ヤレヤレのヤレヤレ

私は、代々・・・と言っても2代目だけれど、大のジャイアンツファンである。GoGoジャイアンツといって、勝って当たり前、負けるなんてことはあってはならないという時代、そう、巨人・大鵬・卵焼きの古き良き時代を経験しているジャイアンツファンである。

だから、ジャイアンツは勝って当たり前と思っているから、TVでも勝っているジャイアンツしか見ない。勝っていても同点になったらスイッチOF。だから、負けた試合など見たことがない。夜のニュースで勝ったと聞いたら、無論スポーツニュースのはしごをする。新聞のスポーツ欄は、しみじみ幸せを感じながら読む。負けた時は、スポーツ欄はパスする。

そういう、健全なファン生活を送っているのに、ああそれなのにそれなのに・・・今のジャイアンツは見る影もなく衰えて・・・。なんと過去最長の4季連続ダメダメダメ!!! トホホホ・・・。

今年は、セリーグの優勝争いの試合に挑んだのではなく、なんと情けないことには3位争いの試合に出場。それも最終日に決まるなんてダラシナイことおびただしい。これがジャイアンツ???

昔は、セ・パの1位が試合をし日本一を決めていたけれど、今は、3位のチームでも日本一になる可能性があるんでしょ。そんなアホなことってある?

1年間も一生懸命全力を絞って試合しても、マ、イイカ的試合をして3位になったチームが日本一なれるってことでしょ。これって、スポーツ精神でなくって金儲精神を発揮して出来上がったルールなんでしょうね。

ジャイアンツがセで1位になっても、日本一になれない可能性があるでしょ。だから、GoGoジャイアンツ時代の私は、怒り心頭に達していたけれど、・・・ウーン、時代は変わり、今年のジャイアンツはセの3位。

私、コロッと心変わりして、ウン、ジャイアンツは3位でも日本一になって、セ・パ1位のチームの皆さま、アンチジャイアンツの皆さまに、

「お気のどくさま」と言いたいです。

これって、正夢になりますように・・・。神様お願い・・・。

 

本は好きだけれど・・・

朝日新聞のコラム「Be between~読者とつくる」に「本を読むのが好きですか」という特集が出ていた。

一日の読書時間がゼロの大学生が5割を超えたという全国大学生協連合会の発表があったし、電車に乗ってもスマホを見つめている人はいても、本を読んでる人は皆無に近いでしょ。だから、街に本屋さんが消えていくのも仕方ない・・・と、思っていたら、なんと、「本を読むのが好きですか」のアンケートに応じた1679人の出した回答が、

「本を読みのが好き」と答えた人が88%、「いいえ」と答えた人は12%。これってマンガ本とかムック本を除いての結果だそうである。

「好き」な理由は、1番多いのが「知識や情報が得られる」、次が「楽しくおもしろい」、その次が「想像力、空想力が養える」

「いいえ」の理由は、まず「時間がない」、次が「視力低下など体力低下」、その次が「他に面白いことがある」そうである。

ウーン、両方の答えに大納得。だって、私、昔は「好き」だけれど、いまや「いいえ」でもある。読書に関しては2本立て興業をやっているのである。

私、ズズズーイとさかのぼれば、なんと毎月6種類の雑誌を本屋から配達してもらっていたのである。週刊誌は「週刊ダイヤモンド」、月刊誌は「プレジデント」に「文芸春秋」に「ミステリマガジン」に「SFマガジン」に「プレイボーイ 日本版」。まったく、今となっては信じられない話だが、ズズズーイと初めから終わりまで全頁を読んでいたのである。

ン? 何?「プレイボーイは読んだのではなく、外人のボインボインのピンアツプをうっとりして見つめていたのじゃないの?」だって・・・。

そうじゃないんだって・・・。もうこの雑誌は廃刊されているけれど、当時は開高健などのエッセイが掲載されていたでしょ。私、全頁読破主義だから、仕方なしにピンアップの頁はしみじみと・・・ではなくパラパラとめくって見ただけ・・・。ウソみたいな話だけれどホントである。本人が言っているのだから間違いない。

現役時代は、出張ばかりだったから、6種類の雑誌に加え文庫も少なくとも3冊は読んでいたのに、なんと、今、読んでする雑誌は「文芸春秋」だけである。トホホト・・・落ちぶれたものである。

