心は夢色に‥‥

 2006年の幕が開き、今年、私は御年68歳。だから、「おめでとう」と云われても、ひとつ年を取るということは、人生の残り時間が1年短くなったということだし、頭がますますオメデタクなったと云われているみたいだから、ちっともおめでたいなんてことはないよ。‥‥なんてニクマレ口をたたくと、
「よう、ご老人」と声をかけられそうだから、ここはおとなしく、まずは

明けましておめでとうございます

 私にとって、お正月といえば、ゴジラが「グォアー」と怒声をあげ「ズシンズシン」と地響きを立てながらやって来たものである。
 ところが、お正月のゴジラ映画は、昨年で打ち止めとなってしまい、さびしいお正月と思っていたら、アメリカから「キングコング」がやってきた。
 1998年に上映されたハリュウッド版「GODLILLA」は、ゴジラとは似ても似つかぬ醜悪なゴジラ。だから、またお化けみたいなキングコングが出てくるのだろうと思ったけれど、ゴジラが来ないことだし、その代わりにと思って、期待もせずに見に行ったとろ、これが驚き!!!
 なにしろ、キングコングそっくりのキングコングが出てきて、本場アメリカのSFXを駆使したシーンがいっぱい。おまけに、キングコングの哀しいラブストーリーともあいまって、ゴジラをしのぐ出来映え。なんと、あの猛々しいキングコングが哀しい目つきをするんだから、ホント、ビックリ感動。
 それに、上映時間がハラドキ連続の2時間50分。私、シニア料金で入場料、金1000円也だからエラク得した気分。
 でも、あまり大きな声では言えないけれど、普通は上映時間約2時間なのに、これはエンエン2時間50分でしょ。なにしろ、オシッコに行きたくて行きたくって、ハラドキ連続、ガマン連続。連続オンパレード。
 私は生粋のケチだから、英語が読める訳でもないのに、いつもは映画の最後にエンエンと流れるエンド・クレジットのスタッフの名前を最後まで見て、場内が明るくなってから席を立つのだけれど、今回はエンド・クレジットの途中で退席。
 でも、途中退席の挫折感はあったけれど、がまん我慢のうえのシャーと出るオシッコのなんという快感!!! 
 挫折感なんてクソ食らえ、と云いたいところだが、私は、ケチなうえに見栄っ張りときているので、口が裂けてもそんなことは云わない。
 「素敵な映画を作ったスタッフの名前を最後まで見ずに退席して、失礼した。申し訳ない」と、もっともらしく云うことにしている。

 でも、ホント、トシなんですね。オッシコが近いってのは‥‥。
 かくなるうえは、カウントダウンが始まった人生で、老いてますます耄碌なんて云われないよう、壊れかけそうな時代だけれど、せめて、心を桃色に染め上げて‥‥アッ、間違い‥‥心を夢色に染め上げて生きていきたいと思っています。
 だって、なんたって、このコラム「夢旅人」ですから‥‥。
 では、今年もよろしくお願いします。

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