『ハードボイルドに恋をして3』は「魅力がいっぱい」と「感じる?」の2編です。
「魅力がいっぱい」では、「眼」「鼻」「乳房」「ヒップ」「服装」「化粧」「声」を
「感じる?」では、「好感」「予感」「反感」「冷淡」「孤独」に関する名言を集めました。お洒落な表現、ニヤリとする言葉、ウン納得と思わせる言葉に出会って頂ければ、こんな嬉しいことはありません。
眼
ケアリー夫人は意外そうに大きな茶色の目を見開いた。きれいな目だ、とトレースは思った。もう少し若かったら、夢をみさせてくれただろう。
早川書房「二日酔いのバラード」ウォーレン・マーフィー/田村義進訳
エイミーは・・・大きなワイシャツの襟元を抑えて立ちながら、ぼくの目をじっと見た。ぼくのぼやけた脳味噌の中を無数の偏執的な幻想が通り過ぎた。彼女は挑むような目を向けてきた。ぼくはのぞき見したくなった。
早川書房「破産寸前の男」ピーター・バーセルミ/斎藤数衛訳
メリーアンはわたしのほうに向き直ると、大きな茶色い目のワット数をあげ、心の底から訴えるようにいった。
早川書房「バラは密かに香る」デイヴィット・M・ピアス/佐藤耕士訳
仄かな光の下で二人の目がからみあった。彼女の目の色が変わりつつあった。それは、ヴィンセントが記憶に留めたい目の色ではなかった。もっと好ましい色を彼はすでに胸の奥にしまってある。いまの目は真剣で悲しげですらある。こちらの身を案じているせいでろう。が、それは後日、思い出のページをめくるとき脳裏によみがえってほしい目の色ではなかった。
文芸春秋「グリッツ」エルモア・レナード/高見浩訳
さわさわと波うちぎわに吸いこまれていく泡のような、やさしい瞳をしていた。
福武書店「うたたか/サンクチュアリ/吉本ばなな
ポーラの目が、ジャックをむずとつかまえ、引きこもうとするような表情を帯びた。瞳は明るい灰色で、黄色い筋が放射状に入っている。それはジャックに春の黄昏時と、砒素を思わせた。
早川書房「ビッグ・タウン」ダグ・J・スワンソン/黒原敏行訳
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