グランソレイユ合唱団に乾杯

わが街北九州市は「合唱の街・北九州」として、全国的に知れわたって・・・いないけれど、とにもかくにも、まあ、そういうことになっている。
この「合唱の街・北九州」のキャッチコピーが出来たのは今年。だから、知れわたっていないのは当然だけれど、合唱を通じてさらに元気な人づくり・街づくりを進め、合唱のすそ野を広げて合唱のレベルを上げようという趣旨である。
と、いう訳で北九州市が主体となって「グランソレイユ合唱団」が結成され、2000席の規模を持つ「北九州ソレイユホール」で演奏会を開催するということになったのである。
わが街には、もともと、コーラスグループは数知れず、合唱団も乱立気味みたいだから、新たに合唱団を立ち上げてもメンバーが集まるの?と思っていたけれど、「グランソレイユ合唱団」のメンバーは、なんと65歳以上の人と小学生の子供たちを対象にするという。
おじいちゃん、おばあちゃんが孫と一緒に歌いましょうという仕組みである。
よく考えてみると、わが街には児童合唱団に中学校の合唱団、あとは大人の合唱団と年代別に組織され、大人と子供が心を一つにして歌う合唱団はないのである。
なんとうまいこと考えたなと感心した。ジジ・ババの劣化気味の声をカバーして子どもたちが歌えば効果抜群と、その点からいってもいうことなしである。
それに、カータイ合唱団ではなくユールイ合唱団ということだし、楽しく歌いましょうということなので、後期高齢者を除くとは書かれていなかったから、いい加減年寄りの私でも「マ、いいか」と勝手に判断、参加することにしたのである。
シニア&子ども合唱団の仕組みを考えたのは、きっと賢明な北九州ソレイユホールの橘照子館長さんの発想だと思うけれど、それより素敵なのは橘館長さんが引っ張ってきた合唱指揮・指導者。
藤原歌劇団の日本を代表的するテノール歌手村上敏明さん。10回にわたる練習の都度、東京から来てもらうという贅沢な仕組みになっていて、練習の時には、村上敏明さんがオペラのアリアを歌ってくれるというおまけ付である。
ステージに立つ私たちに向かって、客席を背にソレイユホールいっぱいに響き渡る歌声を聴くという贅沢なひと時を過ごすことが出来ました。
演奏会に先立ち10月9日に、北九州市小倉区の大型商業施設「リバーウオーク」のミステックコートで「まちかどコーラスinリバーウオーク」が開催され、市内の20の合唱団が参加。
「グランソレイユ合唱団」も出演して「フニクラ・フニクラ」と「オーソレミオ」の2曲を村上敏明さんと一緒に歌い、村上敏明さんはソロで「グラナダ」と「マイ・ウエイ」を歌って大喝采。すごいでしょ。でも、これって村上敏明さんのおかげ・・・。ウーン、村上敏明さんがいなかったら小喝采だったかもしれぬ。
と、いうことで、演奏会本番は10月22日。「イタリアのカンツォーネ」「日本の歌」「オペラの名曲」など、市民が主役「合唱の街・北九州」を全国に発信するコンサートです。ジジ・ババだけでなく、とっても可愛い子ども付の合唱と素敵な村上敏明さんの独唱をお楽しみください。

グランソレイユ コーラスフェスティバル

日 時  10月22日17時
場 所  北九州ソレイユホール
出 演  
・輝かしい受賞歴を誇る小学生合唱団
 北九州市立日明小学校合唱団
・男性合唱の持つやさしさと力強さを
 男性合唱団 Yahata Men’s Chorus
・私たちはいつまでも歌い続けます
 北九州市少年少女合唱団OB会
・村上敏明さんとともに皆で歌おう
 村上敏明とグランソレイユ合唱団
入場料  1000円

 
※ 村上敏明ーー国立音楽大学卒。藤原歌劇団。東京芸術大学非常勤講師。2001年より2007年までイタリヤ・ポローニヤに留学。イタリヤオペラを中心に45役を超えるレパートリーを有し、「NHKニューイヤーオペラコンサート」にも数多く出演している。

これって、お国自慢?

