本物の夫婦って・・・

 6月はジューンブライド。
 6月に結婚するあつあつのカップルに、そして、もうすぐ結婚しようかなと考えているときめきのカップルに、それから、いい人いたら・・・と結婚を夢見る可憐なシングルに、はたまた、幸せ賞味期限を過ぎて7年目の浮気をしているドキドキのカップルに、それと、老後は自由とほくそ笑んで熟年離婚を目論んでいる恐怖のカップルに、次の詩を捧げます。

祝婚歌    吉野 弘

二人で睦ましくいる為には、愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは、長持ちしないことだと、
気づいているほうがいい。
完璧を目指さないほうがいい。
完璧なんて不自然なことだと、
うそぶいているほうがいい。
二人のうちどちらかが、ふざけているほうがいい。
ずっこけているほうがいい。
互いに非難することがあっても非難できる資格が
自分にあったかどうか後で疑わしくなるほうがいい。
正しいことを言うときは、少し控えめにするほうがいい。
正しいことを言うときは、相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい。
立派でありたいとか、正しくありたいとかいう
無理な緊張には、色目を使わず、ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい。
健康で風に吹かれながら、
生きていることの懐かしさに、ふと、胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして、なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても、二人にはわかるのであってほしい。

 そうなんです。アメリカのミステリー作家ラリー・バインハートも『最後に笑うのは誰だ』という本の中でこう書いています。

(女房の)マリー・ロールは俺が風呂と、アスピリンと、眠ることと、かしずかれることにしか興味がない、と言って非難した。つんけんしている彼女に腹を立てた俺も気に食わなかった。要するに何もかも気に入らなかったわけだが、これで俺たちも恋人同士から本物の夫婦になれたようなものだ。

と・・・。

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