世の中、大変の連続!!! 地球に棲息するヒト科の生物が、この星を得手勝手に徹頭徹尾に無法図に勝手放題に酷使した結果、温暖化が進んで近い将来、この惑星の気温は35度以上が夏日、40度以上が真夏日、45度以上が猛暑日になるに違いありません。ヒト科の生物って、エラそうな顔をしているけれど、きっとアホまる出しの生物なんでしょうね・・・と、はるか宇宙の彼方のチチンプイプイ星人が嘆いているそうです。
ホント、アツクッテあつくって暑くって熱くって・・・・もう、ダメ!!!
と、いう訳で、今回の「ハードボイルドに恋をして」は、「大変!!!」の第2弾です。
落 胆
きかん坊がだたっ子になり、不良少女になり、今は、人間のくずへの坂道を転げ落ちている。10歳で人生に飽き、13で人生に疲れ、娘盛りを迎えた16で、人生に希望を失った。親が溺愛すれば子が背を向け、親が見放せば子がすがりつく、という典型的な例だ。
東京創元社「ストリート・キッズ」ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳
「ちょっと、お待ち下さい」電話線が冷えていくのを感じながら、わたしはただあてもなく待たされる〝おあずけ〟の領域に入っていた。
早川書房「身代金ゲーム」ハワード・エンゲル/中村保男訳
脳みそがソックスの中に落ち込んでしまいそうな下向きの圧力・・・・未来のミの字も見えないときに、どっと襲いかかってきて、体をくたくたにしてしまう疲労。カービーは、パットしたたぐいの37歳。
早川書房「俺には向かない職業」ロス・H・スペンサー/上田公子訳
雨に濡れ、ののしられ、まるでオレンジの皮と卵のカラを通じて世界を見ているような心地になってしまうのだが・・・。
早川書房「身代金ゲーム」ハワード・エンゲル/中村保男訳
「ノックしたけれど、きみの心は惑星地球から、遠く離れていた」
早川書房「ダウンタウン・シスター」サラ・バレッキー/山本やよい訳
受話器から聞こえてきたのは、アホな留守番電話のアホな自分の声だけだった。アホな留守番電話でアホな自分の声を聞くために、おれはアホなミズリー・シィティにきたわけじゃない。
早川書房「チコの探偵物語」ウォーレン・マーフィー/岡村義進訳
(エレベーターに乗ったとき)
8年以内に合衆国大統領になりそうな女といっしょだった。ウールのスカートにウールのジャケット、おまけにウールのタイを締めていた。彼女が「メー」と鳴くのが聞けそうだったが、26階で降りてしまった。廊下を歩み去るのをながめていると、ドアが閉まった。彼女は両膝をくっつけすぎるぐらいにして歩いていた。タイトスカートは数多くのアメリカ女性のまともな歩行を駄目にした。言語に絶する被害だ。
早川書房「秋のスローダンス」フィリップ・リー・ウィリアムズ/坂本憲一訳
「彼はいっちゃったわ。わたしのハートを破って」
「ばかばかしい。ハートは筋肉でできているんだよ」
早川書房「汚れた守護天使」リザ・コディ/堀内静子訳
(父がいとこのヴィニーのところで仕事をしたらと云うので)
「給料はいいかしら?」あたしは聞いた。父は肩をすくめた。「雀の涙ぐらいだろうな」すばらしい。すでに失意のどん底に落ちている人間には完璧なとりあわせだ。腐れた雇主、腐れた仕事、腐れた給料。自分を哀れむ種はつきない。
扶桑社「私が愛したリボルバー」ジャネット・イヴァノヴィッチ/細美遥子訳
なんといっても眠りからさめるときが最悪だった。・・・湿ったシーツが体の下でよじれ、ベッドが、部屋が、そして人生がからっぽであることを思い知らされる。けさも彼女はいなかった。
扶桑社「フレッチャー絶体絶命」サイモン・ショー/富永和子訳
そしてスケジュ-ル帖を確認した。火曜日の〝お守り役〟の仕事以外は、・・・警備システムの毎月の定期点検があるだけで、あとはジャイアンツの得点表なみに真っ白だった。
早川書房「バラは密かに香る」デイヴィッド・M・ピアス/佐藤耕士訳
ゴールディは答えなかった。ベッドの後ろにもたれ、天井をじっと見つめた。絶望を絵にしたような格好だ。
早川書房「汚れた守護天使」リザ・コディ/堀内静子訳
心 配
とうとう、役にも立たぬ心配を続けるのにうんざりして・・・。
早川書房「ダウンタウン・シスター」サラ・バレッキー/山本やよい訳
・・・彼女はまったくよそよそしく、ベイハウスに着くと何やら他人行儀なお世辞をつぶやき、早々にひとりでベッドに入ってしまった。こっちだって、いま一緒に寝ないと死んでしまうなどと真剣な顔をして騒ぎたてる年ではなかったので、ぼくたちは同じ部屋で眠りに落ちた。・・・ただ眠ったのだ。・・・ぼくは自分たちのなさねばならない仕事について気をもんでいたが、このことが性的な切迫感が欠けていたことと関係があるのかもしれない。それとも、もう年なのだろうか。一覧表を作ったほうがいいのかもしれない。
早川書房「破産寸前の男」ピーター・バーセル/斎藤数衛訳
誓ってもいい。私はおん年40近くで、女といっしょになって別れ、あまたの対人戦争をくぐり抜けて叙勲をうけた老兵だ。その私が、何かがいまにも起こりそうだというときには、やはり不安じっとしていられなくなる。
早川書房「殴られてもブルース」スティーヴン・ウォマック/大谷豪見訳
(飛行機に乗ったらシュチューアデスが)
・・・飛行機が高度2万6千フイートの上空から地上に墜落して炎上しそうになったときにどうすべきかを説明した。わたしには、天井からぶら下がっている酸素マスクは役にたたないような気がしたが、彼女は緊急時の対応のしかたをわれわれに伝えて、いくらか満足したようだった。乗客に墜落炎上死の可能性を忘れさせるため、彼女は機体が離陸したら飲み物とスナックを配るとアナウンスした。
早川書房「無法のL」スー・グラフトン/嵯峨静江訳
・・・卒業したはずの散財癖がまたぶりかえし、この古めかしい百貨店であれこれ買いまくった自分の退行行動をしみじみ考えた。
早川書房「虹の彼方に」ネンシー・ピカード/宇佐川昌子訳