自慢話というものは、話す本人はトクトクと話し、聞く方は
「ア、そう・・・」と聞き飛ばすものだけれど、お国自慢は、
「エッ、そうなの」とびっくりするものが多いから、ニコニコして聞く方が多い。
そして、お国自慢は、無論そこに住んでいる人はみんな知っていて当然だけれど、住んでいる人も知らないお国自慢もある・・・フーン、そんなの、お国自慢にならないでしょ、と言われるかもしれないけれど・・・それがあるのである。私の住む街 北九州市に。
宝島社が発行している月刊誌「田舎暮らしの本」8月号に、「50歳から住みたい地方ランキング」の第1位はなんと我が街北九州市。
これは、政府が推進する「生涯活躍のまち」構想を推進する191の自治体を対象に「医療」「介護」の公的データーと移住支援・住宅対策・生涯活躍のまち・シニアライフ・医療介護体制の5ジャンル34項目からなるアンケートを集計した結果だそうである。
フーン、私、いい加減年寄り。れっきとした50歳以上だけれど、私、住みたい街は東京と思っていたので、我が街が住みたい街になっていると聞いて、びっくり&驚き&大愕然!!!
「隣の女房と芝生はきれいに見える」という類の話かと思ったけれど、シニア世代を意識した街づくりを目指し、病院や介護施設が充実し、再就職支援セミナーやお試し居住など移住者の歓迎度も高く高得点を得たという、真面目な調査結果である。
ウーン、そう言えば、私、60歳でリタイヤして単身赴任の東京から帰った途端再就職、66歳でそこを辞めたらまた再々就職して72歳まで働いたし、我が町内にはすぐ駆けつけてくれる町医者もいるし、私の住んでいる小倉北区内だけにも大きな総合病院が3つもあるし、介護施設や老人ホームも数えたことはないけれどいっぱいあるし・・でも、これって私的にはフツーと思っていたんです。
だけど、ここだけの話だけれど、全国政令指定都市の中で高齢者率が最高の街は、なんと北九州市。政令指定都市の平均は24.7%、北九州市は26.8%。
「ナーンダ、お年寄り向きの街になるって当然じゃないの。威張ってもダメよ」って思うでしょ。
ウン、それもそうなんだけれど、早まるなかれ、20政令指定都市の中で「次世代育成環境ランキング」で第1位となったのは、我が街北九州市なんです。ホント、私的に言えば、再度、びっくり&驚き&大愕然!!! 
NPO法人エリガテ大手前が、出産・乳幼児保育・児童福祉・児童保育・母子福祉・小児医療について、それぞれ環境評価をした結果、次世代育成環境が整っているということで、総合順位の1位は北九州市と発表。先般週刊誌等にも取り上げられて、話題となったそうである。
そりゃ、私、いい加減年寄りだからピンとこないけれど、我が街が年寄りにも若い人にも素敵な街と、そんなムシの良い話ってある?
と、云いたいところだけれど、正真正銘ホントの話です。
でも、住んでいる人に実感がないっていうのも、なんだかヘン・・・。
これって、お国自慢になるの?

※ この夢旅人のカテゴリーに「ハードボイルドに恋をして 2」を掲載しました。「時の過ぎ行くままに」のタイトルで、人生・時・青春・若さ・衰に関するキザでニヤニヤしてさもありなんという台詞を掲載しております。

この「ハードボイルドに恋をして」は、私が読んだ海外のミステリィ本から引用していますが、私、今年78歳。終活の一環として、ケチ精神を発揮して溜めこんでいたこれらの本を処分しようと思いましたが、捨てるに忍び難く「文庫本によるハードボイルド&ユーモアミステリィ全集」と銘打って目録を作成、福岡県行橋市の図書館に相談したところ、ハヤカワポケットブックスを含む文庫本515冊を引き取って頂くことになりました。私、借金を完済したようなスッキリ気分、お世話になった行橋市図書館の方々に心よりお礼申し上げます。

