ブンガク最前線~北九州発

 私、北九州市立文学館の「友の会」に入っているので、イベントがあれば案内状が送られてくるけれど、先日、第21回特別企画展の開会式招待状が宣伝チラシと一緒に送られてきたのである。それを見てオドロキ&ビックリ!!!
 なんとタイトルが「ブンガク最前線~北九州発」とある。お固い文学館ならば、ここは「文学最前線~北九州発」と重厚なイメージで書くべきところなのに「文学」がカタカナで書かれてある。
 フーン、凄い。「文学最前線」なんて書かれると、フツーの人は「文学なんて関係ないよ」と、ソッポを向くでしょ。だけど、カタカナで書くと
 「ン? それって何?」と思うに違いないのである。漢字で書くところを、わざわざカタカナで書いているのだから、ちょっと違う意味があるのかなと思うはずである。
 それに宣伝チラシも凄い。黄色の下地に、ばかでかい字で放射線がひかれたように斜めに「ブンガク最前線」と書かれている。なんと派手。まるで「マンガ最前線」の宣伝チラシに似合いそうである。タイトルにふさわしいデザイン。ミイハアな私好みでもある。
 きっと、若い人の気を引くに違いない、
 これって、きっと、今川英子文学館館長の発想のような気がする。「文学」を身近に感じてもらいたいという今川館長の想いがこもった宣伝チラシに違いないのである。
 実は私もカタカナ語を多用・・・ン? 乱用し過ぎ気味だけれど「漢字」で書くとどうも固い感じがするし、例えば「偉い人」を「おエライ人」と書いている場合は、ちょっと茶化した意味を含めて書いているのである。
 そんな訳で、我が意を得たとばかりイソイソと開会式に行ったのは言うまでのない。だけど、驚いたことには、なんと我が街北九州にゆかりのある現代作家として35名もの作家の作品が展示がしてあったのである。芥川賞・直木賞をはじめ何らかの文学賞を受賞した作家がズラーリ。
 我が街北九州は、森鴎外をはじめ火野葦兵・林芙美子・松本清張・杉田久女・橋本多佳子など輩出しており、今や、むかし昔の「北九州工業地帯」が、文化都市に様変わりしているのである。
 展示されていたのは、原稿・執筆ノート・イラスト原稿・書籍など約400点。それぞれの作家の作品の中で北九州にかかわる文章がパネルで展示されていたけれど、びっくりしたのは、作家の皆さんが今回の企画に当たってのメッセージを寄せ、それがパネルに展示されていたことである。作家の方は、東京などで執筆活動をされている方が多いけれど、故郷に対する想いをこもごもと述べられていて感銘を受けた次第である。
 開会式の後、開会記念座談会として今川館長の司会で西日本新聞・読売新聞・朝日新聞・毎日新聞の文芸担当の記者が、取材した作家や文学についての話が交わされ、これが楽しかった。北九州とのかかわりについての話題の中で、作品に現れていなくても、作家の根底には故郷があるのではないかということが話されていたけれど、今回の企画に寄せられた作家の方々のメッセージを読むと、それがよく分かったような気がしたものである。
 35名の作家の中にリリー・フランキーが含まれていたので、またもやビックリ。私、NHKBSTVで毎週月曜日に放映されている音楽番組「The Covers」を毎週見ているけれど、この番組の司会者がリリー・フランキと夏菜。この司会の二人の軽妙なやり取りが楽しいし、夏菜のパッチリした目元もえくぼも可愛く、おまけにボインボイン・・・なんと素敵な番組という訳だけれど、リリー・フランキーが作家だとは全く知らなかった。なんと俳優・イラストレイター・エッセイスト・ミュージシャン・絵本作家・アートディレクター・構成作家・演出家などのマルチタレントだったのである。そして映画「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」の原作者だって・・・。
 どうも私、世間知らずみたい。
 開会式の夜「リリー・フランキーさん開会記念トーク」があったんだけれど、気が付いた時は、申込期限が過ぎていてオジャン。
 エ?何? 「そう八さん、リリー・フランキと夏菜が一緒に出るのだったら申込は絶対に忘れないよね、きっと」
 フン、人の心を見透かすようなことは止めましょう。プン、プン。

 九州の片隅の街・北九州にゆかりの作家が35名も作家がいるなんて・・・と、私も思った位だから、みなさんも「?」と思われる違いありません。と、云うことでここにズラズラーと35名の名前を書き出すことにします。いずれも、北九州で生まれた、育った、住んだ、住んでいるという方で、フイクション・ノンフィクション・児童文学・評論・散文の分野で活躍されています。
 「そんなの関係ない」なんてつれないことは言わないで、読んでくださいね。きっと、知っている作家の名前があるはずですから・・・。

青山真治・秋山香乃・岩森道子・桟比呂子・加納朋子・神沢利子・後藤みな子・佐伯泰英・佐木隆三・指方恭一郎・高橋睦郎・竹下文子・田中慎弥・タナダユキ・鳥越碧・中村うさぎ・波佐間義之・帚木蓬生・葉室麟・林えいだい・平出隆・平野啓一郎・深田俊祐・福澤徹三・藤野千秋・藤原新也・堀和久・松尾スズキ・まはら三桃・村田喜代子・山崎ナオコーラ・山田稔・リリー フランキー・追悼(赤瀬川隼・尾辻克彦)

* 「ブンガク最前線~北九州発」企画展ーーー開催期間 2015年10月24日~2016年1月11日。また、作家の方々の講演会・対談が11回予定されています。
 なお、リリー・フランキーさんより、「東京タワー ~ オカンとボクと、時々、オトン~」の自筆原稿が北九州市立文学館に贈呈されました。

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