好きな言葉は恋? 愛?

朝日新聞の「Be between~読者とつくる」頁に「あなたの好きな言葉は恋ですか、愛ですか」というアンケートの結果が掲載されていた。

あなたは、どちらが好き? 

ウン、私は、いい加減年よりだから、とっくの昔に「恋」時代を卒業して「愛」時代に突入している訳だけれど、慢性「恋あこがれ症候群」に罹っているいるから、ないものねだりで「恋」。
当然ながら、大多数の皆さんも「恋」だと思ったら、なんと
「恋」派は38%。「愛」派が62%。
「恋」が好きな理由は
1 ドキドキする言葉だから
2 青春時代を想起させる
3 特定の相手を思い出す
4 切実さを秘めた言葉
5 心を激しく揺さぶる言葉
だって・・・。
「愛」が好きな理由は
1 相手をおもんばかる気持ち
2 人間以外にも対象が広い
3 恋より深さがある
4 人生でいちばん一番大事な気持ち
5 永続的な気持ちだから
だそうである。
ウーン、なんだか「恋」は軽く「愛」は重いって感じである。そう云えば「恋が愛に変わった」いう通り、恋が進化したものが「愛」という訳なんですね。
そして「人間にとってより大事な気持ちは?」という問いに対しては「愛」が92%、「恋」はたったの8%。
「英語のLOVEの訳語はどちらがいい?」に対しては、やはり「愛」が65%、「恋」が35%。
名前に「恋」の字より「愛」の字が使われるのが多いとおり、「愛」派の方が強いみたいである。
どうも「恋が好き」などと言うと軽薄短小な人間に思われそうだから、私、ここで前言変更「愛」が好きと言うことにしよう。、
そして、このアンケートに寄せられたコメントが凄い!!! 
「恋は自由、愛は重たい自由」(東京・81歳男性)
「恋は乞う、愛は会う。ないものを望むのが恋で、そこにあるものが愛でしょうか」(長崎・59歳女性)
「恋は有償、愛は無償」(神奈川・61歳男性)
ウンウン、納得です。

そこで、愛の詩をひとつ。
トレラーに
千個の南瓜と妻を積み 
霧に濡れつつ
野にもどりきぬ    時田則雄
これ、「愛」の字はないけれど、ほのぼのと「愛」を感じるでしょ、「・・・妻を積み」なんですね。いいなァ・・・、絵のような風景です。

そして、これも「恋」なのですね。
君と食む三百円のあなごずし
そのおいしさを
恋とこそ知れ      俵万智
この可愛いいカップル、きっと「恋」が「愛」に変わるに違いありません。

でもね、こんな「恋」もあるんですね。
この胸に優し過ぎてる今日の雨
別れの手紙と哀しい酒と
          糸瀬久美子
しとしと降る雨と哀しい酒。心に沁みて・・・。でも、大丈夫ですね。きっと。

そして、最後に詩人工藤直子の詩をどうぞ・・・。

       痛い

すきになる ということは
心を ちぎってあげるのか

だから こんなに痛いのか

時田 則雄ーー1946年、北海道生まれ。歌集「緑野疾走」など。
俵   万智ーー1962年、大阪生まれ。第32回角川短歌賞受賞。引用した短歌は「サラダ記念日」。
糸瀬久美子ーー1945年、沖縄生まれ。歌集「このゆびとまれ」など。
工藤 直子ーー1935年、台湾生まれ。2008年野間児童文学賞受賞。詩人・童話作家。詩集「のはらのうた」など。

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