落ちぶれた理由は、あれこれ仕事を抱えていて「時間がない」し、私、すっかり年寄りだから「視力低下など体力低下」。なんと絶望的状況!!!。

私は、現役時代に、タバコも吸わず酒も飲まず、パチンコなどのギャンブルもせず、浮気もせずにリタイヤしたら読もうと思って、せっせと全集ものを買い込んでいたんです。

「浮気もせずにって本当?」などと言わないでくださいね。私、人畜無害なんですから・・・。

買い込んでいたのは「世界ミステリイ全集」とか、箱入りのマニアックな全集ばかり10種類。188冊である。それが書斎の本立てにズズズーイと並んでいて、いまだにアホみたいに仕事をしているものだから、その中で読んだのはたったの6冊。不肖の息子たちは、

「あれは、本ではなくて装飾品」と言っているけれど、無念残念口惜しや!!!

目出度くもあり目出度くもなしの80歳に7月に到達。そこで来年の年度末には、今、やっている仕事をおさらばして悠々自適の生活に入り、在庫の本を片っ端から読んでいこうと思っているけれど、なんたって「視力低下など体力低下」でしょ。

「助けて!!!」

アンチ ハードボイルドの皆さまへ

すっかり秋模様・・・と、言いたいけれど、なぜか30度の日も多く、今日はTシャツ?それとも半袖シャツ?と、どうでもいいことに悩んでいます。

私、ハードボイルドのミステリー大好き人間だから、このプログにも「ハードボイルドに恋をして」のシリーズをエンエンと展開しているけれど、

「ハードボイルドって何?」っていう人から見ると、私が自慢げに

「素敵!」と持って掲載している文章を見ても、チンプン&カンプンらしい・・・と、いうことが分かりました。

そこで、今日のプログはアンチ ハードボイルドの皆さまに捧げることにしました。

この文章は鷲田清一氏が朝日新聞の1面に毎日掲載しているコラム「折々のことば」から、私の好きな言葉を拾ったものです。

でもなぜ、人間は自分と違うものを許せないんだろうーー川上弘美

悩みってほんとうはすごくシンプルなことを あーだこーだと言い訳することから始まるのねーー安田弘之

ホラは他人を喜ばすためにふくもの ウソは自分のためにつくものーー ある父親

お前は常に自分が正しいと思っているだろう。しかし正しいことを言うときは人を傷つけるということを知っておけーー竹下登

海のものとも山のものとも知れないのは、君にとっての彼女であり、彼女にとっての君なのだよーー池上哲司

今日も、明日も、明後日も、順調に問題だらけーー向谷地悦子

続けるという行為は、得てして新しいことに取り組むよりもエネルギーのいることかも知れないーー山中隆太

どん底には明日があり、頂上には下りしかないーー坂本健一

明るみに出ていることの裏にも重要な事実があり、原則には例外があり、できごとには背景があるーー高坂正堯

理解し合えるはずだという前提に立つと、少しでも理解できないことがあった時に、事態はうまくいかなくなるーー村上龍

愛想のないのを悪意のしるしと取ってしまうのは誤りであるーー鹿島茂

恋というものは、自分の描く理想像に自分がのめり込んでいるようなもので、ほんとうのところ、いつまでやってもきりがないーー吉本ばなな

われわれが人工によって変化させ、一般の秩序からそらしてしまったものこそ野蛮と呼んで当然ではないかーーモンテーニュ

エ?何? 「ウン、これだと素直に納得」だって・・・。エーット、そうじゃなくって

「ハードボイルの方が好き」と、誰か言ってくれないかなァ・・・。

 

ハードな気分で その2

9月になると言うのに、今まだに夏真っ盛り気分。シッチャカ・メッチャカ熱い日々を、ハードな気分で吹っ飛ばしましょうね。ということで、4月15日に掲載した「ハードな気分で」の続編です。

判 断

ディックナーが紹介した。彼女は力のこもった握手をして、慎重に私を見回していた。私にタイヤが付いていたら蹴ってみたに違いない。

早川書房「レイチェル・ウォレスを捜せ」ロバート・B・パーカー/菊池光訳

(タバコを)

・・・鼻孔をかすかに広げて煙を吐き出した。官能主義者だ。それはまちがいない。

角川書店「俺には向かない職業」ロス・H・スペンサー/上田公子訳

・・・一人前に警官の目つきで見る。用心深く分析的で不信感のあられな目。

サンケイ出版「歪んだ果実」ジョナサン・ケラーマン/北村太郎訳

「何かに深く絶望しているように見えるけど、でも、あなた、いい観察眼を持っているわ」

「少なくとも絶望に関しては」

早川書房「暗闇にひと突き」ローレンス・ブロック/田口俊樹訳

彼は鋭い目でわたしを見た。・・・しばしわたしを値踏みする。・・・不愛想で、中産階級で、テニス・コートで人目を引くこともない。私の価値など彼が楽しい週末に使う小遣いぐらいのものだろう。

