艶っぽくて・・・

わが家では、テレビはズズズーイと昔からNHKの大河ドラマと紅白歌合戦は、何が何でも見ることになっている。面白くなくても、知らぬ歌手がゾロゾロ出てきても、何故か見なければならぬ。

今年の大河ドラマは吉高由里子さん出演の「光る君へ」。1000年前に源氏物語を書いた紫式部が主役となるドラマである。
NHKの大河ドラマは戦国時代の武将が定番となっているので、色恋沙汰あふれる源氏物語なんてなんと場違い・・・きっと視聴率最低と思っていたら、これが凄い!!!

朝日新聞の金曜日テレビ版に、20位までのテレビ視聴率が毎週掲載されている。なんと凄いことに「光る君へ」はこの欄の常連となっている。10位以内もしばしばある。今迄は大河ドラマが20位以内に入るってこそは、ほんのチョッピリであった。
これって、大河ドラマを見るなんて「アホみたい」と、見向きもしなかった女性諸君が、色恋沙汰の源氏物語なら見てみようと思ったのに違いない。

色恋沙汰溢れるストーリーを書く紫式部は、それなりの色恋沙汰あふれる女性であろうと思っていたので「光る君」で紫式部を演じる俳優さんも、きっと色恋沙汰あふれる女優さんがなるに違いないと期待していたら、これが吉高由里子さん。

私は邦画もTVドラマも、よほど話題にならない限り見ることはない。だから、吉高由里子さんって初めて聞く名前で、出演した映画もTVドラマも見たことはない。
最初の頃は、吉高由里子さんて色恋沙汰とはほど遠い清潔感触れる女優さんと見ていたら、なんと放映の回数を重ねるごとに、彼女、お色気あふれる女性に見えてきたのである。

お色気といっても、エロっぽいお色気ではない。ほのかににじみ出るお色気である。
源氏物語は、色恋沙汰をストレートに描いてあるのではなく、和歌などに託して恋心を訴えるといった、ほのかににじみ出る色恋沙汰を書いた小説らしい。それなら、吉高由里子さんは紫式部ぴったり。はまり役であろう。

彼女がキスをするシーンが何度かあったが、彼女の艶めかしい顔にうっとり。ウーン、すっごく素敵!!!

それに、ドラマの最初に出演する俳優さんやスタッフのクレジットが出てくるが、そのバックの映像に女性の手のひらがアップされて何度も出てくる。
それが、なんと艶めかしいこと・・・。きっと吉高由里子さんの手のひらに違いない。手のひらに艶めかしさを感じさせる女優さんて凄い。彼女のファンになることにしよう。

大河ドラマのクレジットのバックの画面は、いつもおどろおどろしい画面が映し出されるものだが、「光る君へ」のテーマを女性の手のひらで表現させた映像スタッフも凄い、

何の取り柄のない私は、55歳の定年になったら・・・昔は55歳が定年・・・本でも読むかと、30歳になったころから、全集物を、見境もなく買いあさり、私の本棚には13セット、233冊の全集が鎮座している。

その中に、昭和39年に・・・今から60年前・・・箱入りで中央公論社から発行された谷崎潤一郎の「新々訳 源氏物語」全11巻がある。
無論、買った時はパラパラと頁をめくってはいるものの、以後本棚で60年間冬眠。

恥ずかしながら、私、71歳で仕事を辞めたものの、以後、昨年85歳になるまで、自治会等アレヤコレヤ仕事をさせられていたので、読んだのは「世界ミステリ全集16巻」迄である。

しかし、今回「光る君」の放映とあって「新々訳 源氏物語」を取り出してみたら、11巻目は別冊となっていて「隆能源氏物語絵巻」が現代語訳で掲載され・・・これってすっごくイイ!!!・・・あとは各種資料が満載されていた。

第1巻を開くと、挿絵も挿入されていて、1頁の「桐壺」の出だしの文章は、

「何という帝の御代のことでしたが、女御や更衣が大勢司候していました中に、たいして重い身分ではなくて、誰よりも時めいているお方がありました。」

漢字には全て振り仮名が付いてあり、うれしいことにはすこぶる読みやすい。私の残り時間はほんのチョッピリだから、今から読む全集の優先順位がら除外していた「新々訳 源氏物語」を読むことにした。

ウン、これも吉高由里子さんあってのこと。「光る君へ」は、私の読書計画にまで多大な影響を及ぼすドラマになってしまった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)