時の過ぎゆくままに

『ハードボイルドに恋をして 2』は「時のすぎゆくままに」というタイトルで、「人生」「時」「青春」「若さ」「衰え」に関する名言集です。お気に入りの台詞があれば嬉しいけれど・・・。お暇な時にお読みください。

人 生

・・・ゆっくりと歩いてゆくリースを見送りながら、人間は一生のうち何度ぐらい人生をやり直せるものだろうかと思った。

早川書房「酔いどれの誇り」ジェイムス・クラムリー/小鷹信光訳

その日、その日を何げなく過ごしてもそれほどひどい事は起こらない。人生は単調なものだと感ずることはあるだろうが、われわれは、そんな人生が気に入っているのだろう。

早川書房「黒い風に向って歩け」マイクル・コリング/木村二郎訳

「これで彼女はぼくのことを思い出してくれるよ。・・・風が吹きすさび、海が荒れ狂うたびにね。人間は誰にも思い出してもらえないままで一生を終ったりしちゃいけないんだ」

早川書房「小さな土曜日」アーウィン・ショー/小泉喜美子訳

それから、おれの人生の貯蔵庫の中に、ひとつふたつプラスがはいっていないかと扉をあけてみた。それが間違いだった。おれはいきなり中からどっとあふれ出したマイナスの奔流の下敷きになった。

早川書房「怪人ホーホー博士」ロス・H・スペンサー/田中融二訳

どこまで信じてよいかわからないが、すくなくとも、彼女の人生観は九九換算表のように冷たいと思ってよいだろう。

二見書房「スキャンダラス・レディ」マイク・ルピカ/雨沢泰訳

貧すると、人は哲学的になるらしい。
「人生が思いどおりにいくことなんてあるのかな?」

文芸春秋「悪い奴は友を選ぶ」T・ホワイト/松村潔訳

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ヒト科の生物ってアホ?

秋雨前線の雨がシトシト降って、あのアツクってあつくって暑くって熱い夏がようやくENDマーク。ホットしてヤレヤレ。
今日も雨が降っているけれど、夏のドカドカ雨と違って、秋のシトシト雨っていいですね。
家にいて窓からシンシンと降る雨を、好きな曲を聴きながらポケートして見るのが好き。ネ、ザワザワした心が静まるような気がするでしょ。
雨の歌はいろいろあるけれど、私が好きなのは小泉今日子の「優しい雨」。この歌の冒頭の

心の隙間に 優しい雨が降る 疲れた背中を そっと湿らせてく

ウーン、こんな雨が好き。だけど、歌人諸星詩織の

雨の日の窓のガラスに張りついた この哀しみの色はなにいろ

のように、恋を失った人には、同じ雨でも心に寂しく沁みて「冷たい雨」となり、人によって雨もそのよそおいを変えるんですね。
しかし、最近の雨って、そんな詩情を失いドカーと降っては、ニッポン各地というより世界各地で「観測史上最高の豪雨」が続出しているでしょ。
でも、これって、人間が地球をやりっぱなし痛みつけた結果、そのツケを払わされているに違いありません。だから、異常気象を作ったのは、われわれ人間と思って諦めざるを得ないんでしょね。
そのうえ、地球や自然を利用つくしたのに飽き足らず、もっと生活を豊かにしようと、自然界にはない原子力を利用して電気を生みだしたのは良いけれど、先日、原子力規制委員会が原子炉から出た廃棄物について国が10万年保管することにしたと発表・・・ア然!!!
10万年後の世界って想像できる? 
原発で生まれた廃棄物処理のツケ付けを10万年後に廻すっていう発想・・・超無責任にして超現実的で超身勝手な話・・・そんなことが初めから分かっているのだったら、原子力を利用するのは止めようって考えは、どうして生まれなかったのかしらん。
宇宙でも稀な地球という星に生息するヒト科の生物って、エラそうな顔をして地球を支配しているけれど、アホじゃないの?