東京創元社「夜の海辺の町で」E・C・ウォード/小林祥子訳

(トップレスの店に入ってみて)

「セックスいっぱい。ちょっぴりいかがわしく、すてきないかがわしさ」

早川書房「破産寸前の男」ピーター・バーセルミ/斎藤数衛訳

シェリー・ルーは、ぼくにはわからないぼくというものがわかり、ぼくはことわざ集のようなものであり、夜明けと同じくらい予測がつきやすい人間だと思いこんでいる。それに関してはえらい自信だ。

二見書房「ピンク・ウォッカ・ブルース」ニール・バレット・ジュニア/飛田野裕子訳

パリオはにやりとし、彼のような男にいかにも似つかわしい、男性ホルモンのテストステロンに誘発された光を目に浮かべて、わたしを上から下まで眺めた。わたしのことを性的に抑圧されたお堅い司書タイプだと決めつけ、たとえば昔の映画のボガードのような好みの男が姿を現したら、わたしが眼鏡をかなぐり捨て、髪を揺すっておろし、盛りのついた猫よろしくふるいつくだろうと考えているにちがいない。むしょうに腹が立ったけれども、もっとくやしいのは、わたしが眼鏡をはずし、髪を揺すっておろしても、あいかわらず性的に抑圧されたお堅い司書タイプのままかもしれない、という点だった。

集英社「コンピューターから出た死体」サリー・チャップマン/吉澤康子訳

彼を値踏みするようにつくづく眺め、その長所や短所を分析し、取るに足りない男のカテゴリーに分類しようとした。

集英社「コンピューターから出た死体」サリー・チャップマン/吉澤康子訳 続きを読む

その時が来たんだ

8月15日。今日は「終演記念日」。昔むかし「敗戦記念日」と言っていたらしいけれど、これってかっこ悪いでしょ。だから、いつの間にか「終戦記念日」となったようです。
今や、終戦の日のことを覚えている方はそのうちいなくなり、現実感はなくなって「歴史上の出来事」になってしまうのでしょうけれど、その日のことを詠んだ詩があります。この詩は1951年、67年前に書かれたものだけれど、その時点で、もう石垣りんは「その時が来たのだ」と、書きました。そして、
“すべてがそうなってきたのだから仕方がない”と・・・。
今、2018年。石垣りんが、この詩の最後のフレーズに書いたとおりになってしまったようですね。
なんと無力・・・。
    雪崩のとき  石垣 りん
    
人は
その時が来たのだと、という
 
雪崩のおこるのは
雪崩の季節がきたため と。
 
武装を捨てた頃の
あの永世の誓いや心の平静
 
世界の国々の権力や争いをそとにした
つつましい民族の冬ごもりは
色々な不自由があっても
また良いものであった。
 
平和
永遠の平和
平和一色の銀世界
そうだ、平和という言葉が
この狭くなった日本の国土に
粉雪のように舞い
どっさり降り積もっていた。
 
私は破れた靴下を縫い
編物などしながら時々手を休め
外を眺めたものだ
そして ほっ、とする
ここにはもう爆弾の炸裂も火の色もない
世界に覇を競う国に住むより
このほうが私に合っている
と考えたりした。
 
それも過ぎてみれば束の間で
まだととのえた焚木もきれぬまに
人はざわめき出し
その時が来た、という
季節にはさからえないのだ、と
 
雪はとうに降りやんでしまった
 
降り積もった雪の下には
もうちいさく 野心や、いつわりや
欲望の芽がかくされていて
“すべてがそうなってきたのだから
仕方がないというひとつの言葉が
遠い嶺のあたりでころげ出すと
しかたがない
と、落ちてくる。
 
ああ、あの雪崩、
あの言葉の
だんだん勢いづき
次第にひろがってくるのが
それが近づいてくるのが
 
私にはきこえる
私にはきこえる
 ※ 石垣りんーー1920年~2004年。日本興業銀行に入社、定年まで勤務する。「歴程」同人、19回H賞、12回田村敏子賞など受賞。掲載した詩は、石垣りん詩集「私の前にある鍋とお釜と燃える火」より。