幸せに落ち込めればいいのだけれど
今日も 一日が過ぎてゆく

 この曲は、私が東京で華の独身生活‥‥ン? 訂正、華の単身生活をしていた時、目黒のマンションで(勿論、言うまでもないが、誰かさんのマンションではない。私が住んでいたマンションである)、日曜日の午後、FM東京を(勿論、言うまでもないが、誰かさんと一緒にではない。私一人で)つくねんとホンワカ気分で聴いていた時に流れてきた曲である。
 その時、何故かしらねど、この詞が私の気持にぴったりフィット!!! 以来、私の大好きな曲となってしまった。
 ところが、一青窈がこの曲を歌い終わってから、
まっ白な陶磁器をながめては飽きもせず かと言って触れもせず‥‥の歌詞が、とってもエロテイック」と,この曲の作詞をした小椋佳に言ったのである。
 ウーン、なんとエロテイックとは!!! 
 一青窈のこの言葉で、私がこの曲を聴いたとき、何故ぴったりフィットしたのか初めて理解できたのである。
 なんたって、この曲を聞いたとき、しっつこいようだが、誰かさんのマンションで誰かさんと一緒に聴いた訳ではない。私の1DKのマンションで一人寂しく聴いていた訳である。だから、多分、「エロティク憧れ症候群」に感染していて、この曲に共鳴したに違いない。自分でも気がつかなかった私の深層心理まで解き明かしてくれるなんて、一青窈はエライ。「だーーーい好きな歌手」にすることにしよう。
 藤井文弥が、ある音楽番組で「タイムマシンって、本当にあるんだよ。懐かしい歌を聴いたら、その時代に戻るでしょ。だから、音楽はタイムマシン」と言ったが、その通りである。『白い一日』を聴くと、目黒の1DKの部屋が蘇ってくる。言うまでもないけれど、これは私の住んでいたマンションで、それも一人で‥‥。

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