※ 諸星詩織ーー本名 糸満久美子。1949年生まれで沖縄県出身。掲載した短歌は「雨あがりの窓」より。他に詩集「愛ポポロン」など。

ゴジラをお供に

今年のニッポンの夏は、アツクってあつくって暑くって熱くって・・・そしてゴジラがいっぱい。
TVで第1作の「ゴジラ」が60周年記念デジタルリマスター版となって放映されたのをはじめ「ゴジラ対ビオランテ」・「ゴジラ対モスラ」・「ゴジラ×メカゴシラ」・「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ」・「ゴジラ モスラ キングキドラ 大怪獣総攻撃」・「ゴジラ FINAL WARS」などが放映されるようになっていたので、新聞のTV欄を目を皿にして毎日チェク。
私、ゴジラファンだけれど、いい加減年寄りなのでストーリなどきれいさっぱりすっかり忘れ去っているでしょ。だからワクワクして新作映画を見る気分・・・そう大満足。
そして本命は、今回上映された「シン・ゴジラ」。監督はあのエヴァンゲリオンの庵野秀明。私、エヴァンゲリオンファンでもあるので、きっと今までのゴジラ映画とは違うかも・・・と思って見に行ったら、ウーン、その通り大正解。
今度のゴジラは、今迄の着ぐるみのゴジラではなくってフルCGのゴジラでしょ。本物以上にゴジラそっくり。~エーット、本物のゴジラがいるのか、なんてヤボなことは聞かないで下さいね。~
アメリカ版のゴジラは、醜悪な恐竜そっくりで看板に偽りありと思っていたけれど、さすが我がニッポン国は正統派。VFXの技術とうまく組み合って、すべてのシーンは現実そのまま実写風。特撮技術のレベルの高さは、きっと世界一に違いありません。、
映画の前半、自衛隊が出動するまでは我がニッポン国の内閣・政府高官・検察庁などのオエライ人が、ゴジラ対策を巡って
「アアでもないけどコウでもない」とケンケンガクガクの屋上屋を重ねて会議をする訳だけれど、いかにも現在のヌールイ行政を皮肉っているみたいで
「さもありなん」と、私、ニヤニヤ。でも、アホみたい・・・なんてことは云ってはいけません。なんたってゴジラ映画ですから。
でも、ゴジラが来なくっても、かかる災難に見舞われた時、オタオタしてもらっては困るんだなァと心配になりました。
後半は見事にゴジラとの戦いを演じきって、さすが庵野秀明と東宝特撮技術。今までのゴジラ映画を超える映画になっていました。
そして、この特撮技術の魅力を展示した「ゴジラ展~大怪獣、創造の軌跡」が福岡市美術館で開催されていましたので、このクソ暑い中をわざわざ博多まで行って見てきました。
展覧会では、映画に登場する怪獣たちの造形・デザイン画・セット図面・記録写真・イラストなどが「ゴジラの誕生」・「昭和期」・「平成期」・「ミレアム期」と分けて約680点も展示。なんともスゴーイ!!!
特撮にかかわった人々のなみなみならぬ想像力・創造力・表現力に脱帽!!! ネ、あのおどろおどろしい三っ首のキングキドラを作ろうって発想なんて、どこから出てきたの? って思うでしょ。
実物の正確な縮尺によるミニチュア用図面なんか見ると、長さの単位が「メートル」ではなくって「尺」で表示されていたものもあって・・・若い人は知らないでしょうね。尺という単位・・・ほんと職人さん、あっぱれって感じ。手作りによる特撮って、その苦労がにじみ出ていてCGとは違う良さを感じられ・・・ウン、感動しました。
そして、ゴジラによって福岡美術館が破壊されるという「怪獣王福岡に現る」という超短編も上映されていたし、高さ200cm幅180cm長さ220cmのシン・ゴジラも展示されていて迫力いっぱい。感動いっぱいで帰りました。
ついでに布製の「シン・ゴジラ トートバッグ」が付録についている雑誌「シン・ゴジラ」を1,800円也で購入。帰って、このバッグに書類を入れて、意気揚々と外出しようとしたら、我が息子が
「それって、買ったなどと言わないで、孫から貰ったことにして」と、言語明瞭・意味不明なことを云うので・・・エート、ここは老いては子に従えと言うので・・・孫から貰ったゴジラバッグのゴジラをお供にいつも外出しています。ハイ。